免疫システムは、7割から8割は腸の中にあり、その環境の鍵となるのが「腸内細菌」 ~ストレス、睡眠不足、加工食品、糖分の多い食品、抗生物質の乱用で腸内細菌がダメージ

竹下雅敏氏からの情報です。
 免疫グロブリンとは、異物が体内に入った時に排除するように働く「抗体」の機能を持つタンパク質のことです。血液中に最も多く含まれているIgG、粘膜の表面などに存在するIgAを含め、5つの種類の免疫グロブリンがあります。
 “リンパ球の一種であるB細胞が抗体産生細胞(形質細胞)に分化し、IgAを産生する”という事ですが、動画の1分25秒で、“そのリンパ球が腸の中でつくられるんですね。免疫システムは、7割から8割は腸の中にあるものですから、当然そこでつくられたものが全身を巡って喉にもいくわけです”と言っています。なので、“IgAが喉でたくさん分泌されるには、腸の中の環境が良くないとそのIgAが上手く分泌されない”とのこと。
 腸の中の環境の鍵となるのが、「腸内細菌」です。善玉菌がしっかりと存在していることで、免疫システムはきちんと働くのですが、ストレス、睡眠不足、加工食品、糖分の多い食品、抗生物質の乱用で腸内細菌がダメージを受ける(4分30秒)。
 腸内環境を整えるには、食生活を見直すことが大切。加工食品、糖分が多いもの、脂肪分が多すぎるものを減らすこと。食物繊維は善玉菌の餌になるので、しっかりと取る(10分30秒)。
 腸内細菌が食物繊維を分解することによって短鎖脂肪酸ができる。短鎖脂肪酸が抗体をつくる形質細胞を増殖するのに、非常に重要な働きをする(11分2秒)。すなわち、腸内細菌が短鎖脂肪酸をつくることができないと、免疫が上手く働かないと言っています。
 加工食品が良くないのは、記事にある通りです。例えば、コンビニで売っている「おでん」がどういうものかは、調べた方が良いでしょう。
 “続きはこちらから”は、ストレスによって腸の自然免疫αディフェンシンが減少し、腸内細菌叢と腸内代謝物に異常が起きることが分かったというもの。こうした腸内細菌叢の組成の変化は、ストレスだけではなく、「加齢」によっても起こるということです。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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鍵は腸内環境ー感染したくない、免疫力を上げたい、冬に向けてさらに準備すること
配信元)
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「超加工食品」が糖尿病や肥満の原因に 悪玉ホルモンを増やし食欲を増進
引用元)
(前略)
米国糖尿病学会(ADA)によると、超加工食品とは「糖分や塩分、脂肪を多く含む加工済みの食品。硬化油、添加糖、香味料、乳化剤、保存料など添加物を加え、工業的な過程を経て作られる、常温で保存できたり、日持ちを良くしてある食品」のことだ。
 
果糖や人工油脂などをたっぷり使った菓子パンなどが超加工食品だ。他にも、▼スナック菓子、▼菓子パン・総菜パン、▼カップ麺、▼ピザ・ホットドック、▼ケーキ・クッキー・パイ、▼ミルクシェイク・カスタード、▼ドーナツ・マフィン、▼ミートボール・チキンナゲット、▼高カロリーの清涼飲料――などがある。
 
調理済みの「超加工食品」の多くは栄養価のバランスを著しく欠いている。高カロリー、高脂肪、高塩分だが、他の必要な栄養素であるビタミンやミネラル、食物繊維などはあまり含まれていない。
(中略)
超加工食品の悪影響は考えられている以上に大きいことが、米国の研究で明らかになった。超加工食品を食べると、加工度の少ない自然に近い食材を使った食品を食べたときに比べ、摂取カロリーが増え体重が増えることが示された。たとえ摂取するカロリーと栄養素が同じであっても、超加工食品は肥満につがるという。
(以下略)


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心理的ストレスが腸内細菌を攪乱する機序をはじめて解明~うつ病の脳腸相関を介した予防・治療法開発に期待~(先端生命科学研究院 准教授 中村公則,教授 綾部時芳)
引用元)
ポイント
●腸の自然免疫αディフェンシンによる腸内細菌の制御が脳に影響することを解明。
●精神的ストレスによる脳腸相関のメカニズムを解明。
●うつ病など神経系障害の腸をターゲットとする予防や治療の進展に期待。

概要
北海道大学大学院先端生命科学研究院の中村公則准教授,綾部時芳教授らの研究グループは,小腸のパネト細胞が分泌する自然免疫の作用因子であるαディフェンシンが心理的ストレスによって減少することを明らかにしました。さらに,うつ状態を起こすようなストレス下では,αディフェンシンの減少によって腸内細菌叢と腸内代謝物が異常となり,腸内環境の恒常性が撹乱することをはじめて明らかにしました。
(中略)
さらに,このストレス負荷による腸内環境の撹乱を,αディフェンシンの投与によって予防・改善できることを示しました。
(以下略)
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世界初!免疫老化による腸内細菌叢の遷移メカニズムを解明~αディフェンシンをターゲットとした健康維持・疾病予防法開発に期待~(先端生命科学研究院 准教授 中村公則)
引用元)
(前略)
北海道大学大学院先端生命科学研究院の中村公則准教授,綾部時芳教授は,同大大学院医学研究院の玉腰暁子教授との共同研究で,小腸のパネト細胞から分泌される自然免疫の作用因子である抗菌ペプチドαディフェンシンが高齢者では若年者に比べて低いことを示し,そのことが高齢者における腸内細菌叢の変化(遷移)に関与していることをはじめて明らかにしました。
 
本研究グループのメンバーである,先端生命科学研究院の清水由宇研究員らによる北海道に居住する健康な成人を対象にした本研究は,加齢に伴うαディフェンシンと腸内細菌が形成する腸内環境に焦点を当てることで,人の「免疫老化」の全く新しいメカニズムを明らかにした画期的成果です。

これまで新生児期から老年期にかけて,腸内細菌叢の組成が変化していくことはよく知られていましたが,そのメカニズムの詳細は未だ不明でした。この研究は,年齢が高い人ほど小腸パネト細胞が分泌するαディフェンシン量が低いという免疫老化をまず明らかにしました。さらに,αディフェンシン低下が,中高年者に比べた高齢者の腸内細菌叢の組成変化に関与することを示しました。
(以下略)

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