注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
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防衛省 定規で測って適地判断 秋田市のイージス・アショア配備計画で発覚
転載元)
長周新聞 19/6/11
防衛省がおこなった地上配備型ミサイルシステム「イージス・アショア」の調査報告書に、事実とまったく異なるデータが記されていたことが物議を醸している。
防衛省は陸自新屋演習場(秋田市)以外に、青森、秋田、山形各県の国有地と陸自弘前演習場の計19カ所を調べた結果、どこも「不適」になったため「新屋演習場が東日本で唯一の適地だ」と主張してきた。
ところがレーダーの妨げとなる山があるかどうかを調べた9カ所すべてで、実際にある山の高さより数倍高い数値を記し「不適」としていたことが発覚した。適地選定の恣意性とともに、あまりにずさんな調査姿勢が表面化している。
(中略)
ところがこの「仰角」データがすべて誤っていたことが明らかになった。このうちもっとも誤差が大きかったのは秋田県男鹿市の秋田国家石油備蓄基地を候補地とした例だった。候補地からの「仰角」は候補地と対象の山を結んだ「水平距離」と「山の高さ」を基に三角関数で算出する。
秋田国家石油備蓄基地の場合は、同基地から男鹿の本山まで水平距離は約9600㍍で、本山の標高は715㍍である。従って「仰角」は「約4度」とならなければおかしい。だが調査結果に記していた「仰角」は「約15度」だった。この「仰角」から男鹿の本山の高さを算出すると約2600㍍になる。この男鹿半島に実在しない巨大な山がレーダーを遮ることをもって「秋田国家石油備蓄基地はイージス・アショア配備地として不適」としていた。ところが男鹿半島に2600㍍級の山などない。地元住民の指摘ですぐにデータの誤りが表面化することになった。
(中略)
こうしたなかで防衛省の深沢雅貴審議官が5日、秋田県議会の全員協議会に出席し「地図の縮尺があっていなかった」とのべた。防衛省側は「初歩的ミス」との姿勢を示したが、自民党県議もふくめて「あれだけ数字が違っていて他の説明は大丈夫なのか」「こんな単純ミスをする防衛省が高度なイージスを配備できるのか」と批判が噴出した。
(中略)
その後、防衛省が実地調査すらしていなかったことも明るみに出た。地元住民にとって町の命運が係る問題であるにもかかわらず、現地には行かず、デジタル地球儀「グーグルアース」やパソコンで作成した地図を使って定規や計算機で数値をはじき出していた。机上で「適地」「不適」のつじつまを合わせるいい加減な調査報告書を作成していたのである。
ところが防衛省は未だに「データを修正しても新屋演習場が唯一の適地であることに変わりはない」との姿勢を崩していない。安倍首相に至っては、陸自むつみ演習場(山口県萩市、阿武町)の調査については「検討に用いるデータに誤りはないとの報告を受けている」(7日、参院本会議)と発言し、地元の意見を無視してごり押しする構えを見せている。
こうした一連の事実は、秋田市や萩市・阿武町で防衛省がおこなった調査自体が、科学的で公正なものではなく、最初から「適地」という結論を出すための「調査」でしかないことを浮き彫りにしている。
そもそも防衛省はイージス・アショアの候補地選定に関連する「適地調査」といいながら、その土地に住み、もっとも土地の事情を知る住民の意見をまったく考慮していない。そして地図や資料、定規を使って導き出した各種調査の結論はみな「影響はない」「適地だ」のオンパレードだった。それは防衛省のおこなった「適地調査」自体が「住民への影響を調べるための調査」などではなく、「防衛省の、防衛省による、防衛省のための調査」でしかないことをまざまざと見せつけている。それは調査の信憑性とともに「誰が何のためにおこなう調査なのか」が鋭く問われる問題になっている。
防衛省は陸自新屋演習場(秋田市)以外に、青森、秋田、山形各県の国有地と陸自弘前演習場の計19カ所を調べた結果、どこも「不適」になったため「新屋演習場が東日本で唯一の適地だ」と主張してきた。
ところがレーダーの妨げとなる山があるかどうかを調べた9カ所すべてで、実際にある山の高さより数倍高い数値を記し「不適」としていたことが発覚した。適地選定の恣意性とともに、あまりにずさんな調査姿勢が表面化している。
(中略)
ところがこの「仰角」データがすべて誤っていたことが明らかになった。このうちもっとも誤差が大きかったのは秋田県男鹿市の秋田国家石油備蓄基地を候補地とした例だった。候補地からの「仰角」は候補地と対象の山を結んだ「水平距離」と「山の高さ」を基に三角関数で算出する。
秋田国家石油備蓄基地の場合は、同基地から男鹿の本山まで水平距離は約9600㍍で、本山の標高は715㍍である。従って「仰角」は「約4度」とならなければおかしい。だが調査結果に記していた「仰角」は「約15度」だった。この「仰角」から男鹿の本山の高さを算出すると約2600㍍になる。この男鹿半島に実在しない巨大な山がレーダーを遮ることをもって「秋田国家石油備蓄基地はイージス・アショア配備地として不適」としていた。ところが男鹿半島に2600㍍級の山などない。地元住民の指摘ですぐにデータの誤りが表面化することになった。
(中略)
こうしたなかで防衛省の深沢雅貴審議官が5日、秋田県議会の全員協議会に出席し「地図の縮尺があっていなかった」とのべた。防衛省側は「初歩的ミス」との姿勢を示したが、自民党県議もふくめて「あれだけ数字が違っていて他の説明は大丈夫なのか」「こんな単純ミスをする防衛省が高度なイージスを配備できるのか」と批判が噴出した。
(中略)
その後、防衛省が実地調査すらしていなかったことも明るみに出た。地元住民にとって町の命運が係る問題であるにもかかわらず、現地には行かず、デジタル地球儀「グーグルアース」やパソコンで作成した地図を使って定規や計算機で数値をはじき出していた。机上で「適地」「不適」のつじつまを合わせるいい加減な調査報告書を作成していたのである。
ところが防衛省は未だに「データを修正しても新屋演習場が唯一の適地であることに変わりはない」との姿勢を崩していない。安倍首相に至っては、陸自むつみ演習場(山口県萩市、阿武町)の調査については「検討に用いるデータに誤りはないとの報告を受けている」(7日、参院本会議)と発言し、地元の意見を無視してごり押しする構えを見せている。
こうした一連の事実は、秋田市や萩市・阿武町で防衛省がおこなった調査自体が、科学的で公正なものではなく、最初から「適地」という結論を出すための「調査」でしかないことを浮き彫りにしている。
そもそも防衛省はイージス・アショアの候補地選定に関連する「適地調査」といいながら、その土地に住み、もっとも土地の事情を知る住民の意見をまったく考慮していない。そして地図や資料、定規を使って導き出した各種調査の結論はみな「影響はない」「適地だ」のオンパレードだった。それは防衛省のおこなった「適地調査」自体が「住民への影響を調べるための調査」などではなく、「防衛省の、防衛省による、防衛省のための調査」でしかないことをまざまざと見せつけている。それは調査の信憑性とともに「誰が何のためにおこなう調査なのか」が鋭く問われる問題になっている。
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配信元)
「標高や水平距離を使わずに、断面図を定規で測って長さを出す理由が分からない」
— 原田裕史🥚🧷 (@harada_hirofumi) 2019年6月8日
ほんとに分からないよ。数値改ざんの為に適当な理由を探したんじゃねえかと、疑ってるよ。
「定規で測って計算した」 イージスずさん調査【動画】|秋田魁新報電子版 https://t.co/8MZHSCpZev
パソコンに入力し作成した地形断面図。パソコン上で計算せずに、プリントアウトし定規で計測? なんか、この説明も不自然。実はなにもやっていない?https://t.co/pW51fTUg2f
— mko (@trappedsoldier) 2019年6月9日
ロシアも中国も北朝鮮も(ついでに韓国やアメリカも)軍事関連大臣の部屋でこの日本から届いたニュース速報を見て部屋にいる人間全員が涙流しながら笑い転げていると思うと、安倍が吉本入りしたことも効果があるのかもしれない。😂https://t.co/8vGY6NLoSl
— ono hiroshi (@hiroshimilano) 2019年6月8日
防衛省スッゴイ!Googleで測量、フェースブックで通信、アマゾンで兵站、これで戦争する !? https://t.co/p98c8z8SAV
— 春夏秋冬 (@CMyaro) 2019年6月8日
【秋田知事 イージス協議白紙に】https://t.co/QKTRrgb6Tl
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) 2019年6月10日
地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」を巡り、配備候補地の陸自演習場を抱える秋田県の佐竹知事は、防衛省の調査ミスに触れ、同省との協議を白紙に戻す考えを表明。「防衛省の基本的な姿勢には甚だ疑問」。
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そんな地図で大丈夫か? 日本社会を漂う奇妙な地図たちに愛の手を
引用元)
imidas 時事オピニオン 18/11/30
(前略) 巷のヘンテコ地図は星の数ほどあるが、ここでは罪深いものの代表として「日本政府が公式に出しているヘンテコ地図」にご登場願う。いずれも2018年11月現在、政府のHPからアクセスできる。ミスは誰にでもあるが、政府のミスは社会へのダメージが一段違う。
だからこそ、ミスを最小限に抑える製作側の力量と厳密なチェック体制、ミスを迅速にリカバリーするダメージコントロール能力、ミスを認め陳謝する潔さが不可欠だ。そもそも国民の代表たる政府が考えうる最高の地図を使っていないとなれば、社会の名誉にかかわるではないか。
(中略)
驚くなかれ尖閣諸島と竹島が実際の位置より100キロメートルほどずれている。「尖閣諸島問題」とか「竹島の日」とかは何だったのかと憤る読者もおられるだろうが、この地図が1997年版の『防衛白書』から2017年版まで一貫して掲載され続けていたと聞けば、怒る気力も出なかろう。
さすがにまずいと思ったのか、最新版(2018年版)では修正が入った。
(中略)
8月末に一旦防衛省のHP上で公開されたPDF版では尖閣と竹島の位置はそのままだったので、何らかの理由で急遽差し替えたのだろう。
次はこのような誤りをした原因の究明と、20年間放置し続けた責任の追及が問題となるべきなのだが、それが実行されるかはさておき、ともかく訂正するのはしないよりはマシなので、その点は評価できる。ただし、この地図、種子島と屋久島の位置が間違えたままになっているなど、残念なことに「やっぱりどうしようもない地図」という評価は揺るぎない。
(中略)
他にも、南スーダンPKOに関することは「日報隠ぺい問題」もあり、『防衛白書』も当然細心の注意を払って取り上げているのだろう――と思いきや、地図に関しては全くそうでない。2017年版の『防衛白書』では巻頭の見開き(7~8ページ)で南スーダンPKOを特集し「過去最大規模の実績を積み重ね」(7ページ)たと自己評価しているが、掲載されている地図は南スーダンという国自体、国境線がなく存在が抹消されているというトンデモぶり。
(以下略)
ところが、その調査そのものがずさんで誤っていることが発覚しました。
障害とされた山の仰角データ全てが現実のものと大きく異なり、中には仰角4度の山が15度と報告され、どこにそんな高い山があるのかとウソがバレたようです。ミスの理由がスゴイ。防衛省は実地調査など行わず、グーグルアースで得た地形断面図のデータをそのまま印刷し、三角定規で角度を出したという信じられない方法を取り、その際データの水平距離と山の高さの縮尺が異なっていることに気づかなかった「初歩的なミス」との釈明です。なぜパソコン上で計算せずに、わざわざ印刷して三角定規を当てる必要があったのか。意図的なものでないとすると、この調査能力でイージス配備をするなど地元住民でなくとも震えてきます。当然のごとく秋田県知事は配備への協議を白紙に戻すと発表しました。新屋演習場ありきの辻褄合わせの調査をする防衛省の姿勢は、沖縄辺野古を見るようです。
本当は、本当は、正確無比な調査結果を出す実力があるのに、わざと誤った結果を出した防衛省、と思ってしまいますよね。
が、、。案外そうでもなかったりして。
ロジの大前提とも言える地図で、防衛省はずっと昔からミスをしていたという驚愕の記事がありました。地図の専門家による爆笑しつつも凍りつく内容で、防衛省の公式年次報告書である「防衛白書」に採用される地図によもや1ミリのズレもあるわけないとの期待を裏切ってくれます。1997年から2017年までずーっと竹島、尖閣諸島は実際の位置から100kmもずれた地図、2018年にやっとこっそり修正が入ったかと思うと屋久島、種子島の位置は間違ったままで反省の色無し。PKOで注目された南スーダンに至っては「防衛白書」の南スーダンPKO特集の地図で、なんと南スーダンの国自体を抹消した地図を掲載している「トンデモぶり」です。
大丈夫かな、安倍政権防衛省。