森永卓郎氏「びっくりすることにあらゆる属性間で高度成長期は格差が縮小して、低成長に入るとどんどん拡大していくという事実を私は発見したんです」 / 容姿に恵まれた人は月並みな容姿の人に比べて、就職できるまでに要する期間が短く、昇進するのが早く、給料も3〜4%高い

竹下雅敏氏からの情報です。
 森永卓郎氏は経済成長と格差の関係に関して、“例えばいろんな格差があるんですね。男女間の賃金格差とか職業間の賃金格差、産業間の賃金格差、あるいは職階間、平社員と部長の間でどういう格差があるか。そういうのをずっと見ていたら、びっくりすることにあらゆる属性間で高度成長期は格差が縮小して、低成長に入るとどんどん拡大していくという事実を私は発見したんです(3分38秒)”と言っています。
 このメカニズムはトマ・ピケティ氏の『21世紀の資本』を読んで、「初めて目から鱗で分かったんです(6分38秒)」と言っています。
 『21世紀の資本』の中でトマ・ピケティ氏は、「r>g」という不等式を示しました。「r」は資本収益率を示し、「g」は経済成長率を示します。この不等式の意味は、“資産 (資本) によって得られる富、つまり資産運用により得られる富は、労働によって得られる富よりも成長が早い。言い換えれば「裕福な人 (資産を持っている人) はより裕福になり、労働でしか富を得られない人は相対的にいつまでも裕福になれない」”というものです。
 森永卓郎氏は、“金持ちは、世の中がどうなろうと常に毎年自分の金を5%ずつ増やす。…低成長になって景気が悪くなると5%成長なんかしなくなる…そうすると何が起こるかって言うと、残りはずるずる減っていく。だから庶民が転落して、あるいは中小企業が転落して格差が拡大していく(7分26秒)”と説明しています。
 深田萌絵さんは外資の金融機関について「モラルも何もあったものではない(10分)」と話すと森永卓郎氏は、“彼らとの付き合いが出来て分かったのは品性下劣っていうか、教養のカケラもない人なんですよ。だから莫大な金を稼いで彼らが何に金を使っているかって言うと、高級外車に乗って高級レストランで高いワインを飲んで、愛人を作って別荘を買って、豪華クルーズ世界一周をして…特にアメリカの場合はドラッグ、薬に走る(12分52秒)”と言っています。
 深田萌絵さんは、“その愛人も、高級愛人クラブみたいなんで、ランクがあるんですよ。ランクごとに値段が違うんですよ。Sランクは10万でAランクは7万、Bランクは5万だけれども…(13分44秒)”というような話をしています。
 もっとも金を稼ぐ職種の人達は「品性下劣」だということで、二人の意見は一致していますが、ここでもう少し想像力を働かせると、世界の王族、貴族は更に「品性下劣」で、そのほとんどは「悪魔崇拝者」だということです。
 なぜ売春や麻薬、賭け事が禁じられているのか分かりますか? 私たちを守るためではなく、これらはものすごく儲かるからです。王族、貴族の独占事業なのです。
 愛人を作って別荘を買って豪華クルーズ世界一周をしても、こうした連中が「幸福」とは無関係であることは、彼らがドラッグに走ることから明らかでしょう。むしろ、昨日の記事で示したように、「幸福」からもっとも遠い所にいる愚か者です。
 そして、ほとんどの人たちがこうした愚か者をうらやみ、自分も出来れば彼らのようになりたいと望んでいるのです。私は、つくづくこの世界は狂気に満ちており、アホばかりだと思っています。
 “続きはこちらから”の動画をご覧ください。時間のない方はツイートをご覧になると要点が分かります。“容姿に恵まれた人は月並みな容姿の人に比べて、就職できるまでに要する期間が短く、昇進するのが早く、給料も3〜4%高い”ということです。
 お金と幸せの関係については「イースタリンの逆説」というものがあり、“ある時点までは収入の上昇に比例して幸福度は増加する。しかしある時点を超えると収入が上昇しても幸福度は上昇しない。むしろ幸福度が下がることすらある”というものです。
 “日本人がお金の心配をせずに幸せを感じながら過ごすなら年収700~800万円が目安”だということですが、これはとても納得できる説です。逆に言えば、普通に働いていれば誰もが年収700~800万円を得られる社会がまともな社会だということです。
 そうならないのは、一部の非常に強欲な人々が権力の頂点にいて、人々がその不公正さを受け入れているからです。
 そして、不公正さを受け入れている理由は、「富」や「権力」を手にすることが人生の目的だという誤った観念にとらわれていて、「幸福」を求めないからなのです。
(竹下雅敏)
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「身分社会『格差研究の始まり』」森永卓郎×深田萌絵 No.81
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