学びの貧困 ~日本の格差社会のひずみ

 最初のバラエティ番組の動画は、"那覇市民で「那覇」を漢字で書けない人を探すという企画"なのですが、実際書けなかった人は高齢者の方でも意外と多く、その率は 24/57人で42%でした。また、役所でも「那ハ」と書いて提出しても容認されるというような背景もあるそうです。
 しかし、驚きなのは6分42秒以降です。沖縄の中学生や高校生で、自分の"生年月日も言えないとか住所も分からないとか結構ある"とのこと。"高校生の6割が自分の住所が書けない"とか、ウソだろーと耳を疑いました。そして、このことは沖縄だけにとどまらず、全国の中学や高校でも同じことが少なからず言えるようです。
 別の記事の中では、"年賀状を書く文化がなくなったから"とか、"なんでもスマホやパソコンに頼るようになったから"といった原因を推測する声もありました。確かに自分で実際に書いてみる機会があまりないとなかなか覚えられないのかもしれません。しかし、高校生になるまでに何度も何度もその機会はあったろうにとついつい思ってしまいます。
 ガールズちゃんねるさんの記事では、とある公立中学校の教諭Aさん曰く、"授業で生徒に教科書を音読させると、漢字をほとんど読み飛ばす。自分の住所も書くことができない。そんな生徒はクラスに1人、2人ではない。感じるのは、そうした生徒たちは、生活保護を受けるなど貧しい家庭の子が多い"とのこと。このように貧困ゆえにそうならざるを得ないケースも増えてきているようです。
 日本が大変なスピードで格差社会に突入していることを、時事ブログで指摘していますが、沖縄のそれはその最たるもので、沖縄県全体の貧困率は34.8%で全国平均18.3%の約2倍です。沖縄県の最低賃金は時給737円で全国最低ランク。2018年1~3月の完全失業率は3.6%で全国最高。沖縄県の1人あたり年間県民所得は213万円で全国最下位、全国平均の306万円を大きく下回るという。
 実際ぺりどっとも、沖縄に移住しようと那覇のハローワークに行きました。移住したい旨を伝えると、担当の方からこう言われました。
「お住まいのアテはありますか?ない場合ですと、食費を切り詰めて一日一食にした質素な生活でさえも、立ち行かなくなります。本土で探された方が得策ですよ」と。
 また、岡山でたまたま出会ったライダーさんのお話では、「以前住んでいた沖縄では、バイクの盗難が頻繁にあり過ぎて、ここは本当に日本なのだろうかと思った」とのこと。
 そういった体験や話などから、沖縄本島の生活保護ケースワーカー・Aさんの語る「ひどい言い方ですけど、沖縄社会全体が、日本の中のスラムのような気もします」という言葉もあながち間違いではないのでしょう。
(ぺりどっと)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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「那覇」漢字で書けない那覇市民存在する説 HD
配信元)
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4月から高校生、自分の家の住所が書けない
引用元)
ネコ 18/03/24 07:38
先日、職場にアルバイトの応募があり面接したところ、その子は自分の家の住所が書けませんでした。(中略)...昨日高校の入学説明会で同じ教室にいた3分1程の子が住所が書けませんでした。(中略)...初めて目の当たりににして驚きました。因みに、子供の高校は中の上くらいかな?くらいの偏差値の高校です。
(中略)
No.58 シャチ 18/03/24 09:1
うちの子も最近書けるようになったよ(来月から高1)
でも旦那の名前漢字で書けないし誕生日も知らないって
靴ひもも結べないし自転車も乗らない
(中略)
No.48 イヌ 18/03/24 08:49
そういう子割といるよね。前の仕事で中学生、高校生くらいの子に住所、自分の生年月日を書いてもらうことがあったけど平成何年生まれかわからないって言われてびっくり。番地もわからないって。
(以下略)


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【男性教諭の実感】「自分の住所も書くことができない」日本の識字率は100%じゃない?
引用元)
1. 匿名 2015/02/17(火) 19:03:47


じわじわと広がる日本社会の格差。それは教育にも多大な影響を与えている。「日本は識字率100%ではないのではないか」関西の公立中学校で社会科を教える男性教諭Aさん(39)は、そんな疑問を持っている。授業で生徒に教科書を音読させると、漢字をほとんど読み飛ばす。自分の住所も書くことができない。そんな生徒はクラスに1人、2人ではない。

感じるのは、そうした生徒たちは、生活保護を受けるなど貧しい家庭の子が多いということ。夜に親が家にいない子も多い。ひとり親で、生活費を稼ぐために夜も働いているからだ。

「経済的に恵まれた家庭とは、本など周囲においてあるモノ、日常的に接する文字がまったく違う。文字をちゃんと読めないまま卒業しても、健全な社会人になるとは思えない。まさに負の連鎖です」(Aさん)
(中略)
109. 匿名 2015/02/17(火) 21:53:43

ちなみにほとんどの生徒が母子家庭かヤンキー家庭でした
(中略)
122. 匿名 2015/02/17(火) 22:52:35

家庭教師のバイトしてた頃、小6の子がかけ算九九言えなかった。書ける漢字は小1レベルだったけど普通の学校に通ってたから、なぜここまでまわりは放っておいたの?と疑問だった。
(中略)
151. 匿名 2015/02/18(水) 01:55:44

職場で、ポイントカードの申し込み時
住所・氏名・電話番号・生年月日を記入してもらうんだけど
中高生で全部書けない子が結構な数いてびっくり
する
(誕生日は西暦か年号どちらかでいいんだけど、どちらもわからないとか)
高校生かな、少なくとも中学生?みたいな子が
「やべえ、家の番地(この言葉の意味すら知らなかった)ってわかんねー!」
友人「うそーお前いままでどうやって生きてきたんだよ!」
って会話してて愕然とした
(中略)
157. 匿名 2015/02/18(水) 08:08:03

結婚後しばらく中学受験専門の学習塾で働いてたけど、やはり「は?」と思う事は多々あった。
九九が3の段以上はあやふやは当たり前、アナログ時計が読めない子も。
(以下略)
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沖縄の知るほどに驚く貧困、低収入・高コストで生活苦が止まらない
引用元)
(前略)
沖縄県全体の貧困率は34.8%であり、全国平均18.3%の約2倍であった(2016年、戸室健作氏)。
沖縄県の生活保護率は貧困率から見ると不自然なほど少なく、人口ベースで2.5%だ(2017年)、大阪府・北海道・高知県に続いて全国4位である。貧困率から単純に計算すると、生活保護の受給資格がありながら受給していない人々が、受給者の10倍以上存在することになる。
(中略)
 現在、沖縄県の最低賃金は時給737円(2017年10月発効)で、全国最低ランクだ。2018年1~3月の完全失業率は3.6%で、全国最高となっている。(中略)...沖縄県の1人あたり年間県民所得は213万円で全国最下位、全国平均の306万円を大きく下回る。
(中略)
県全体の就労環境の問題、自動車を保有していないと事実上暮らせない生活環境の問題、貧困が連鎖した結果と見るべき子どもの貧困の深刻さなど、問題は数多い。

 沖縄本島で働く生活保護ケースワーカー・Aさんは、さらにアルコール依存症や生活習慣病の問題を挙げ、「沖縄は問題が山盛りといいますか……ひどい言い方ですけど、沖縄社会全体が、日本の中のスラムのような気もします」と語る。
(以下略)
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ひらがなも書けない若者たち ~見過ごされてきた“学びの貧困”~
引用元)
憲法が保障する「教育を受ける権利」。国は、日本では読み書きできない人はいないとしてきたが、教育現場の声やNHKの取材で、いまの若者の中に小中学校に通うことができなかったため、ひらがなさえ十分に書けない人や簡単な計算ができない人が少なからずいることが明らかになってきた。
(中略)
NHKが全国800か所で行った独自調査。「お金の計算もできない」「求人票が読めない」。読み書きや計算ができないため、生活に支障を来している若者たちの存在が明らかに。経済的な貧困に比べ見過ごされてきた「学びの貧困」。私たちの社会の「現実」です。
(中略)
こうした人たちは、生活のさまざまな場面で困難に直面しています。例えば平方メートルやミリリットルが何を意味するのか分からない。30%オフや2割引きの計算ができない。それから、漢字が読めないために薬の飲み方が分からないなどの声が寄せられました。
(中略)
東日本に住むコウスケさん(仮名)、19歳です。月4万円のアパートで暮らしています。小学2年生以降、学校には通っていないコウスケさん。文字を読むことはできますが、書くことは苦手です。(中略)...漢字で書けるのは自分の名前と住所だけ。かけ算や割り算はほとんどできません。コウスケさんの母親は、非正規の仕事を続ける中でいくつもの病気を患い、10年以上前から生活保護を受けています。
(中略)
コウスケさんは今の生活から抜け出したいと、去年(2016年)、配送のアルバイトを始めました。(中略)...しかし、漢字が多い業務報告書をうまく書けず上司から注意を受けたといいます。職場に居づらくなり、1か月ほどで辞めざるをえませんでした。
(中略)
若者たちの「学びの貧困」。どこまで広がっているのか。NHKは貧困に苦しむ若者などを支援する窓口の担当者にアンケートを実施しました。
「義務教育を十分に受けられなかった」という若者はおよそ600人。そのうち、読み書きに困難を抱える人は78人に上りました。
(中略)
義務教育の小学校を終えていない人は、2010年の国勢調査で12万人。このうち40歳未満の人はおよそ2万人います。
(中略)
NHKのアンケートでは、学校へ通えなくなった背景についても尋ねました。「いじめ・本人の障害」という理由だけでなく、「親の病気や虐待」「貧困」など、家庭環境が大きく影響していることが分かりました。
(以下略)

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