[第24回] 地球の鼓動・野草便り 秋の七草


秋の七草

太陰暦(旧暦)6月16日/太陽歴(新歴)8月7日、満月のこの日は立秋でした。なんとなく朝晩が過ごしやすくなってきました。秋の七草がそろそろ見頃です。
フジバカマ、オミナエシ、萩、クズ、桔梗、ナデシコ、尾花(ススキ)これらは見た目も美しいのですが、薬効もあります。

たとえば、オミナエシは全草が薬になりますが、花だけを集めて薬に使うそうです。解毒、排膿、子宮出血、こしけ、浄血、血行をよくする精油がふくまれていて、酒に漬けておいて生理不順の薬にもなるそうです。

[秋の七草]オミナエシ


花が白いオトコエシも同じように使えます。柔らかい葉はお浸しなどでもいただけます。

オトコエシ


フジバカマは蕾を乾燥させて、利尿、通経、黄疸などの薬として使われるようです。また葉を半乾燥させるといい香りがするのですが、入浴剤にすると皮膚のかゆみなどに効果があるようです。痒いところを葉でこするといいそうです。

[秋の七草] フジバカマ(ヒヨドリバナ・サワヒヨドリ)


フジバカマはほとんど見なくなりましたので、ヒヨドリバナやサワヒヨドリを代用しています(一昨年種をもらって帰ってまいて1本大きな株になった庭のヒヨドリバナが終わり頃、お茶や入浴剤としていただいています。)

また、萩(ヤマハギ)の葉や花もお茶になります。婦人病のめまい、のぼせにいいそうです。

[秋の七草]ヤマハギ


同じ豆科のナンテンハギやヌスビトハギなども山菜やお茶になり、めまいや疲労回復の薬効もあるようです。特にナンテンハギは飛騨・高山あたりでは、春の若芽をアズキナとよび、山菜として栽培されているそうです。

クズは根がご存知クズ粉になり、乾燥したものが葛根(カッコン)という生薬で、発汗解熱、血糖降下、女性ホルモン様作用などに。葛湯はかぜのお薬として昔から親しまれています。

[秋の七草] クズの花


花も甘い香りが強く、二日酔いの薬などになるようですが、蜂たちのごちそうです。威勢良く伸びるツルは繊維が光沢のある美しい葛布になりますが、ツル先と若葉を天ぷらにして美味しくいただいています。母たちの田舎ではクツンバカズラとよび、ウサギや牛が喜んで食べていたと言います。

キキョウ、ナデシコはかなり山の辺りに行かないと見かけなくなりました。毎年見かけるのは決まった場所です。

[秋の七草]キキョウ

[秋の七草]カワラナデシコ


尾花(ススキ・カヤ)は根を利尿、解毒、風邪、高血圧などの薬用にしますが、尾花を中秋の名月にハギと一緒に飾ると風情がありますね。子供の頃から、お団子と一緒に縁側にお供えしていました。旧暦8月15日(今年は新暦10月4日)が中秋の名月です。

[秋の七草]尾花(ススキ・カヤ)



旧暦(太陰暦・お月さまの暦)で7月7日の七夕さまは新暦で8月28日です。お月さまが7日の上弦の月なので、夜空の星も美しく見えて、やはり日本の行事は旧暦が合います。もともと旧暦でおこなわれていたのですものね。ちなみに盂蘭盆会は旧暦7月15日(今年は新暦9月5日)です。この盂蘭盆会の2日後が草露白しの白露で朝晩の気温が下がってくるのでしょう。

yasou
自然賛歌

ウバユリ

シシウド


キセルアザミ(サワアザミ・マアザミ)


ゲンノショウコ


ビッチュウフウロ



ハナトラノオにトラマルハナバチ


アブラガヤにゴマダラカミキリ


ミヤマクワガタ



空を泳ぐ黒鯉

仲良しキノコ






■ 参考文献
イー薬草・ドット・コム
「大地の薬箱 食べる薬草事典」 村上光太郎/著 農文協
「カラダ改善研究所 自然のチカラいただきます」中村臣市郎/監修 西日本新聞社



ライター

ニャンニャン母さんプロフィール

ニャンニャン母さん

プロフィール:1955年魚座生まれ、広島の県北 中山間地域在住、
体癖はおそらく2ー3種

20代の頃「複合汚染」有吉佐和子/著 を読んで、食の環境悪化を考えた時、野草を食べることを思いつき、食料としての野草研究を始める。
全くの素人ながら、健康住宅の設計事務所に入社し、健康住宅を学ぶ。
残された人生と限られた時間について気付かされ、仕事を辞め、自給自足を目指す。
平成22年頃、古民家を借り、Iターン。野草教室を開催。
「古民家カフェ・むす日」「山のくらしえん・わはは」「クリエイティブ・アロマ」等にて野草教室。

現在、野草好きになった87歳の母と、無関心な33歳の長男と猫3匹と暮らしています。

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