アーカイブ: 野草便り(連載)

[54話] 地球の鼓動・野草便り 最終回



 地球の鼓動・野草便りをご愛読いただき、ありがとうございます。
フキノトウやつくしを見かけるようになり、昨年この連載がスタートしたころの心地よい日差しになったと感じています。春〜冬の季節ごとの野草の情報を網羅できるよう、1年間の連載を依頼していましたが、今回が最終回となります。これからも野草を見つけたとき、ぜひ過去の記事を読み直してみてください。身近にある野草が、優しい力で私たちを助けてくれることがあるでしょう。
 今後はにゃんにゃん母さんの幅広い知識を活かし、新たな連載をスタートしていただく予定です。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
(スタッフ こじか)
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最終回

地名の漢字が改竄されてきたのが、麻の産地であった大朝、安佐郡などがわかりやすい例ですが、安芸の国は本来、明けるの明きの国であったという話や、中国山地の県境にある、瑞穂町(現在:邑南町)市木は市杵島姫様の市杵だった等書かれた本を読んだことがあります。この本は広島のお医者さんが自費出版されていて、ご自分が行く先々で聞いた言い伝えの記録でした。

記憶にあるのはこの二つくらいなのですが、何故地名の漢字が改竄されたのだろうかと考えた時、真実を隠したい者が権力を握ったからでしょうが、時事ブログの記事のseiryuuさんの「ユダヤ問題のポイント」を読んでいると、内側に入り込んで、乗っ取りを目論む者が、真実を隠そうとしてきたのではないかと思えてきました。改竄、隠蔽は乗っ取り犯の常套手段。改竄、隠蔽って・・・!!

柳田國男さんの著書「日本の伝説」が青空文庫で紹介されています。
これを読むと、庶民の間で伝わってきた言い伝えが真実を伝えているのかもしれず、その言い伝えが急速に失われて来ていると思えます。けれど、自費出版された本のように、何処かにきっと真実の記録があるのではないかとも思えます。


さて、山かげには雪が残っていたりしますが、今年も早々とフキノトウやシャクをいただいています。 シャクがケマンソウと似ているのでにおいを嗅いでよくたしかめますが、もう少しするとシャクは大きく茂り、よくわかるようになります。花が咲くとシャクは白く、ケマンソウはピンクや黄色で、花の形も違うので良く見分けられます。

(左)シャク (右)ケマンソウ(有毒)


ノカンゾウ、コゴミ、ツクシ、ミツバ、菜の花、4月には・・・野山は恵みの幸にあふれますね。
一つ一つ丁寧に必要なだけ、いただいてもいいですか?や、ありがとうの一言を忘れないようにしたいです。


今日の野の恵み
フキノトウ、ノカンゾウ、シャク、ヨモギ、ハコベ、セイタカアワダチソウ



今回は野草団子の塩ぜんざいと野草のビビンバ風丼を作ってみました。



  1. 生のヨモギを刻んでもち米粉に混ぜて、熱湯または野草茶を入れ、しゃもじで混ぜます。
  2. 手でまとめながら、こねるように伸ばして丸めてを繰り返し粘りを出します。
  3. 一口大の団子に丸め、お湯の中に入れて煮ます。
  4. 団子が浮いたら網ですくい、水をはったボールへ入れて、冷めたらすくっておきます。
  5. 小豆を柔らかく煮て塩だけで味付けをします。
  6. 団子を入れて一煮立ちさせます。

塩味のぜんざいは毎日でもいただけそうです。
ヨモギも今は生でいただけます。他の野草を混ぜても良いですね。



  1. シャクは食べやすい大きさに切って、醤油、一味唐辛子、ニンニク(生または醤油漬け)のすりおろしたもの、ごま油を混ぜて、浸けておきます。
  2. ノカンゾウは梅酢とごま油を混ぜたものに浸けておきます。
  3. ハコベ、ヨモギは醤油、すりおろしたニンニク、ごま油を混ぜたものに、浸けておきます。(ハコベは意外と硬いので、柔らかいところ以外は小さく刻みます。)
  4. 菜の花は塩を全体にまぶして醤油、すりおろしたニンニク、ごま油に浸けておきま
    す。
  5. 人参は千切りにします。
  6. 熱いご飯に、それぞれ盛りつけます。

あれば、ゼンマイやワラビを干したものを水につけてもどして水煮して、醤油、ごま油で味付けします。また、モヤシを湯がいて酢醤油とごま油で味付けします。お好みでゴマをふりかけます。

ヨモギもこの時期は生で美味しくいただけます。セイタカアワダチソウも一緒に生で浸けてみましたが、歯ごたえはいいのですが苦味があります。苦味の必要な方はけっこう美味しいかもです。ヒメジョオン(塩茹)やタンポポ(生)、ギシギシ(塩茹)なども醤油とごま油、ニンニクに浸けて、加えると美味しそうです。

ノカンゾウ


ノカンゾウの生を梅酢漬けにすると、歯ごたえが良くて、美味しい漬物になります。

今年は野草たちが何だか少し違って見えます。
雪が多く、しばらく野草の姿が見えなかったせいか、1年前と感覚が変わったのか・・・これから野草たちとの新しい出会いがたくさん待っていますね。


最後になりましたが、多くの参考文献を掲載させていただき、いつも学ばせていただき、感謝申し上げます。
また、編集で大変お世話になりました”こじかさん”はじめスタッフの皆様、ありがとうございます。
読んで下さった野草仲間が増えたかな?少しはお役に立てたのかな?
植物たちともたくさん出会え楽しかったです。(完)


yasou
自然賛歌

ユキワリイチゲ・・・日本固有
種・・・レッドデータリスト

ホソバナコバイモ・・・レッドデータリスト


花梅・・・少ないけど実もなる

マルバスミレ?



フキノトウ・・・雌雄異株・・・雄花は両性花で結実しない、日本原産



シキミ・・・有毒とくに果実は猛毒・・・樹皮や葉に芳香、線香や抹香に



イトゴケ



マンサク(タニイソギ)



ヤマアイ



タマゴケ



ウバユリのやや・・・球根を潰して水にさらし、沈殿したデンプンを干して、カタクリ粉の代用に



ヤブタビラコ・・・7草のホトケノザ
(コオニタビラコ)の仲間


アマガエル・・・土の中から出てきたばかり?色が黒っぽい

ヤブツバキ


アザミ

オオマツヨイグサとセイタカアワダチソウの新芽



■ 参考文献

イー薬草・ドット・コム
「大地の薬箱 食べる薬草事典」 村上光太郎/著 農文協
「カラダ改善研究所 自然のチカラいただきます」中村臣市郎/監修 西日本新聞社



ライター

ニャンニャン母さんプロフィール

ニャンニャン母さん

プロフィール:1955年魚座生まれ、広島の県北 中山間地域在住、
体癖はおそらく2ー3種

20代の頃「複合汚染」有吉佐和子/著 を読んで、食の環境悪化を考えた時、野草を食べることを思いつき、食料としての野草研究を始める。
全くの素人ながら、健康住宅の設計事務所に入社し、健康住宅を学ぶ。
残された人生と限られた時間について気付かされ、仕事を辞め、自給自足を目指す。
平成22年頃、古民家を借り、Iターン。野草教室を開催。
「古民家カフェ・むす日」「山のくらしえん・わはは」「クリエイティブ・アロマ」等にて野草教室。

現在、野草好きになった87歳の母と、無関心な33歳の長男と猫3匹と暮らしています。

[第53回] 地球の鼓動・野草便り 野草の保存食


野草の保存食

野草便りも早1年になります。1年間お付き合い下さいましてありがとうございました。

まだまだ植物の世界も奥が深く、未知の要素が多分にあると思いますが、野草便りが自然と共に生きてゆく手助けになれば幸いです。
世の中の常識も大きく覆される事が多い今日この頃で、私たちはこれから、この地球でどのように生きていけば良いのか、何を命の糧にいただくのか、1から考え直していければと思います。

オランダミミナグサ


健康、命よりも経済優先の野心に満ちた誘導に惑わされないように、東洋医学セミナーを始め、真実に真摯に向き合って行ければと思います。
今後、竹下先生がよくお話くださるように、備えが必要で、その一つに野草の酵素ジュースや乾燥保存、アルコール漬けなど、備えにも日々の健康食にもいかがでしょうか?

カラスノエンドウ


野草の酵素ジュースの簡単な作り方 に、麹や天然酵母と混ぜる方法があります。
野草を洗って水と一緒にミキサーなどでジュースにして絞って、麹や天然酵母を混ぜておきます。半年から1年くらい置くといいようですが、気温によって早く醗酵します。果物と麹、天然酵母を混ぜて置くのも美味しい酵素飲料が早く作れます。もちろん果物だけや砂糖と混ぜても醗酵します。好気性菌の醗酵には空気が必要で布を被せて蓋をします。

以前黒砂糖キノコが流行った時にキノコ菌をいただいて作ったエキスが、何年も経っているのに甘酸っぱくとても美味しくなっていました。小さな粒粒のゼリー状のキノコ菌はどこから来たのでしょうか?黒砂糖水をつくっておけば、自然発生するのかな?きのこ菌は食べてしまったのですが、健康維持にとても効果があるようですし、美味しいのでまた作りたいと思います。
(参考:黒砂糖きのこ?(ウォーターケフィア

野草の乾燥葉を米粉と水と混ぜて天ぷらや、お焼きに、そのまま汁物などいろいろに使えます。乾燥葉、種などを塩や醤油で炒り付けてふりかけに、蕗味噌のように味噌や醤油で佃煮に、また漬けておくこともできます。

カキドオシ


冬にも緑の元気なツワブキの漬物を作ります。ツワブキは海岸に多く自生していますが、園芸にも使われ、広く見かけます。昔の聞いた話ですが、島根県の海岸地方では、ツワブキを汲んできた海水に1晩浸けておき、引き上げて塩をふりかけ重石をして漬けます。食べる時は御茶請けなどに、1本そのままを自分で皮をむきながら食べたそうです(お客にもそのまま出していたとか)。ツワブキには毒性の成分があるため、海水に一晩つけるのだと思いますが、煮物、佃煮等には塩茹などの下処理が必要です。

石蕗(ツワブキ)


タンポポ、オオバコ、ツクシ、フキなどの味噌漬け、
ヒメオドリコソウ、ホトケノザ、ノビルなどの梅酢漬け、
カラスノエンドウハコベなどの醤油漬け、
ギボウシ(ウルビ)、イタドリ(カッポン)などの塩漬け、
ワラビ、ゼンマイ、クサギの芽、木の芽(サンショウ)、タケノコなどの乾燥保存。
ヨモギとニラのバジルソース風、スイバジャム。

いろいろ作っておくと忙しい時などにも重宝します。

チャンスがあれば、みんなで自慢の野草を持ち寄って、天ぷらやお寿司、お菓子など作って食べたいものです。
カキドオシ、ユキノシタ、シャク、コゴミ、セリ、ナズナ、ハハコグサ、ヤエムグラ、オランダミミナグサ・・・てんぷらに美味しくてありがたい野草が沢山!!

  1. ヒメオドリコソウ
  2. ノビル
  3. カラスノエンドウ
  4. ハコベ
  5. スイバ
  6. ヤエムグラ

除草剤と毒草だけには気をつけてください。

それと東洋医学セミナー(中級)のアーユルヴェーダをしっかり学んで、自分の体質に合ったものをいただくのが良いのですが、まずは食べたくないものは無理して食べないことですね。

栗やどんぐりの干したものも主食になりますので、1年分は無理でも冬の分くらいは確保できればと思います。私は自分が食べる時に殻を一個ずつむいていたのですが、殻ごと突いて(昔は水車小屋の臼で)、ふるいにかけて粉にして、チャパティーやパンなどでいただくことが出来れば、もっと食べやすそうです。殻はそのまま煮出して、お茶やスープにできますね。いろいろなウィルスを不活性化するタンニンがいただけます。

イチョウの実なども良い保存食です。我が家では一昨年たくさん拾った実があり、殻をペンチでむいて、煮ていただいています。イチョウの実も雪が降るくらい遅くに拾ったので、中の種だけになっていて手間いらずでした。

また、今年は忘れず新茶の芽をいただこうと思っています。野草茶と混ぜていただきます。粉にして抹茶風にも、料理にも使えます。
野草茶にいろいろ入れていますが、外せないのがヨモギです。香りもよく、ホッとしますね。

ヨモギ



yasou
自然賛歌

雪解け水と雨水

雪解けの湿原



ネコヤナギ(雌花)・・・樹皮が風邪に、アスピリンの母体となったサリシンが多い、古くから解熱・鎮痛に、楊子を作り歯痛に

ネコヤナギ・・・雄花の花粉袋は赤い


カラスの巣

ゼニゴケ亜科ジンガサゴケ?



ヤマネコノメソウ



アオイスミレ?・・・今年初スミレ・・スミレは日本では約60種



セリバオウレン・・・雌雄異株で雌花は葯と花枝が紫・紫褐色を帯びる

セリバオウレンの雄花・・・雌しべが退化




■ 参考文献

イー薬草・ドット・コム
「大地の薬箱 食べる薬草事典」 村上光太郎/著 農文協
「カラダ改善研究所 自然のチカラいただきます」中村臣市郎/監修 西日本新聞社



ライター

ニャンニャン母さんプロフィール

ニャンニャン母さん

プロフィール:1955年魚座生まれ、広島の県北 中山間地域在住、
体癖はおそらく2ー3種

20代の頃「複合汚染」有吉佐和子/著 を読んで、食の環境悪化を考えた時、野草を食べることを思いつき、食料としての野草研究を始める。
全くの素人ながら、健康住宅の設計事務所に入社し、健康住宅を学ぶ。
残された人生と限られた時間について気付かされ、仕事を辞め、自給自足を目指す。
平成22年頃、古民家を借り、Iターン。野草教室を開催。
「古民家カフェ・むす日」「山のくらしえん・わはは」「クリエイティブ・アロマ」等にて野草教室。

現在、野草好きになった87歳の母と、無関心な33歳の長男と猫3匹と暮らしています。

[第52回] 地球の鼓動・野草便り 戦争ごっこ


戦争ごっこ

やっと春めいて来ました。野草たちも待ちわびていたかのように、日ましに顔をのぞかせています。

先日、広島の廿日市市の上空を艦載ヘリが低空飛行した記事が掲載されていましたが、北広島町芸北地域では、戦闘機が低空飛行の上、火炎弾「フレア」が射出されたというのです。




以下、広報誌より引用します。

『在日米軍機の低空飛行による火炎弾「フレア」射出訓練を日本の地上部で行わないよう求める意見書』

 10月11日午後、芸北地域の雄鹿原地区上空で米海兵隊岩国基地の米軍機が、低空で飛来し、火炎弾「フレア」の射出を行いその後、急上昇して旋回するという訓練が、数分間隔で十数回にわたって行われた。これが何の通告もなく、突然行われたため、住民にとっては、ただでさえ爆音と共に急降下してきて目の前に迫ってくる戦闘機に驚き、恐怖を感じさせられた上に、さらに実弾射撃を思わせるような一瞬眩しく光る正体不明の火の玉が射出されたことに、さらに大きな不安をおぼえるものであった。
 当地域は、国道186号線が通り診療所や郵便局、民家が点在し近くにはこども園や中学校、高等学校もあり、普段は人々が穏やかに生活している。こういう場所で、上述のような実践訓練が行われることは、地元住民に与える影響が大きく、容認することができない。(中略)
 よって本町議会は、町民の平穏な暮らしと安全を守るため、左記のことを米国および米軍に強く求めるよう日本政府に要請する。(中略)

 平成29年11月8日              広島県北広島町議会
【提出先】 内閣総理大臣、外務大臣、防衛大臣、総務大臣



私も大好きな八幡湿原がある芸北の植物観察に行っていて、何度もジェット戦闘機の爆音に驚かされたことがあります。 静かな森に轟音が響き渡ります。動物たちもさぞ驚いていることでしょう。


以前地元の人に聞いた話では、ベトナム戦争の頃にはもっと頻繁に飛んでいたようです。ベトナム戦争が終わって元米兵たちが家族連れで訪ねてきたそうです。地元にある鎧滝が飛行機からよく見えて、故郷の山を思い出していた。一度訪ねてみたかったと。

この話を当時は何気なく聞いていたのですが、地元では何十年も前から戦闘機の爆音があったということです。それには半ば慣れていた住民も今回の低空飛行と火炎弾射出に、まるで攻撃されるような恐怖を覚えられたにちがいありません。

シリアなど紛争が続いている地域では実際に爆弾が使われ爆発しているのが、いかに恐ろしいことかよくわかります。沖縄では墜落や落下事故などもあり、頻繁に低空飛行が行われているのでしょう。他人事だと思っていたら大きな間違いだということだろうと思います。また、日本がアメリカの植民地である現実でもあります。こんな攻撃まがいの訓練をアメリカの住宅地や家族がいる場所では決して行わないでしょう。

以前オスプレイが日本各地の上空を飛ぶという時にも、反対署名をした覚えがありますが、まったく聞き入れられていません。今回町議会が提出した意見書に、はたして今の国政が対処するのか疑問です。今の政権に根本的な対処など・・・。まず国民の正しい認識と自覚が必要で、そのためにも真実の情報が重要です。報道機関で働いている人たちも、決して他人事ではないということが、実際に起きてからでは遅いのですが!!
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[第51回] 地球の鼓動・野草便り 植物ホルモン


植物ホルモン

今年の大雪で折れたビワの枝やナンテンの枝、ツバキ、サザンカなどが沢山あって、お茶にいただいています。
ビワの薬効は高く、ビワの葉温灸や葉や種の焼酎漬け
をされている方も多いのではないかと思います。シャンティ・フーラでもビワの葉茶の紹介をされていました。我が家では雪で折れた枝をそのまま干しておいて、葉っぱを3枚ずつくらい裏の毛を軽く洗い流して他の野草と一緒に野草茶にしています。

ビワの葉や種にはがん治療薬の青酸配糖体アミグダリン(ビタミンB17)、ぶどう糖、クエン酸、タンニン糖質、サポニンなどの成分があり、弱アルカリ性血液にして自然治癒力を促進するそうです。

江戸時代から枇杷葉湯(びわようとう)として、ビワの葉に肉桂(にっけい)、霍香(かっこう)、莪述(がじゅつ)、呉茱萸(ごしゅゆ)、木香(もっこう)、甘草(かんぞう)の7種の薬草を煎じて、夏の暑気払いに飲まれていたそうです。

また、古来3000年の歴史を持つ仏教医学でも枇杷の葉療法として、緑の濃い厚手のビワ葉の光沢面を火であぶり、10回ほどこすり合わせて、1枚ずつ両手に持ち、熱いうちに皮膚を直接なで、ヘソの下や腹を6~7分丹念にマッサージするそうです。有効成分が肌から直接入り、甚大な効果があるとか。

殺菌作用や血液浄化作用があり、腰痛、肩こり、冷え性、皮膚炎、高血圧、糖尿病、リウマチに。また、風邪にはきざんだ葉や花に蜂蜜を入れて15分くらい蒸して食べ、喉が痛いときにはビワ茶に塩を入れてうがい薬に、アトピーには煎じ液を入浴剤に、また半量まで煮詰めてアルコールと混ぜて皮膚炎、火傷、水虫、捻挫などの外用薬にもなるようです。


ところで、折れた枝ですが、梅の木が余り実をつけなくなっていたのに、折れた枝にだけたくさん実をつけていたことがあります。果物の枝は捻じ曲げると実りがいいと聞きました。伐られる前の木には花や実が沢山ついています。子孫を残すために力を振り絞っているかのようです。私達も予感がするということがありますが、木にはいつまでの命とか、わかるのではないかと思います。


また、果樹の剪定方法は徒長枝を伐るのが一般的でしたが、みかんの剪定で従来のものが全滅した年に、何も手を加えていなかった木だけ沢山実をつけていたのを見て、徒長枝を伐ると植物ホルモンが働かなくなってしまうことに気づかれた方がいるそうです
(参考:H26・2・7道法正 徳氏による剪定講習会を開催。みかんの剪定技術とは!?

植物ホルモンがしっかり働く剪定方法で木の生命力を高めると、果樹でも農薬も肥料もいらなくなるのだそうです。 そして、今度は野菜の垂直仕立てで植物ホルモンを活性化させ、無農薬、無肥料で多収できると紹介されています。とにかくまっすぐ上に誘引します。いちごのランナーは従来は取り除いていたが、取り除かずに上に引っ張って伸ばすと、根が充分張って、いちごが沢山つくそうです。

えんどう豆もキュウリネットに真っ直ぐに縛り付け、側枝もまとめて真っ直ぐに縛っていくと、病害にも強く、沢山実るそうです。ソラマメもトマトなども同じように真っ直ぐに支柱にぎゅーっと縛りながら垂直にしていくと、草にも負けないで実つきがいいのだとか。
(参照:野菜だより2017冬号P36~41(道法流垂直仕立て栽培)(株)学研プラス/発行)

エンドウの新芽


農文協発行の現代農業などの農業誌が面白いのですが、2017年12月号にも雪折れしない剪定方法の紹介がありました。バネ枝をつくるために徒長枝をきらずにうまく使い、競合枝をすべて残すなど、常識の逆の剪定をするようです。

また、P320~321には、薬草ボルネオ島(その3)大ケガを治したり悪霊を避ける「油薬」という記事が載っていました。著者の白石正之さん(72歳)は20年にわたって425種の植物を調べてこられたそうで、伝統的なシャーマンの知識や技術を残そうと調査研究をされています。その昔、ボルネオ島には何千種類という油薬があったそうですが、キリスト教の宣教師や回教徒の宗教家によって、徹底的に壊され、現在は200種類ほどしか残っていないようだとか。また、ボルネオ島の奥地にも病院が建ち、人々は安価な化学薬品の薬を買うようになり、このままでは薬草利用の技術や知識が失われそうだと、その記録を残すため今後もボルネオ島に通い続けると語られています。

中でも10年以上も見つけられずにいた「星の油」という大怪我に効く一番有名な油薬の原料の植物を発見したそうです。葉を潰して市販のココヤシ油に浸け、試したところあまり効果がなく、シャーマンに尋ねると、古法に従ってココヤシ油を手作りするよう助言をもらい、実行すると大変速やかに効果があり、ご自分の変形性膝関節炎の痛みが消えたそうです。その伝統的なココヤシ油とは、ココヤシの実が熟して、金曜日に落下したもので、へたの中央から発芽したもののみを使うのだそうです。

日本でも薬効の高い薬草があり、例えば、大豆やゴマを発芽させてから油を抽出し、ケガや解毒に効くゴボウの種を浸ければ、良い油薬が作れるとご紹介くださっています。
(参考:現代農業2017年11月号 (農文協/発行) 薬草ボルネオ島(その2)

yasou
自然賛歌

コブシのつぼみ

タンポポの花一番咲きと水仙の芽



オオイヌノフグリ・・・雌しべ2本がフグリに似た種に



ハコベの花・・・数日前まで雪の下だった
 



水鳥の羽根・・・このビオトープによく来ているらしい



ウマノアシガタ?・・・三つ葉に似ている、キンポウゲ科で有毒



モミジバフウの実




モミの木の種



モミジバフウの木の枝がすごいことになってる・・・この木だけ病気?
周りのモミジバフウは普通



大杉の根元





■ 参考文献

イー薬草・ドット・コム
「大地の薬箱 食べる薬草事典」 村上光太郎/著 農文協
「カラダ改善研究所 自然のチカラいただきます」中村臣市郎/監修 西日本新聞社



ライター

ニャンニャン母さんプロフィール

ニャンニャン母さん

プロフィール:1955年魚座生まれ、広島の県北 中山間地域在住、
体癖はおそらく2ー3種

20代の頃「複合汚染」有吉佐和子/著 を読んで、食の環境悪化を考えた時、野草を食べることを思いつき、食料としての野草研究を始める。
全くの素人ながら、健康住宅の設計事務所に入社し、健康住宅を学ぶ。
残された人生と限られた時間について気付かされ、仕事を辞め、自給自足を目指す。
平成22年頃、古民家を借り、Iターン。野草教室を開催。
「古民家カフェ・むす日」「山のくらしえん・わはは」「クリエイティブ・アロマ」等にて野草教室。

現在、野草好きになった87歳の母と、無関心な33歳の長男と猫3匹と暮らしています。

[第50回] 地球の鼓動・野草便り カブ・ダイコンと大豆・小豆


カブ・ダイコンと大豆・小豆

旧正月(2月16日)がすぎて、1月7日の7草粥をいただくのに、太陰暦が自然に即していることが多いのですが、場所によって随分差があります。今年の寒さは特別なのですが、同じ広島県内でも例年桜の開花が1~2ヶ月違います。雪の降りかたも全く違い、膝上までの雪をかきわけてバスで出かけても、市内に出るとまったく降っていなかったりします。

その田舎の雪の下でもハコベが育っていて生命力の強さを感じ、薬効の高さもうなずけます。

ハコベ2018


スズナ(カブ)、スズシロ(ダイコン)、特に野生化したオオタカブナも雪の下でもたくましく成長していて、石垣の近くの暖かい場所ではもう花が咲き始めていました。

オオタカブナ花2018


カブやダイコンは昔から薬としても利用されています。カブをすりおろしたものはしもやけに、ダイコンをすりおろしたものは風邪や消化促進にいただいたり、打ち身に腫れが引くまではそのまま塗布して冷やし、腫れが引いてからはショウガをすりおろしたものと混ぜて温めるのに使います。

ダイコンには消化酵素のジアスターゼが多く、ダイコンをさいの目に切って蜂蜜に漬け込んだダイコンあめは、健胃、慢性下痢、便秘、消化促進、美容などに効果があるようです。また、種も薬になり、カブの種をすりつぶして酢と混ぜて円形脱毛症に塗布します。オデキ、ソバカスにもすりつぶしてつけると効果があるとか。ダイコンの種は煎じて利胆、去痰に、また腹痛には10粒くらいを噛んで食べるといいそうです。


ところで、カブという名前は頭(カブ)を意味していて、植物は根を頭と考えるところからきているそうです。以前『謎の書物「ヴォイニッチ手稿」に何が書いてあるか悟った男性』が時事ブログで紹介されたことがあり、根の絵がとても印象に残っています。根が頭脳というわけなのですね。また、スズナはその形が鈴に似ているところからついたそうです。

葉っぱも冬の野菜としてありがたく、ビタミンC,A,B1,B2,カルシウムなどを含んでいます。七草は冬の野菜不足を解消する選りすぐりの薬草として、子孫に伝える先人の知恵なのですね。

消化酵素のジアスターゼが多い植物に松葉や山芋があります。滋養強壮になり、冬を乗り切る食べものとしてむかごを鉢植えして育てておくと良さそうです。鉢に植えると掘り出すのが簡単です。1年くらいでは小さいのですが、年数が経つほど大きくなります。その間、むかごもいただけます。

yasou
先日こなし(脱穀)した大豆ですが大豆には5色あり、黄、黒、青(緑)、白、赤(茶)と、5色全部が穫れる場所は少なく、中国地方の限られた場所はその一つで、それだけ豊かなのだと聞いたことがあります。

黄大豆.、黒大豆、茶大豆


調べてみるとそういった情報は見つかりませんでしたが、栽培大豆の種類は満州で盛んに栽培されていた頃は500種以上もあったそうです。知人の田舎でも中まで濃い色の黒く小さな大豆があったが、今は絶えてしまったと聞きました。乾煎りして醤油に漬け込むととても美味しかったそうです。

最近では市場に出回っている70%以上が遺伝子組換え大豆で、原種のツルマメの原産地は南シナ辺りとのこと。それが現在世界一の栽培国アメリカに渡ったのは、1900年代になってからだそうです。最初は醤油の原料としてヨーロッパに紹介され、Soy(ソイ)はショウユからきているのだとか。綿実油が不作で穫れなかった年以降、大豆油が注目され、栽培され始めたそうです。
南米などでも飼料や油用の大豆栽培が年々増しており、そのため森林破壊につながっているようです。日本はそれらの大豆の輸入に頼っています。

豆類は炭水化物が主体のあずき、いんげんまめ、えんどう、そらまめなどと、脂質が主体の大豆、落花生などの2種類に分類できるそうです。どちらもタンパク質が多く、ビタミン、ミネラルも豊富で、たいへん優れた食物です。

中でも小豆は腸内有用菌の増殖活性が高く、余分なナトリウムの排出をするカリウムや糖質の代謝を促すビタミンB1が多く、赤い色がアントシアニンの抗酸化物質で、肝機能・腎機能・視力回復、高血圧・糖尿病予防、抗炎症・抗酸化作用、等々優れた食品です。それに大変育てやすく、原種のヤブツルアズキは日本、朝鮮、中国原産だそうです。
(参考:大豆の起源について あずきの歴史と栄養

yasou
自然賛歌

シロミナンテン

ナンテン



テッセン



姫ナンテン



センダンの実



落ちたセンダンの実・・・果肉がヒビ・アカギレ・シモヤケの薬に



シシウドの枯れ花



ナナカマドの実



鳥の羽根・・・以前ハヤブサが空中で小鳥を捕まえていた場所



鳥の羽根・・・ハヤブサに?羽根はこの2枚だけ





■ 参考文献

イー薬草・ドット・コム
「大地の薬箱 食べる薬草事典」 村上光太郎/著 農文協
「カラダ改善研究所 自然のチカラいただきます」中村臣市郎/監修 西日本新聞社



ライター

ニャンニャン母さんプロフィール

ニャンニャン母さん

プロフィール:1955年魚座生まれ、広島の県北 中山間地域在住、
体癖はおそらく2ー3種

20代の頃「複合汚染」有吉佐和子/著 を読んで、食の環境悪化を考えた時、野草を食べることを思いつき、食料としての野草研究を始める。
全くの素人ながら、健康住宅の設計事務所に入社し、健康住宅を学ぶ。
残された人生と限られた時間について気付かされ、仕事を辞め、自給自足を目指す。
平成22年頃、古民家を借り、Iターン。野草教室を開催。
「古民家カフェ・むす日」「山のくらしえん・わはは」「クリエイティブ・アロマ」等にて野草教室。

現在、野草好きになった87歳の母と、無関心な33歳の長男と猫3匹と暮らしています。

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