ナチズムを非難する国連決議に反対した情けない日本、昨年まではウクライナとアメリカの2国のみ反対だった / ロシアは毎年動議を提出し世界に正義を問う

 11/4国連で、ナチズム、ネオナチズム、そしてあらゆる人種差別を非難する決議がありました。ロシアは毎年この動議を出しています。ナチズム、ネオナチズムと戦うことに反対する国などあるのでしょうか。あるんです。2016年以降、反対票を投じてきたのはウクライナとアメリカの2国でした。アメリカに反抗できない日本は棄権だったようです。
 ところが2022年、この決議に異変がありました。賛成した国は105カ国、反対した国は52カ国、棄権が15カ国で、情けないことに日本も反対に回りました。ナチスを容認する日本。「公の場でナチス式敬礼をするだけで刑事罰」のドイツまで反対しています。ロシアのザハロワ報道官によると、米国代表団は決議案を採択する会議の前に、同盟国に対して「民主主義を行なっていた」ようです。おとなしく反対票を投じる同盟国を確認し、記録している様子が残っています。
 ロシア外務省はこの倒錯した状況に対して異論の余地の無い声明を出しています。1945年、ヒトラーに対抗しナチズムに勝利した国々によって国際連合ができ、ニュルンベルグ裁判では「悪の勢力の代表は誰かという問題に決着をつけた」。にもかかわらず「我々は再び共通の歴史を否定する試みを見ている。人種差別や外国人排斥の言動は増加し、移民や難民、“異質”を排除するよう求める声が上がり、反イスラム、反キリスト教、反アフリカ、反ユダヤ主義の発現は常態化し、一部の国ではナチズムと戦った死者の記念碑に対する攻撃がかつてない程広がっている」。これは表現の自由などではない、ナチスと戦ってきた人々への冒涜であり、犯罪行為だと。「我々の決議は対立ではなく対話と協力の促進が目的である。この文書の承認は国連創設者達への責務だけでなく、彼らが“戦争の恐怖から永遠に解放される”事を目指した未来の世代に対する、我々の義務なのである」。このような歴史と正義感から語られる言葉を日本も紡ぐことができるか?
(まのじ)
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