ぴょんぴょんの「できるかな? 僕にもできた!」

 私が山本太郎さんを、間近で拝見したのは、2回です。
 1回目は沖縄の抗議集会で、「山田太郎さんです」と紹介されて登場したのが、山本太郎さんでした。
 頭をかきながら、「そうなんです、いつも山田太郎とまちがえられます。」と司会者をかばったのが印象的でした。
 2回目は、沖縄・高江のテントで。
 土砂降りの中、外出から帰ってみると、奥のN1ヘリパッド見学から戻ってきた、びしょぬれの山本太郎ご一行と鉢合わせました。借りた雨具を、ていねいにたたんで返すと、私たち一同に深々とお辞儀をして退場して行きました。その風景が、今でも目に焼きついています。
 今回、山本太郎さんの本、「僕にもできた!国会議員」を読んで、山本太郎さんの全体像が、よりヴィヴィッドになりました。
(ぴょんぴょん)
————————————————————————
ぴょんぴょんの「できるかな? 僕にもできた!」


できるかな?


「今日よりも明日、今週よりも来週、同じ気持ちになってくれる、一つのテーマでも共感してくれる人をあなたが増やすキーマンになってくれませんか?
あなたが自分一人では何もできない、って洗脳から解かれたとき、
この国は変えられる。

あなたがそれを望めば。
あなたがいなきゃ始まらない。
国を変える力を結集するには、あなたがいなきゃ始まらない。
あなたの力を貸してくれませんか?」
(僕にもできた!国会議員)

小さい頃、テレビ番組の「できるかな?」が大好きだったなあ。

で〜きるっかな? で〜きるっかな? ホエホエアッハ〜ン♪ってヤツな。

くろちゃんが歌うと、エロエロに聞こえるよー。
ほんとは、こうなんだから。

「できるかなOP」


お! これこれ、思い出した!
紙や手近にあるもので、いろんなおもしろいもん、作ったな。

そうそう。
テレビと同じのができると、うれしくってね!

「僕にもできた!」ってな。

そうなの。
だから、こないだ、〈山本太郎〉の「僕にもできた!」って、本のタイトル見たとき、
「国会議員、できるかな?」
「僕にもできた、国会議員!」
「君にもできる、国会議員!」って本だと思った。

ぜひ、その本を読ませろ。
おれも、できるかもしれん、国会議員!
「れいわ新選組」も、立候補者を探してたし。

「れいわ新選組」には、すでに100名以上の応募があったみたいだよ。
時事ブログにアップされたように、蓮池透氏も、〈山本太郎〉からの立候補の要請を受け入れたし。

・・・(ガックリ)。


議員に当選してからの山本太郎の6年間


「僕にもできた!」は、これまで6年間の〈山本太郎〉の活動報告みたいな本だよ。
芸能人だった彼が、原発反対によって職を失い、反原発活動を続けて、ついに参議院議員に当選してからの6年間が書かれている。

だってよお、SPEEDの今井絵理子だってやれてんだから、チョロいもんよ、国会議員。

あの人は、自民党だからいいの。
手とり足とり、至れり尽くせりだからね。
だけど、無所属の〈山本太郎〉には、コネも何もない。

まさにゼロ、いいや、マイナスからの船出だな。


この本の取材をした〈雨宮〉氏が、「あとがき」に書いている。
山本太郎の6年間をふり返る取材は、とにかく楽しいものだった。
何しろ都内の公園で野宿する人に・・・インタビューしたかと思ったら、その数日後には議員会館で小沢一郎氏にインタビュー・・・ホームレス、被災者、避難者、DV被害者支援をする女性、被災地支援に駆け回る人、生活保護問題に取り組む弁護士、イラク支援を続ける人や戦場ジャーナリスト、入管収容所にいる外国人、経済学者、憲法学者などなど本書に登場する人はあまりにも多岐にわかる。
それがなんとも山本太郎らしい
ではないか。」

Author:kyouichi sato[CC BY]

らしいらしい!

2013年7月、参議院議員になったはいいけど、
何がわからないかさえ、わからない、すべてがわからない。
プロが事務所に一人もいない、全員素人状態。

という状態からの、スタートだった。
専門家のレクチャーを受けても、小学生が大学の講義を聞くレベル。

そんな状態から、国会質問したり、街頭演説したり、よくできました!

本の目次を追ってみよう。
第1章は、〈山本太郎〉の6年間の働きと、その成果が語られている。
国会議員は707人。707分の1で何ができるのか。
しかし、〈山本太郎〉という議員がたった一人いたことで、変わったこともある。
【そして、彼が寄り添ってきたのは、被災者やDV被害女性、生活保護世帯の子ども、野宿者、外国人といった〈もっとも弱い立場に置かれた〉人々だ。】

たとえば西日本豪雨では、「カジノ法案」で忙しい自民党に喝を入れ、被災地に小型重機100台を調達した。


そう言えば、住宅街の狭い道に、自衛隊のでっかい重機は入らねえから、小型重機を送ってくれって訴えてたなあ。

また、女性活躍・推進法に、DV・ストーカー問題を盛り込んだ「附帯決議」を追加。


この「附帯決議」のおかげで、多くの女性たちが救われたんだ。

また、生活保護世帯の子どもが大学に進学すると、一家の受給額が減らされることに声を上げた。


子どもが大学に行くと、家計がもっと苦しくなってたのか。ひでえ話だ。

オリンピックのせいで、明治公園から追い出される野宿者を守る。


野宿者の代表、小久保氏は言う。
年末年始にはホームレスの人たちの炊き出しにも行かれたり、すごい地道な活動もされるし、そういう国会議員らしくない、でも本当は国会議員はこうあってほしいっていう活動をして頂いてるなって思います。」

野宿者にレクチャーを受けて、国会質問を作ってる議員も、他にいねえしな。

住民票のないホームレスは、1票にもならないからね。
なんで票にもならない野宿者の声に、ていねいに耳を傾けるのか?
「だって、自分が当事者だったら動いてくれる政治家、欲しいでしょ?
それだけかな(笑)。」と、〈山本太郎〉は言う。

入管収容所にいる外国人のために働くのも、そういうことだな。



そう、一票にもならない。
だけど彼が動いたことで、入管収容所で、夜間もクーラーがつけられるようになり、朝もお湯のシャワーが出るようになった。
〈山本太郎〉「それくらいのことは議員一人でもできるということがわかった。」

たとえ票につながらなくとも、その姿勢をおれたちは見ている。
そして外国人たちの感謝も、きっと別の形で返ってくる。

〈山本太郎〉「だって、いつ自分がどんな立場になるかわからないでしょう?
・・・そう考えた時に、少なくとも自分がそういう立場になった時には優しい世の中であってほしいなと思うわけですよ。」

他人も自分と同じ、と考えることができる、数少ない政治家だ。

重圧に苦しみながらも、国会議員を続けてこられた理由とは、年末になると必ず参加する、炊き出し体験。
それが、「自分の中に投下される燃料のひとつだと思うんですよね。」

Author:Tubbi[CC BY-SA]

(炊き出し)がモチベーションになる国会議員、いるか?

第2章では、小沢一郎氏に、〈山本太郎〉が総理大臣になれるかどうかを聞いている。
小沢氏は、彼をかなり評価しているようだ。
もう少し修行は必要だが、「僕はリーダーとして申しぶんないと思う。」と言う。

あの大物政治家に、そう言わせたのはスゴイことだな。

〈山本太郎〉の成し遂げた偉業の一つ、「11回の牛歩」についても振り返る。
取材した雨宮氏は、国会のすべての本会議を傍聴していたのだが、結果的にすべての「ひとり牛歩」を見ることになった。
【それは、あまりにも残酷な光景だった。自民党席からの激しいヤジ、怒号・・罵声・・精神的な公開処刑。そんな言葉が浮かんだが・・・たった一人で怖くはなかったのだろうか?】

ほんとに、そうだな。
おれだって、あんな場所で、あれをやれって言われたら、足が震える〜。

くろちゃんでも、そうなんだ!
よっぽど、キモが座ってないと、あのパフォーマンスはムリだよねえ。

いや、彼の「牛歩」は、決してパフォーマンスなんかじゃねえ。
おれたち国民一人一人の、汗と涙を背負った「牛歩」だったんだ。
だから彼は、あの時、「たった一人」ではなかったはずだ。
すべての怒れる国民を代表して、おれたちの怒りを表現してくれたんだ。
山本君、ありがとう!!

第3章は、原発・被爆問題について。

ここが〈山本太郎〉の原点だな。

彼が動いたことで、何か、変わったことがあったのだろうか。
〈山本太郎〉「ない。ないですよ。その壁はむちゃくちゃ厚いんです。」

はあ・・・・・いち国会議員vs「国と電力会社」じゃ、ムリかあ。

Author:↑PON[CC BY-SA]

相手が巨悪すぎだよね。
しかも、「デマを言うな」「歩く風評被害」という言葉が、背後から投げつけてられる。
でも、原発の被害者にとっては偉大な味方だ。
議員になりたての頃、〈山本太郎〉が集会に来たとき、ある避難者はこう思ったと言う。
国会議員が初めて自分の目の高さまで降りてきた瞬間でした。
この人だったら私たちの言葉を聞いてくれるかもしれないと。」
なのに彼は、会うたびに「すまない」「せっかく議員にしてもらったのに一人も助けられてない」と謝る。そしていつも、避難者の話を真剣に聞き、「教えてください」と頭を下げる。

これが国民の代表、国会議員の、ほんとうにあるべき姿勢だな。

だが、彼の孤軍奮闘ぶりは痛々しい。
被爆について、口に出すのもコワい雰囲気の中で、正面から切り込んで、前後から刺され、八つ裂きにされているような印象だと言う。

しっかし・・・・・そんな満身創痍で、よくここまで生き残れたもんだ。
これでもか、これでもかと、予防接種・添加物・電磁波・学校教育やテレビによる洗脳を無制限に浴びせられ・・・・・こんだけされたら、どんなツワモノも、ヘナチョコにされちまう日本の社会で、よくこれだけ、根性ある日本人が、生き残れたもんだ。
そのこと自体、脅威だな。

たぶん・・・絶滅危惧種。

〈山本太郎〉恐るべし!

〈山本太郎〉の結論。
放射能汚染の問題。これは、一人で動かせる話ではない。・・・
国家として方向性を決めた上に、この国に生きる多くの人々がそのことに関してあまり関心を払わない時、一人で動かせることには限界がある。」

おっと?! こいつは、読み飛ばしちゃいけねえ!
「この国に生きる多くの人々が
そのことに関して
あまり関心を払わない時、
一人で動かせることには限界がある。」

つまり、こうとも言えるね。
「この国に生きる多くの人々が、
放射能汚染の問題に関心を持てば、
たとえ〈山本太郎〉一人でも、動かせることに限界はなくなる。

そうか!!
一人一人が、〈山本太郎〉の訴えに耳を傾けて、関心を持つ。
今の日本に必要なのは、そこだ!!

Author:ネスナド[CC BY]

第5章はQ&A。
「今後の展望を教えてください。」という問いに、〈山本太郎〉はこう答えている。
「一応、総理になります(笑)。代わりにやってくれる人がいれば、その人を応援するというスタンスですが、どうやらいなさそうなので(笑)。」

おお!! 山本君よお!
「一応、総理になります(笑)」? ダメダメ!!
(笑)も「一応」も、いらねえー! 遠慮せんで、スッキリ「総理になります!」 で、ええんぞー!

パチパチパチパチ!
自分が一番弱い立場になった時に優しい社会であってほしいから、そういう社会を作りたい。」と言う〈山本太郎〉に、ぜひとも、総理になってもらいたい

一人でも多くがそう願えば、必ず実現するだろう。

第7章は、〈山本太郎〉を支える面々の紹介。
個人的には、ここが一番、興味があったし、おもしろかったよ。

裸一貫で国会に乗り込んだ、〈山本太郎〉を支えたのは、どんなヤツらなのか?

国会議員には、3人まで、公設秘書がつけられる。
〈山本太郎〉事務所には、この他にも、さらに3人の私設秘書がいて、計6人だそうだよ。

グサグサと相手につき刺さるような、国会質問の名文句を作るヤツらは、どんだけすげえプロ集団なんだ?

はっはっは!
政策秘書・岡田氏は、「喜納昌吉(きなしょうきち)」の元バンドメンバーで、沖縄そば屋もやってた人。

ハイサイおじさん♪の関係者か? 沖縄そば屋? 食いてえなあ〜♪

ハイサイおじさん 喜納昌吉


ハイサイ岡田秘書は言う。
「僕はいろんな議員の秘書経験があるんですが、こんなに働いてる国会議員は数少ないと思いますよ。」
他の事務所の秘書からも、よく聞かれるそうだ。
「あの質問、誰が作ってるの?」って。

「みんな、ものすごいシンクタンクくらいのブレーンがいるって思ってるみたいなんですよ(笑)。『事務所のみんなで作ってます』って言うと、本当に驚かれますね。

事務所のレベル、たっけえ〜!

他にも、ギタリスト、ブロガー、Twitterからスカウトされた人など、バラエティに富んだ人たちが集まってる。
取材した〈雨宮〉氏も言う。
ちなみに山本太郎事務所に入るにあたって学歴、職歴などはまったく不問とのこと、なぜなら議員本人が「中卒みたいなもんだから」(高校中退)ということだ。】

これからの世の中、大事なのはハートだ、ハート!

ところで、このハイサイ岡田秘書の話がおもしろい。
〈山本太郎〉からスカウトされたとき、彼は、他の議員の事務所にいた。

が、そこは〈山本太郎〉事務所より楽だったので、どうしようか悩んでいて・・・・・
どうやって決めたか知ってる?

???

タロットカード!
引いたカードが「迷いを捨てて進め」だったから


はあ??????

「いくことが運命なんだなと思って決めました。」

どこのスピ系のギャルかよ。

この本では他にも、〈山本太郎〉がわかりやすく説明した、経済や憲法の話も書いてある。
本の内容は、ざっとこんなものかな。
でも、正直言ってぼくは、政治家の本を読んで、まさか泣くとは思わなかった。

政治家の自己満足、「こんだけ、やりました」的な本じゃねえってことだな。

この本を読めば、これまで〈山本太郎〉が孤軍奮闘してきた、数々のテーマを復習できる。
それだけでも、日本の現状をなぞることができるよ。

ラストは、〈雨宮〉氏の「あとがき」の一言で決まりだな。

世界を変えるのは、いつの時代も『空気を読まないバカ』である!」


山本代表は5月31日までに寄付金1億円を集めると述べた。
困難な道と思われたが、同党は・・・5月20日の段階で1億1215万円が集まったと報告した。
確かにクラウドファンディングで資金集めをした最高額は音喜多駿「あたらしい党」代表の約1,000万円。その12倍の額を山本太郎氏は40日間で集めたのだ。確かに、これは事件である。」(ネタリか


Writer

ぴょんぴょんDr.

白木 るい子(ぴょんぴょん先生)

1955年、大阪生まれ。うお座。
幼少期から学生時代を東京で過ごす。1979年東京女子医大卒業。
1985年、大分県別府市に移住。
1988年、別府市で、はくちょう会クリニックを開業。
以後26年半、主に漢方診療に携わった。
2014年11月末、クリニック閉院。
現在、豊後高田市で、田舎暮らしをエンジョイしている。
体癖7-3。エニアグラム4番(芸術家)

東洋医学セミナー受講者の声

Comments are closed.