ぴょんぴょんの「愛と野心とおれ」

おとといから今朝にかけて、実際にあったできごとです。
真相は、いまだに未解決。
でも、それよりもっと大事なことに、気づかせてくれたできごとでした。
(ぴょんぴょん)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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ぴょんぴょんの「愛と野心とおれ」


くろまるが、信じられねえ!


くろちゃん、おはよう。
どうしたの? どよよ〜んとした顔して。

おお、しろか、いろいろあってな・・・ま、上がれよ。

おじゃましまぁ〜ッス!

はぁ〜〜〜〜(ため息)。

いつも元気なくろちゃんが、朝からため息って、らしくないねえ?

実は・・・・・くろまるが。

あっ、くろまるが来た、おはよう、くろまる!
なんか、くろちゃんのまわりを、ウロウロしてるね。
お膝に乗りたいんじゃないの?

お、おおう、ヨイショッと。


くろまる、気持ちよさそう。
くろまる、元気そうじゃないの、それにいつも通りにラブラブだし。

う〜ん・・・おれは・・・・・おれは・・・・・くろまるが、信じられねえ!

ええ?!

おれは、くろまるをラブラブできなくなっちまった。

いったい、どうしちゃったの??
ついこないだ、くろちゃんが寝込んだ時も、くろまるがずっと枕元で添い寝してくれたって、うれしそうに言ってたじゃない。

ああ、そんなこともあったっけかな?

で、くろちゃんが元気になったとたん、自分のベッドで寝るようになったって。

ああ、あの頃はかわいかった・・・(遠い目)。

それについ最近の、くろまるの災難のときも・・・。

ああ、あれは、おれが悪かった。
ノミの予防に、原液〈ヒバ油〉を首にふりかけたら、そこの部分がゴッソリとハゲちまって。

直径5cmくらい、地肌むき出しになって、痛々しかったねえ。
でも、くろまるは、ぜんぜん気にしてなくて。

ひどい目に合わしたのに、くろまるは一切、おれを責めなかった。
ほんと、いいヤツだよ。
いいヤツだが・・・・・今は得体がしれねえし、不気味に感じる。



不気味???

そうだ。
見てねえところで、何やってるかわからねえ。
ヤツが信じられねえ。コエエ〜〜〜!

いったい、何があったの?


消えた、くろまる


最近、ヤツは夜中の2時〜3時になると、必ずおれを起こしに来て、外に出せと言う。
おとといの晩も、いつものように起こしに来たが、わざと無視した。

わざと?

ふつうは、無視したら、そのままあきらめて寝ちまうんだ。
だが、おとといの晩は、ヤツはしつこくトライしてきた。
無視しても、無視しても、ニャォ〜ンニャォ〜ンって大声でうるさく鳴いて、
〈出せ〜出せ〜〉と、あきらめねえ。

しかし、激しい攻防の末、とうとうヤツも静かになったんで、やれやれと寝たんだ。
そうしたら!!

そうしたら?

朝、起きてみたら、ヤツの姿が見えねえ!
家中、「くろまる!」って呼びながら、探し回ったが、どこにもいねえ。
いったい、どこに消えたんだ?と思ったら、
にゃんと、外から「ニャ〜ン」と声がする。

くろまる、外に出てたんだね。

そう!
ビックリだった。
いったいどうやって、出たんだ?
どこにも、出られる場所はないはずだ。窓という窓も閉めてあったのに。
と思ったら一か所だけ、くろまるが通れる幅だけ、網戸が開いていた。

つまり、自力で網戸を開けて、外に出たんだね!


ぶったまげた!
これまで、一度もそんなこと、したこと無いのに。

敵もさるものだね。

ただ、そこから出たら、そこから入れよって。
そして、後は閉めとけよって。

さすがにそこまでしたら、くろちゃんが腰抜かす。

網戸が開いてたおかげで、ヤツがそこから出たのがわかったんだが。

夏は、網戸にして寝ることもあったんでしょ?

ああ、だが、アイツが自力で出たことはなかったし、まさか自分で開けられるとは思わなかった。

くろまる、侮れないね。

頭のいいヤツだ、とは知ってたが、アイツに負けた気がしてムシャクシャして。

さすがの7種!
ところで、くろまる、〈あのとき、何で無視したの?〉って怒ってなかった?

そこがヤツのいいとこだ。人間みてえに引きずらねえ。
まるでそんなこと、無かったかのように、いつもどおりにご飯を食べていた。

見習いたいね。

そんなことがあったんで、次の晩、ヤツが起こしに来たら、すぐに出すつもりで待ち構えていた。
ところが、だ!
朝になって目が覚めて、くろまるに起こされなかったことに気づいた。
おかげで、久しぶりにグッスリ眠れたんだが、くろまるは、どうしてる?
と思ったら、どこにも・・・・・いねえ。

またぁ?
外に出してやったんでしょ?

いや、おれが寝る前、くろまるは自分のベッドで寝ていた。
そして、おれを起こしに来なかった。

じゃ、また、網戸を開けて出たのかな?

前の晩、開けられた網戸は、ちゃんとガラス戸を閉めてカギもかけてあった。
その他の窓も、すべてチェックしたが閉まっていた。
なのに、家中何度グルグルしても、くろまるはどこにもいねえんだ。

消えた? ミステリーだね。

・・・と外を見ると、庭でのんきに、日なたぼっこしてるじゃねえか?!


やっぱり、どっかから出たんだよ。

自分の目を疑った。
自分が出したのか? でも覚えがない。
自分の記憶も信じられなくなった。
今見ているものが、夢が現実か、わからなくなり、混乱した。
夢から覚めたら、きっと、くろまるは自分のベッドに寝てるんだ。
そうあってほしい、と願った。

なんか、ホラーだね。

どんなに記憶をたどっても、くろまるは、ちゃんと自分のベッドで寝てたし、
おれも夜中に起きた記憶はねえ。
どこの窓も閉まっていたし、網戸も開いていなかった。
なのに、くろまるは、外にいた・・・。

密室の殺人事件?
ま、無事に見つかったんだから、良かったんじゃない?

前日は、それですんだが、今度はダメだ。

どうして?


くろまるへの疑いと気づき


あいつが、ノンキに日なたぼっこしてるのを見て、喜べる気分じゃねえ。
心がザワザワして、モヤモヤして、イライラして、落ち着かねえんだよ。
「疑心暗鬼」って、いうのかな?

「疑心暗鬼」とは、相手を疑いの心で見ることで、何でもないことがコワくなったり、疑わしく思うこと。
そういう、ネガティブな時は、ここ読んで。

「自分にネガティブな思いや考えが生まれているときには、『その根源となる欲望、中心となる欲望があるはずだ。それはなんだろう』と、自らに問いかけます。」(ぴ・よ・こ・と3・148P)

ぴ・よ・こ・と


欲望?・・・んなもん、ねえし。
あるわけねえ・・・あるわけねえ・・・と思うけど。

ふ〜ん、そうなんだ。
じゃあ、ザワザワして、モヤモヤして、イライラして、落ち着かないのなら、
「何が問題でそうなったかの発端を探っていきます。」(ぴ・よ・こ・と3・133P)

ふ〜ん、発端ねえ。
まずは、家の中探しても、どこにもいなかったときの寂しさ。
次に、自力で網戸を開けて出て行った、という想定外のショック。
そして、くろまるを追い詰めたのは、おれだという罪悪感。
だが、一番大きかったのは、アイツに裏切られたって感じだ。

裏切られた?

夫婦だって、そうだろう?
夫や妻が、自分の予想外の行動をしたら、同じように裏切られた気がするんじゃねえの?
しかも、相手が勝手に家を出て、朝帰りなんだぞ?

ネコの疾走を、夫婦に結びつけるのはどうかと。

昨日まで信じ切っていた妻が、ある日、突然の朝帰り。
んなとき、平静でいられるか?

そういう深刻な状況じゃなくて、良かったじゃないの。
たかが、ネコだよ。


たかが・・・って、おれのくろまるへの愛がどんだけか、知らねえな?!

じゃ、言うけどね、くろまるだって、くろちゃんの愛を疑ったはずだよ。
あれだけ「出して」って叫んでたのに、無視されたんだからね。

でも、おれもヤツを甘やかしちゃいけねえ、しつけなきゃいけねえ、って思ったんだよ。

しつける? それ、権力の行使でしょ。
権力欲じゃない?

あ・・・・。

おれの許可なく、勝手に家を飛び出したって、思わなかった?
それ、支配欲。

ハイ・・・・・。

くろちゃん、くろまるは自分の思い通りになるって、思ってなかった?
それ、所有欲じゃない?

デス・・・・・!

ぴ・よ・こ・と2」にも、書いてあるよ。
愛を否定するもの、だめにしてしまうものがあります。
権力欲、所有欲、名誉欲、支配欲、そして性暴力です。

これらは野心といい、愛の対極に位置するものです。
愛の反対語は、野心です。」(148P)

おれたちの愛をぶっ壊そうとしたのは、おれだったのか?!
くろまるが裏切ったんじゃなくて、愛を消そうとしたのは、おれだったのか?!
なんてこった!!

愛するということは、自分の欲望を手放すことです。」(ぴ・よ・こ・と2・154P)


その通りです。
愛しているつもりで、所有したい、支配したいって思ってました。
支配してるつもりのくろまるが、想定外のことをしたので、許せなかったんです。

あれ? いつのまにか、くろまる、いびきかいて寝てる!
気持ちよさそう・・・・って思ったら、いきなり〈ニャオーン! ニャオーン!〉て、叫び出したよ。

こりゃ、夢の中で、怒ってるな。
おとといのことかな?

くろまるも、感情がたまってたんだね。

悪いことをしたもんだ。
ごめんよ、くろまる・・・・・。
しかし、びっくりしたなぁ〜〜〜〜!
おれにも、こんな野心があったなんて。
おれのせいで、くろまるを誤解し、大事な愛を消すところだった。

でも、気づいた今は、スッキリ、晴れ晴れ快晴だ。

そりゃあ良かった。
ぴ・よ・こ・と3」にも、書いてある。
何が原因で自分がそうなったかに気づくと、
気づいた瞬間に心の問題は消えてしまいます。

智恵に転換するというか、理解に転じて感情がうっ散してしまう。
智恵の光で化学反応を起こすように消えてしまうのです。」(134P)

さあて! 気分が良くなったら、腹減った。
テラスで、イングリッシュ・ブレックファーストだ♪

Wikimedia_Commons[Public Domain]

わあ、コーヒー、トースト、ベーコン、トマトに目玉焼きだね!
ホテルの朝食みたい!

今朝は、いちだんとうまいなあ。

そう言えば、ひとつだけ、まだ解決していない問題があるんだけど。
くろまるは、いったいどうやって外に出たんだろう?

はあーーー? 
そんなこたぁ、今さら、どうだっていいさ!
ヤツは、おれのために、
おれの野心に気づかせるために、テレポーテーションしてくれたのさ。
サンキュー!! くろまる!!


Writer

ぴょんぴょんDr.

白木 るい子(ぴょんぴょん先生)

1955年、大阪生まれ。うお座。
幼少期から学生時代を東京で過ごす。1979年東京女子医大卒業。
1985年、大分県別府市に移住。
1988年、別府市で、はくちょう会クリニックを開業。
以後26年半、主に漢方診療に携わった。
2014年11月末、クリニック閉院。
現在、豊後高田市で、田舎暮らしをエンジョイしている。
体癖7-3。エニアグラム4番(芸術家)

東洋医学セミナー受講者の声

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