[第23回] 地球の鼓動・野草便り 昔からの生活の中の植物と薬効の高い植物


昔からの生活の中の植物と薬効の高い植物

昔から生活全般に多様に使われてきた植物ですが、3大漢方薬といわれているのは、マコモ、麻、日向当帰。

マコモは一番古くから日本で様々に利用され、薬効が高いそうです。何でも、マコモ特有のマコモ菌は特別体に良いらしいのです。捨てるところがないほど薬、食料、衣服、建材として利用されてきたといいます。

マコモ


鉄砲で撃たれた水鳥がマコモを口で傷に入れて、3日で弾丸が体外に出て飛び立ったという話があります。出雲大社のしめ縄はマコモで作るのだそうです。

麻は、細胞の活性化、身体機能向上、神経に作用し敏感にするのだとか。トウキは婦人病の妙薬として知られていますね。すっごい植物達がまだまだありそうです。

「薬事法(別添2) ○専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト 1.植物由来物等」から、ピックアップしてみました。医薬品原料としての毒草もかなりありましたので、毒草以外でわかるものだけです。
これらは特に薬効が高いということですね。
他の部位が「非医」(化粧品用など)になっているものが多々ありました。


  1. 身近なもの・・・
    ウツボグサ(全草)イノコズチ(根)セキショウ(根茎)ゴボウ(果実)ヤマゴボウ(根)イタドリ(根茎)イ・イグサ(全草)ナンテン・シロミナンテン(果実)アケビ(つる性の茎)ヤドリギ(茎・葉・枝葉梢)ゲンノショウコ(地上部)ノイバラ(果実・偽果)アロエ(葉の液汁)
  2. ウツボグサ

    アケビの雌花と雄花

    ヤドリギ


  3. 部位が違うけどよく利用するもの・・・
    クワ・マグワ(根皮)クコ(根茎)ホオノキ(樹皮)コヤブラン・ジャノヒゲ・ヤブラン・リュウノヒゲ(根の膨大部)サンキライ・ケナシサルトリイバラ(塊茎・根茎)クズ・カッコン(根)オオツヅラフジ(根茎・つる性の茎)ウド・ドッカツ(根茎)トチュウ(樹皮)

  4. 薬効が高いと定番?の植物・・・
    キハダ(樹皮)ムラサキ・シコン(根)オウレン・キクバオウレン(根茎・ひげ根)カワミドリ(地上部)カワラタケ(菌糸体)カワラヨモギ(花穂・帯花全草)イカリソウ(全草)ヒュウガトウキ(根)ヒカゲノツルニンジン(根)フジ(フジコブ菌が寄生し生じた瘤)アサ(発芽防止処理されていない種子)
  5. イカリソウの花


  6. これから利用してみたいもの・・・
    ガマ・ヒメガマ(花粉)カシ(果実)コブシ・タムシバ(花蕾)オナモミ(果実)ヤマザクラ(樹皮)キササゲ(果実)サジオモダカ(根茎)ショウブ(根茎)サラシナショウマ(根皮)クヌギ(樹皮)ミゾカクシ(全草)オオカラスウリ・キカラスウリ・シナカラスウリ(根)ナンバンキカラスウリ(種子)メハジキ(全草)フジバカマ(全草)トチバニンジン(根茎)ヨロイグサ(根)ヘラオモダカ(根茎)チガヤ(根茎)シャクヤク(根)ボタン(根皮)リンドウ(根・根茎)レンギョウ(果実)ヨシ(根茎)アカネ(根)コウホネ(根茎)シャジン(種子の塊・成熟果実)コケモモ(葉)シオン(根・根茎)イチイ(枝・心材・葉)アンズ(種子)


薬効が高いということは、体調に合わせて少しずついただいた方が良さそうです。
絶滅危惧種も多そうです。私はほとんど根っこは利用しませんが、畑のイタドリやイノコズチの根は抜いてしまうことが多いので焼酎漬けやお茶などにしています。

yasou
最近、とっても苦いシシウドやキクイモの葉の天ぷらを食べます。苦味が夏バテに効くような気がします。そういえば夏野菜のゴーヤも苦味がくせになる美味しさですね。
シシウドは別名アンゲリカといい天使という意味だそうです。
何でも、シシウドが伝染病のペストに効くとある天使が教えたそうです。薬効が大変高く、魔除け植物として伝染病や魔女の呪いから護ってくれるのだとか。

シシウド


具体的にはシシウドの根が鎮痛、鎮静、血管拡張作用、風邪、頭痛、神経痛、リューマチ、冷え性などの薬効があります。ビタミンEの数百倍の抗酸化力のゲルマニュウムが多いアシタバ(薬効:強精、滋養強壮、高血圧)と同属なので、血行が良くなることで色々な効用がありそうです。まさに天使のような草ですね。

キクイモも糖尿病予防になるのはよく知られていますが、繁殖力旺盛で、大変パワフルな植物で、とてもありがたい存在です。

また、オオバコも昔から風邪の咳止め薬として大切な民間薬です。こちらは苦味もなく食べやすいのですが、お茶にして飲むと、風邪気味な時や痰が解消されたりするようです。種が車前子という漢方薬で、利尿作用があり腎機能、眼にいいようです。

そして、整腸作用のある「現に証拠」のゲンノショウコも今が摘み時ですね。

yasou
自然賛歌

オモダカ(アギナシ)

クズの花

ミズヒキの花

ヤマゴボウの花

カボチャの花にトラマルハナバチ

ムギワラトンボ

キアゲハの幼虫


クロコノマチョウの幼虫

ツマグロヒョウモンチョウ♀

ミントの花にヤマトシジミ





■ 参考文献
イー薬草・ドット・コム
「大地の薬箱 食べる薬草事典」 村上光太郎/著 農文協
「カラダ改善研究所 自然のチカラいただきます」中村臣市郎/監修 西日本新聞社



ライター

ニャンニャン母さんプロフィール

ニャンニャン母さん

プロフィール:1955年魚座生まれ、広島の県北 中山間地域在住、
体癖はおそらく2ー3種

20代の頃「複合汚染」有吉佐和子/著 を読んで、食の環境悪化を考えた時、野草を食べることを思いつき、食料としての野草研究を始める。
全くの素人ながら、健康住宅の設計事務所に入社し、健康住宅を学ぶ。
残された人生と限られた時間について気付かされ、仕事を辞め、自給自足を目指す。
平成22年頃、古民家を借り、Iターン。野草教室を開催。
「古民家カフェ・むす日」「山のくらしえん・わはは」「クリエイティブ・アロマ」等にて野草教室。

現在、野草好きになった87歳の母と、無関心な33歳の長男と猫3匹と暮らしています。

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