メキシコ便り(98):第3回政府報告会の大統領のスピーチ:4T(史上4回目の大改革)の基盤はできた!政治家の「正直さ」と「愛」で経済活性❣️

 9月1日第3回政府報告会の大統領のスピーチがありました。今回は、そのスピーチの概要をまとめてみました。メキシコが今、どんな状態にあるのかよくわかると思います。正直、経済状態に関してはびっくりしました。多くの過去最高記録が出ています。実はpopoちゃん家でも、それを実感しています。でもこんなメキシコの良いことはほとんど世界ニュースにならない。。。

 コロナ禍でメキシコはIMFからの借金を断り、公的債務を一切増やすことなく、貧しい人たちを優先し、何らかの形で70%の国民に直接、政府の援助を送りました。大企業、銀行らには一切手をかさず、それどころかコロナの真っ只中、大企業から未払いの税金を徴収しました。

 汚職撲滅の徹底と、政府の倹約、それらのお金が貧しい人たちに行き渡ったと言っていました。大統領になって2年9ヶ月。今回、初めて大統領は、4T(史上4回目の大改革)の基盤はできたと言いました。正直さを何よりも大切にしている大統領。人材選びは正直さが9割、経験1割と以前言っていました。そして、メキシコを愛していないものは政治家になるべきではないとも言っていました。”メキシコ政府「正直さ」と「愛」で経済活性!”こんな見出しのニュースが主要メディアに出る時代が来るといいなぁ。日本にも世界にも「正直」で自国を「愛」する政治家が増えますように。。。🍀
(popoちゃん)
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メキシコ便り(98):第3回政府報告会の大統領のスピーチ:4T(史上4回目の大改革)の基盤はできた!「正直さ」と「愛」で経済活性❣️

第三回政府報告会での大統領のスピーチ


YouTubeより、以下同

9月1日、ロペス・オブラドール大統領が就任して2年9ヶ月。3回目の大統領の政府報告スピーチ。大統領は大体3ヶ月ごとに国民に国がどんな状態であるか全て報告します。今回のは毎年9月にある3回目の報告。その報告はいつものごとく、厳かな雰囲気で始まりました。一人の軍人さんのトランペットが国立宮殿中に鳴り響き、「きおつけ!」状態の大統領は、まるでメキシコの神々さまに報告するかのような。。。(上の動画13分26秒あたり)

向こうに二人、並んで立っているのが
大統領と奥様のベアトリスさん。

トランペットが鳴り止むと、大統領は奥様(ファーストレディという言葉は使わない奥様)ベアトリスさんの手を取り、二人で手を繋いで宮殿内の会場へ。


会場は小さく、中には40人に満たないほどの政府関係者らがいました。そして、一番最初に目に飛び込んできたのが、ベニート・ファレス元大統領の大きな肖像画。ベニート・ファレス元大統領は、ロペス・オブラドール大統領が歴代の大統領の中で一番尊敬している大統領。



国歌斉唱の後、大統領のスピーチ開始。約1時間に及ぶスピーチでした。
スピーチの全文はこちら
以下、自動翻訳でも確認しながら、ざっくりまとめてみました。( )はpopoちゃんの解説です。


民営化を阻止
メキシコの大改革は進んでいる。政府内の汚職撲滅も進行中。一番決定的だったのは、鉱山、水、病院、港、鉄道、ビーチ、刑務所、公共事業などで民営化の流れを止めたこと。その中でも最も重要なことは石油、電力などのエネルギー分野での民営化を止めたこと。


ガソリンの自給自足
メキシコはガソリンの自給自足を目指すために、石油精製所の立て直し、新たな石油精製所の建設、テキサス州のDeerParkの購入で自給自足の方向に向かっている。42年前にネオリベラリズム(新自由主義)時代が始まって以来、石油精製所は全く建設されず最後に建設されたのは1979年。

(資源が豊富なメキシコはネオリベラリズム時代の売国奴大統領らが、メキシコの石油精製所をほっぽらかし他国からの輸入をしていた。国にオレンジがたくさんあるのに、オレンジを絞る機械がないのでオレンジジュースを外国から輸入しているようなものだと大統領は以前言っていました。)

水力発電所でクリーンで安価な電力生産
電力も同じくほったらかしにされていた。現在、水力発電所を近代化し、クリーンで安価な電力生産をし、重油や石炭の使用量を削減。

今年2月に起こった大規模停電がほんの数日で回復したのは水力発電所のお陰だったと以前、大統領が言っていました。)

上の写真はチャパス州にある水力発電所の貯水池のよう

公共事業
官民パートナーシップなしで道路、ダム、病院、大学、学校、水道橋、排水設備、下水処理場、橋、製油所、鉄道、発電所、空港、兵舎、図書館、公園、市場、スタジアム、スポーツ施設などを建設。公共予算で負債なし。

新空港フェリペ・アンヘレスの建設、テフアンテペック地峡の港と列車を結ぶ(つまりアジア諸国とアメリカ東海岸を結ぶ)鉄道の建設、国内最大の考古学的、文化的、観光的な地域のマヤ・トレン(列車)の建設、これら3つのプロジェクトだけでも143,137の雇用を生み、間接的に277,049の雇用を生んだ。

左上:新空港フェリッペ・アンヘレス  右上:石油精製所ドス・ボカ
左下:トレン・マヤ(マヤ鉄道)
右下:アジア諸国とアメリカ東海岸を結ぶテファンテペック鉄道

(毎週月曜日、朝の大統領プレス・コンファレンスでこれらの公共事業の進み具合が動画で発表されます。)

北部国境都市
北部国境地帯の経済活性化のために、消費税と所得税の半減、ガソリン価格をアメリカの国境都市と同じ価格に。最低賃金2倍。また大規模な都市開発・住宅計画も実施中。

上のツイート画の色のついた部分が北部国境都市

COVID
9月1日時点、65%の人口が少なくともワクチン1回接種済み。冬に備えて、10月までに18歳以上の国民全てが最低1回はワクチンできるようにしたい。
(これだけがロペス・オブラドール政権の間違った政策❗️)

学校再開
先週の月曜日、約1年半ぶりに1100万人の生徒が学校に戻った。
(数ヶ月前に学校再開していましたが、ほんの一部だったようで今回は大規模に再開。)

経済
(ここが一番のハイライトでした!メキシコは完全にコロナ禍に勝利した証かも。)

  • 今年の経済成長率の見通しはどこも6%前後と予測。
  • 上半期、外国からの投資額184億3,300万ドル。前年同期比2.6%増。史上最高。


  • 公的債務の増加ゼロ。
  • この2年9ヶ月間、ペソの下落なし(30年ぶり)。
  • 最低賃金、44%UP。
  • 株式市場の指数28%UP。
  • メキシコ銀行の外貨準備高、前政権末と比べ18%増し300億ドルを超える史上最高額。
  • コロナ禍後、120万2691人の雇用創出。雇用完全回復までにあと19万2,713人。これはあと2ヶ月で達成予定。
  • 外国から家族らへの仕送りと貧しい人たちを優先した社会福祉プログラムで、コロナ禍で消費危機に至らなかった。
  • 百貨店は、2021年1月から8月までの売上高が、前年同期比で34%増加。
    (popoちゃんの旦那様の会社のいくつかの店舗も過去最高売り上げがあったりで、経済の良さは個人的レベルでも実感中。これはウソじゃない。)
  • 飢えや絶望による商店の略奪や破壊行為報告なし。

🎉過去最高記録🎉
外国に住むメキシコ人から家族への仕送り(約1100万件以上の送金。平均380ドル/月送金)過去最高❗️
7月のメキシコ銀行の外貨準備高、月間で過去最高❗️
外国投資、過去最高❗️
最低賃金の上昇、過去最高❗️
ペソの切り下げなし、歴史的記録❗️
負債増加なし、歴史的記録❗️
証券取引所指数の上昇、過去最高❗️

とここまで言った大統領は拍手喝采の中、「まだ言い終わってないですよ。」と言い
「ネオリベラリズム(新自由主義)の専門家たちよ、これを見て学びなさい!」と大統領が言うと、さらなる拍手喝采と笑い声が会場を埋め尽くしました。(下の動画1分4秒あたりから)

上の過去最高記録7つを読み上げている大統領

治安
(大統領は月〜金、朝の大統領プレス・コンファレンスの前に、内務省、国防省、海軍省、公安省と共に治安会議をし毎日のメキシコの治安状況が話し合われています。)

  • 国営石油企業の燃料を窃盗 95%減。
  • 殺人 0.5%減。
  • 自動車の窃盗 28%減。
  • 誘拐 18%減。

11の主要犯罪のうち、3つだけ増加。
  • フェミサイド(女性殺人) 13%増。(以前、今のように分類されていなかった可能性あり)
  • 恐喝 28%増。
  • 公共交通機関での強盗 12%増。

INEGI(国立統計地理情報院)は今年7月27日、殺人事件のデータを発表した際、2019年と同様、犯罪の増加傾向は止まり、わずかながら減少していると発表。

税収
  • 政権発足一年目から大口納税者への減税措置を廃止
  • 汚職を重大な犯罪として憲法に定めた
  • コロナ禍でも前年同期比2.6%増
  • 前、前々政権では大口納税者らが3,661億7,400万ペソの免除していた

節約
2年9ヶ月で購入と契約で1兆4000億ペソの節約

ツイート訳:政府の倹約で購入と契約で1兆4000億ペソの節約

社会福祉プログラム
  • 2024年1月までに高齢者年金2倍に。老後の心配なく夫婦二人が食べていくのに十分なものになる。
  • 障害のある子どもたちへの支援、貧困家庭の学生への奨学金支給、医療や医薬品の無料提供継続、これらは現在、憲法で保証されている。
  • 「命を植える」プログラムでは100万ヘクタールに果樹や木材を植え、42万人が働き収入を得ている。

  • 2019年1月に始まった「命を植える」プログラムを開始した地域
    色は州別で4つの州でこのプログラムが進行中

  • 約40万人に肥料無料配布。来年はさらに拡大予定。
  • 「未来を築く若者たち」プログラムでは、180万人の若者が最低賃金で見習いとして働いている。

教育
  • 140の公立大学が建設中、または完成済み。
  • 大学院・研究奨学金の数を9,370人増やし、合計125,816人に。

国営銀行(Banco del Bienestar)
(ネオリベラリズム時代に多くの銀行が外国に売られ、唯一生き残った国営銀行。国からの福祉プログラムはこの銀行から直接、国民の口座に送金。)
これまでに1,644の支店が建設済み、368の支店が建設中。今後2年間で2,700の支店が新設予定。

メキシコ国営銀行(バンコ・デル・ビエンエスタル)

文化
偉大な作家の作品(本)79冊を出版し、400万3800部を無料または低価格で提供。

100の公約
100の公約のうち、98を達成。残りの2つは、連邦政府の地方分権化と、アヨツィナパの若者たちの失踪についての全真相解明。

(しかし、大統領は公約以外の多くのことを(約20項目)すでに成し遂げたことをこの後、説明しました。)


大統領は、“この2年9ヶ月でメキシコ大改革の基盤は出来上がった。あらゆる面で民主的になり、道徳、文化、精神的価値は強化され、メキシコの歴史的遺産は大切に保たれている。コロナ禍中でも4T(史上4回目の大改革)を止めずに進みづつけたことを誇りに思っている。協力してくれた公務員はもちろん、信頼と支持をしてくれている国民に一番感謝していることを伝えました。

たとえ、今、大統領を辞めても悔いはない。そして、たとえ、反大統領派(ネオリベラリズ派)が今後政権をとり、年金給付を無くしたり、貧しい学生たちの奨学金を取りあげたり、大企業のために税金を免除したり、公共財を略奪的に民営化したりしようとしても、そう簡単にできないだろうと。


来年の3月に行われる「このまま大統領を続けて欲しかどうか」の国民投票で、国民は私が最後まで継続してほしいと投票することを確信しているが、傲慢になってはいけない。自然や創造主は何と言うか考慮しなければならない。私が大統領のたすきを渡すとき、「任務完了!」と言いパレンケ(大統領の別荘があるところ)に行き、あなた方には私のハートを残していきます。


¡Viva Mexico!
(メキシコ万歳!)

(popoちゃん)

Writer

popoちゃん

メキシコ人夫とメキシコ在住中♪
新アムロ政権の勢いある改革ぶりを中心に
「今のメキシコ」をお届けいたします!

体癖5・9、ピッタ・カファ、エニアグラム7


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