秋の七草
太陰暦(旧暦)6月16日/太陽歴(新歴)8月7日、満月のこの日は立秋でした。なんとなく朝晩が過ごしやすくなってきました。秋の七草がそろそろ見頃です。
フジバカマ、オミナエシ、萩、クズ、桔梗、ナデシコ、尾花(ススキ)これらは見た目も美しいのですが、薬効もあります。
たとえば、オミナエシは全草が薬になりますが、花だけを集めて薬に使うそうです。解毒、排膿、子宮出血、こしけ、浄血、血行をよくする精油がふくまれていて、酒に漬けておいて生理不順の薬にもなるそうです。

[秋の七草]オミナエシ
花が白いオトコエシも同じように使えます。柔らかい葉はお浸しなどでもいただけます。

オトコエシ
フジバカマは蕾を乾燥させて、利尿、通経、黄疸などの薬として使われるようです。また葉を半乾燥させるといい香りがするのですが、入浴剤にすると皮膚のかゆみなどに効果があるようです。痒いところを葉でこするといいそうです。

[秋の七草] フジバカマ(ヒヨドリバナ・サワヒヨドリ)
フジバカマはほとんど見なくなりましたので、ヒヨドリバナやサワヒヨドリを代用しています(一昨年種をもらって帰ってまいて1本大きな株になった庭のヒヨドリバナが終わり頃、お茶や入浴剤としていただいています。)
また、萩(ヤマハギ)の葉や花もお茶になります。婦人病のめまい、のぼせにいいそうです。

[秋の七草]ヤマハギ
同じ豆科のナンテンハギやヌスビトハギなども山菜やお茶になり、めまいや疲労回復の薬効もあるようです。特にナンテンハギは飛騨・高山あたりでは、春の若芽をアズキナとよび、山菜として栽培されているそうです。
クズは根がご存知クズ粉になり、乾燥したものが葛根(カッコン)という生薬で、発汗解熱、血糖降下、女性ホルモン様作用などに。葛湯はかぜのお薬として昔から親しまれています。

[秋の七草] クズの花
花も甘い香りが強く、二日酔いの薬などになるようですが、蜂たちのごちそうです。威勢良く伸びるツルは繊維が光沢のある美しい葛布になりますが、ツル先と若葉を天ぷらにして美味しくいただいています。母たちの田舎ではクツンバカズラとよび、ウサギや牛が喜んで食べていたと言います。
キキョウ、ナデシコはかなり山の辺りに行かないと見かけなくなりました。毎年見かけるのは決まった場所です。

[秋の七草]キキョウ

[秋の七草]カワラナデシコ
尾花(ススキ・カヤ)は根を利尿、解毒、風邪、高血圧などの薬用にしますが、尾花を中秋の名月にハギと一緒に飾ると風情がありますね。子供の頃から、お団子と一緒に縁側にお供えしていました。旧暦8月15日(今年は新暦10月4日)が中秋の名月です。

[秋の七草]尾花(ススキ・カヤ)
旧暦(太陰暦・お月さまの暦)で7月7日の七夕さまは新暦で8月28日です。お月さまが7日の上弦の月なので、夜空の星も美しく見えて、やはり日本の行事は旧暦が合います。もともと旧暦でおこなわれていたのですものね。ちなみに盂蘭盆会は旧暦7月15日(今年は新暦9月5日)です。この盂蘭盆会の2日後が草露白しの白露で朝晩の気温が下がってくるのでしょう。

自然賛歌