ぴょんぴょんの「ロス疑惑」 ~三浦和義は「才能を持つことは恐ろしい」の手本

 先週の「和歌山カレー事件」で、フリージャーナリストの片岡健氏は、「林眞須美さんを支援する会」を立ち上げた三浦和義氏がきっかけで、林眞須美さんの冤罪を信じたと言っていました。
 三浦和義氏と言えば、妻に対する保険金殺人で無期懲役になった後、晴れて逆転無罪を勝ち取りましたが、アメリカの捜査当局に逮捕され、ロサンゼルスの留置所で自殺しています。林眞須美さんの冤罪を訴えた三浦氏は、本当に無罪だったのでしょうか?
 三浦氏の人物像を探ります。
(ぴょんぴょん)
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ぴょんぴょんの「ロス疑惑」 ~三浦和義は「才能を持つことは恐ろしい」の手本

三浦和義の生い立ちと素行


林眞須美さんを応援していた三浦和義さん、どんな人だったの?

マスコミを信じた連中は「真っクロ」と言い、三浦に実際に会ったり、自分で調べる連中は「クロじゃない」と言う。

なんで、そんなに真っ二つに割れるんだろう?

三浦の生い立ちと素行を知れば、「真っクロ」だがな。

へええ、どんな生い立ちか知りたい。

家は金持ち。しかも、三浦の叔母は、元女優で映画プロデューサーの水の江瀧子だ。

だれ、それ?

「ジェスチャー」のターキーだよ、って言っても、おめえは知らねえだろな。小さい頃の三浦は、ターキーのコネで、石原裕次郎の子役として映画に出たこともあったらしい。

たしかに、芸能界向きの顔してるよね。

回りの俳優からもらったお年玉が、合わせて30〜40万円に達したという。今の300〜400万円に当たる。が、三浦自身は言っている。「うれしかったけど、大人を見くびることにはなったよね。どうしても歪むだろうね」。(Wikipedia

子どもにそんな大金を与えちゃダメだよ。

大人をなめるようになった三浦は、芸能界は引退したが、中学時代は荒れたようだ。何度も家出したり、数十万円を持ち出して大阪に行ったり。精神病院に入院させられたこともあるという。高校時代は生徒会長でありながら、授業をサボって、副会長の女子生徒と一泊旅行に出かけて停学処分になったり、強盗傷害事件、オートバイ泥棒、日本刃不法所持などで逮捕され、退学になったり、放火などの容疑で逮捕され、少年鑑別所に7年服役したり。Wikipedia

かなりのヤンチャぶりだねえ。

少年刑務所を出所した後は、職を点々としたが、1976年に雑貨輸入会社「フルハムロード」を設立し、 アメリカでアンティークドレス・家具を買い付けて、日本で販売する商売をやっていた。

三浦君、まともな社会人になれるのか、ヒヤヒヤするなあ。

とにかく女性関係はド派手。1人めの妻と結婚 ➡ 離婚 ➡ 2人めの妻と結婚 ➡(後に死体で発見された)Sさんと不倫・同棲 ➡ 2人めの妻と離婚 ➡ 3人めの妻(亡くなった一美さん)と結婚 ➡ (殴打事件の犯人とされる)Mさんと不倫 ➡ 銃撃事件(1981年)で一美さん死亡 ➡ 4人めの妻(Yさん)と結婚 ➡ 獄中離婚 ➡ 出所後 4人めの妻 (Yさん)と再婚。New See


ふつう、結婚したら落ち着くんだけどね。

一人でいられない、寂しがりやみたいだな。乱交パーティーでまっぱだかの写真が、写真週刊誌(1985年9月)に無修整で掲載されたこともある。(Wikipedia

うげ〜!


3つの事件に対する疑惑


さて、三浦和義が関わった犯罪は主に3つ。もっとも有名なのが銃撃事件だ。1981年11月18日、三浦は妻の一美さんとロサンゼルスをドライブしていた。りっぱなヤシの木の写真を撮るために、三浦は車を降りた。一緒に降りた一美さんが、頭を撃たれ倒れた。三浦も大腿部を撃たれた。(YouTube

奥さんは頭を撃たれているのに、三浦氏は足だけ? これ、推理小説ならゼッタイに「自作自演」を疑うね。

まったくだ。だが、三浦の弁護側は、実際は「自作自演」とは認められない撃たれ方だったと言う。三浦は足の付け根、すなわち陰部のすぐ近くに、ホローポイント弾という殺傷力の高い銃弾を受けていた。一歩間違えば、陰部が吹き飛んでいたかもしれない。(note

致命的になり得たってことだね。それでも、奥さんは頭直撃だし・・(ブツブツ)。

事件当時、「FOCUS」誌は「ロスの強盗に妻を植物人間にされた夫の闘い」と報じ、女性誌は「限りなき愛に生きる 眠り続ける妻よ!」という夫の手記を載せた。ところが、1982年11月、植物状態だった一美さんが息を引き取ると、「悲劇の夫」が一転する。

何があったの?

三浦は、保険会社3社から、合わせて1億5500万円の保険金を受け取ったんだよ。

うわあ!

さあ、文春砲をはじめとする他のマスコミも、こぞって「保険金目当ての殺人」と三浦を叩き、「ロス疑惑」報道合戦が始まった。Wikipedia

和歌山カレー事件を思い出す。

実は一美さん、この事件の2ヶ月前の8月31日にも事件に合っていた。三浦と一緒にロサンゼルスのホテルに滞在していた時、三浦が退室して一美さんが1人になった。その時、東洋系の女性が部屋を訪問した。「チャイナドレスの採寸をしたい」と言うので、部屋に招き入れると、女性は一美さんの頭をハンマーで殴って軽傷を負わせた。この時、一美さんは襲われたことを通報しなかった。三浦にするなと言われたから。New See


なんで、通報させなかったんだ?

おかしいだろ? しかも! 保険金殺人で三浦が叩かれている最中(1985年)、「一美さんをハンマーで殴ったのは私です」とマスコミに名乗り出た女性がいた。三浦の愛人だった元ポルノ女優Mだ。Mによると、「三浦和義からハンマーを渡され、一美さんを、何度も何度も殴れと命じられた」という。New See

ヤバい、ヤバい! 三浦氏ってやっぱヤバいよ!

まだある。さらにさかのぼって1979年、ロサンゼルス郊外でミイラ化した遺体が発見された。鑑定によって、三浦の会社「フルハムロード」の元取締役の女性Sさんだとわかった。Sさんは1977年から三浦と不倫関係だったが、1979年3月、夫との離婚が成立した直後から行方不明になっていた。出入国履歴によると、Sさんは1979年3月29日にアメリカに入国している。一方、三浦はその2日前の3月27日にロサンゼルスに入国して、4月6日に帰国していた。(New See

Sさんは行方不明になる前に、ゼッタイ三浦氏と会ってるね。

しかも、Sさんの遺体の発見後、元夫からSさんに振り込まれた慰謝料426万円を、三浦は引き出していた。New See)Sさんに貸していたカネを返してもらっただけ、と言い訳しているが。(Wikipedia

もう、なんか、確信してきたよ。色眼鏡をかけて見なくても、三浦氏はとっくに怪しい。

だがしかし、銃撃事件の裁判では、三浦の関与を立証できず、第一審は殺人の共謀として無期懲役が言い渡された(1994年)が、その後、逆転無罪となって(1998年)、三浦の無罪が確定している(2003年)。Wikipedia


う〜ん。なんで無罪にできたのかなあ。だって、おかしいことだらけじゃん。なんで、三浦氏はMさんに一美さんの頭を殴らせたのか。なんで、元取締役の女性は離婚後に亡くなったのか。最初にもどると、なんで一美さんは頭を撃たれたのに、三浦氏は足しか撃たれなかったのか?

だが三浦も、これら一連の事件によって、拘置所・刑務所に通算16年間も入っていたんだ。(Wikipedia) 十分お務めを果たしたと言っても、ええんじゃねえか?

殺人だよ。16年じゃ短すぎるよ。

足に銃弾をくらって、マスコミに大騒ぎされて、名誉も傷つけられて、16年も自由がないんだぞ。

たしかに、割に合わないね。

だが、三浦を冤罪と信じる片岡健氏は、「三浦=クロ」の偏見が強いことに不満を持っている。冤罪の理由は、検察が、三浦を有罪とする確たる証拠を何も示せなかったこと。また、三浦には妻を殺害してまで保険金を手にしなければならない動機が何もなかったこと。note

でも、ロスのホテルで一美さんの頭を殴打したMさんは、どう説明するの?

三浦の弁護側は、三浦の供述通り、あれは一美さんが転んだことによる怪我であって、犯行歴もない24歳のMさんに、ハンマーを振り上げて一美さんを殴打する力などないと主張している。

そうかなあ。お年寄りでもないのに、ホテルの部屋で、転んで怪我する方が難しいと思うけど。

また、銃撃犯と犯人の車を見た目撃者を、日本の法廷に出るよう手配したのに、ロス市警が圧力をかけてきて、「いま日本に行くと、三浦というのはマフィアだから、お前、生きて帰れないぞ」と脅されて、結局、日本に来られなかった。また、最初に銃撃現場にいた人も、日本に呼ばれる予定だったが、日本に来る前に心臓発作で亡くなった。

ええ?!もしかして、消された? それに、三浦氏はマフィア? ロスの留置所で三浦氏が亡くなったのも、内輪に殺されたことになるよ。何が正しいのか、全くわからなくなっちゃった。


流れてしまったKEI氏との対談


ではここで、拘置所で三浦とご一緒だった、KEI氏の三浦評を聞いてみよう。

HOMIE KEI 妻殺し ロス疑惑 三浦和義の真相

この人もなかなかの経歴だね。「中学時代にグレはじめ、暴走族を経てヤクザの道へと進む。ヤクザ時代に大成功を収めるも、ハワイでFBIの囮捜査にはめられ、ロサンゼルスを始め、サンフランシスコ、オレゴンなどの刑務所を転々とし、10年以上服役」?

こんなツワモノのKEI氏だが、東京拘置所で過ごした17ヶ月間、毎日、三浦と輪投げをやりながら、いろんな話をしたそうだ。


大の大人が二人そろって、輪投げ?!

二人は、20年後に偶然再会し、KEI氏と三浦の対談が決まったが、対談の3日前、三浦はコンビニの万引きで捕まって、対談は流れてしまった。

万引き? お金に困ってたの?

いやいや、それはない。長男が受け継いだ時点で、三浦の会社は資産5億を超えていたからな。(Wikipedia
ほんとは、自分のことをよく知るKEI氏と、対談したくなかったんじゃないか?だが、KEI氏はこう考える。「とにかくものすごい頭の良い人で、あんまり頭が良すぎて、その人の考えが読めない、ぐらい頭がいいんですね。だからたぶん、彼的には、あまりテレビに取り上げられなくなってきたし、このへんで一発なんか、目立つことをすれば、またテレビで取り上げられる。それで万引きしたんだと思うんですね。」(YouTube 3:55〜)

へえ? そんなことのために?


逮捕された三浦氏の自殺


だが、そんな三浦も2008年2月、サイパン旅行中にアメリカ捜査当局に逮捕された。


サイパンはアメリカだからねえ。

三浦がサイパンに行ったのは、昔の仲間から呼び出されたらしい。KEI氏「本人はやっぱ、本当に頭がいいんですよ。自分でも、俺より頭のいいのはいないって思うぐらい。自信過剰の人だったんですね。絶対、サイパンでパクられやしないっていうので、行ってたんですね。だけどその時はもう、ロサンゼルスの方で、情状証人に立つヤツが、彼にすごい近い人間、その事件のことも全部知ってる人間が、向こうで司法取引してて、お金をもらってるわけですよ。」(YouTube 4:38〜)

なるほど、その人は司法取引で、三浦氏をサイパンに呼び出して、逮捕に協力した。

三浦の弁護側は、日本の判決で無罪が決定しているんだから、再度の審理はできない「一事不再理」を根拠に、逮捕の無効を主張したが、ロサンゼルスの裁判所は、「殺人罪」については無効だが、日本にない「共謀罪」は有効ということで、三浦はサイパンからロサンゼルスに移送された。しかし、ロサンゼルスの留置所に入れられたその日、三浦はTシャツで首を吊って自殺した。

まさか! エプスタインみたいに、自殺に見せかけて殺された?

たしかに、警察は自殺と発表したが、三浦の弁護人は、遺体の検視では自殺ではなく他殺だったと主張した。当日は、監視カメラのメンテナンスにより、三浦の部屋だけ、記録が無かったと言う。

へえ!

また、その日に三浦と面会した日本領事は「自殺するそぶりは全く見せておらず、非常に驚いている」と言い、妻も「自殺するような人間ではない」と語っている。(New See

やっぱ、殺されたんだ。

実はこの逮捕、一美さん殺人の容疑じゃなくて、白骨死体で発見された、三浦の会社の元取締役Sさんの殺人容疑だった。アメリカの捜査当局は、Sさん殺人を三浦の単独犯行と断定し、死刑求刑が可能な、第1級殺人と窃盗容疑で再逮捕する予定だった。Wikipedia「自殺せずに裁判を受けていたら、三浦和義は高い確率で死刑判決が下っていただろう。」New See


やっぱ、自殺したんだ。

かつての拘置所仲間KEI氏は言う。「その時点でも、本人はすぐ日本に帰れるって自信を持ってたんですね。だけど、その情状証人に立つヤツが、すべてを知ってるヤツで、あまりにも近いのが、そこでわかったわけですよ。」また、留置場のおまわりさんからも、「どうせ刑務所行ったって、その日に殺されちまうぞ」「最低でも50年いくぞ」「下手したら終身刑だぞ」とか、脅されて。「逆に頭が良すぎて、いろいろ考えちゃうワケじゃないですか、こっから脱出するっていうのは、もう不可能だって自分で決断しちゃうワケです。それで、自殺しちゃったんだと思います。」(YouTube 8:50〜)

なるほどね。頭だけで考える人ならパニクるね。となると、やっぱ三浦氏はクロだったんだ? 白骨死体のSさんも、奥さんの一美さんも殺した? となると、無罪判決はまちがいだったことになるよ。


「才能を持つことは恐ろしい」の手本


ここで、東京拘置所の三浦と実際に会った、家田荘子氏の話を聞いてみよう。

三浦和義の真実

家田氏の三浦の印象は、「いくつもの顔を持っている」「よくしゃべる方」「頭の非常に良い方」と話している。YouTube 4:47 〜)

いくつもの顔って、どんな顔?

家田氏「弱いところもありますし、すごく緻密に計画立てて、頭働かせて行動される時もありますし、臆病なところもありますし。」共通して言えるのは、「頭は、ずば抜けていいです。」(YouTube 5:37〜)

KEIさんと同じこと言ってる。

家田氏「私、(面会室の)ボード越しに聞きましたね。『やったんですか?』(三浦は)『やりません』って言いましたね。」YouTube 7:14〜)

う〜ん?

だがなあ、「やったやらない」「自殺か他殺か」より、こいつは「才能を持つことは恐ろしい」の手本だな。

そうだね。容姿やスタイルも良くて、頭もずば抜けて良かった人が、幸せになれなくて、結局、自滅に追いこまれてしまったのが悲しいよ。


Writer

ぴょんぴょんDr.

ぴょんぴょん

1955年、大阪生まれ。うお座。
幼少期から学生時代を東京で過ごす。1979年東京女子医大卒業。
1985年、大分県別府市に移住。
1988年、別府市で、はくちょう会クリニックを開業。
以後26年半、主に漢方診療に携わった。
(クリニックは2014年11月末に閉院)
体癖7-3。エニアグラム4番(芸術家)


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