読者の方からの情報です。
石破茂首相が今年2月7日、米ワシントンでトランプ大統領と会談した際に、米国製の輸送機を購入したいとの考えを伝えていたという報道がありました。日本政府関係者によるリークでは「米空軍が運用する大型のC17輸送機が念頭にあるとみられる」とあり、続いて「C17輸送機は国内では使用できる滑走路が限られる上に、米国での製造は終了しており、購入する場合は中古品となる」と懸念を伝えています。防衛費増額を要求するトランプ大統領に対して石破首相が忖度して使えない輸送機を希望したと思わせる報道でした。ネット上のコメントも散々で「C17を購入するなら国産C2を増やせ」「現場に迷惑かけるタイプの軍事オタク」とまで言われていました。
ところがそこに、軍事に詳しい読者の方から「できれば取り上げてもらいたい」と多くの情報が届きました。石破首相を擁護するものではなく、あまりにも恣意的な嘘で防衛費が損なわれているという問題がありました。
令和5年から6年にかけて国会では、定評のある海外製兵器の導入を回避して、失敗作で世界で全く売れていない国産C2の購入を誘導している問題が度々取り上げられていました(安全保障委員会、財政金融委員会、外交防衛委員会連合審査会、外交防衛委員会)。C17と同じ単価のC2を比較すると積載量は半分以下、そのためC2に搭載する装甲車両の乗員用クーラーや機銃、装甲化を省くという「性能に問題がある車両を幾つも導入することになってしまった」などと恐ろしい質疑が行われていました。質疑に立った高良鉄美議員は「私はそもそも防衛力の強化や装備品輸出に反対する立場です。しかし、政府・与党の皆さんが言う防衛力の抜本的強化を仮に行うとしても、予算増、増税を行う前に防衛省の改革をきちんと行うべきではないでしょうか。」と指摘しています。
また、軍事ジャーナリストの清谷信一氏はこの記事でC2の欠点をこれでもかと解説されています。また、「他国の何倍も維持費が高い輸送機を漫然と調達、運用していいのか?仮にC-17を導入しなくても輸送機のポートフォリオの見直しは必至であり、C-2の早期退役という話もでてくる」と述べ、そもそも報道にあった日本の短い滑走路ではC17が使用できないというのが嘘で「短い距離での離着陸を想定した機体」「日本でも運用可能でしょう。」と反論しています。
この問題の根底には、防衛省・自衛隊の組織が抱える積年の闇があるようです。
ところがそこに、軍事に詳しい読者の方から「できれば取り上げてもらいたい」と多くの情報が届きました。石破首相を擁護するものではなく、あまりにも恣意的な嘘で防衛費が損なわれているという問題がありました。
令和5年から6年にかけて国会では、定評のある海外製兵器の導入を回避して、失敗作で世界で全く売れていない国産C2の購入を誘導している問題が度々取り上げられていました(安全保障委員会、財政金融委員会、外交防衛委員会連合審査会、外交防衛委員会)。C17と同じ単価のC2を比較すると積載量は半分以下、そのためC2に搭載する装甲車両の乗員用クーラーや機銃、装甲化を省くという「性能に問題がある車両を幾つも導入することになってしまった」などと恐ろしい質疑が行われていました。質疑に立った高良鉄美議員は「私はそもそも防衛力の強化や装備品輸出に反対する立場です。しかし、政府・与党の皆さんが言う防衛力の抜本的強化を仮に行うとしても、予算増、増税を行う前に防衛省の改革をきちんと行うべきではないでしょうか。」と指摘しています。
また、軍事ジャーナリストの清谷信一氏はこの記事でC2の欠点をこれでもかと解説されています。また、「他国の何倍も維持費が高い輸送機を漫然と調達、運用していいのか?仮にC-17を導入しなくても輸送機のポートフォリオの見直しは必至であり、C-2の早期退役という話もでてくる」と述べ、そもそも報道にあった日本の短い滑走路ではC17が使用できないというのが嘘で「短い距離での離着陸を想定した機体」「日本でも運用可能でしょう。」と反論しています。
この問題の根底には、防衛省・自衛隊の組織が抱える積年の闇があるようです。
注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
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石破首相、米輸送機購入に意欲 トランプ大統領に伝達
引用元)
JIJI.COM 25/2/27
石破茂首相が米ワシントンで7日にトランプ大統領と会談した際、米国製の輸送機を購入したいとの考えを伝えていたことが分かった。個別の機種名には言及しなかったが、米空軍が運用する大型のC17輸送機が念頭にあるとみられる。日本政府関係者が27日明らかにした。
(中略)
先の日米首脳会談では、トランプ氏が日本に防衛費の増額を要求してくるかが焦点となっていた。首相は米側を納得させる提案の一つとして米製装備品の調達拡大に言及したとみられる。
C17輸送機は物資や人員の輸送力向上が見込める一方、国内では使用できる滑走路が限られるなどの課題もある。米国での製造は終了しており、購入する場合は中古品となる。
(中略)
先の日米首脳会談では、トランプ氏が日本に防衛費の増額を要求してくるかが焦点となっていた。首相は米側を納得させる提案の一つとして米製装備品の調達拡大に言及したとみられる。
C17輸送機は物資や人員の輸送力向上が見込める一方、国内では使用できる滑走路が限られるなどの課題もある。米国での製造は終了しており、購入する場合は中古品となる。
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配信元)
C17導入、石破首相意欲も現場冷淡 米大型輸送機、運用に難(時事通信)#Yahooニュース
— むらく (@6Vec37bFGCqluFd) March 8, 2025
https://t.co/G7MjSZ4ejn
本当に信じられない。理解力なさすぎ。川崎C2で十分じゃん。
石破って防衛庁長官やってたよな…
— ノースフライト@日本 (@SkyintheSky2) March 8, 2025
C17なんて日本国内で運用できるわけないだろ…国内運用考えたうえでのC2なんだよ!
米国から防衛装備品買わなきゃいけないなら原潜一択だな https://t.co/sjUGOFoIBl
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石破首相がC-17導入とUS-2批判をする理由
引用元)
清谷信一公式ブログ 清谷防衛経済研究所 25/3/11
(前略)
つまりC-2は国内で平時の運用しか考えていない「お嬢様」輸送機です。まともな「専門家」であればこんな仕様はつくりません。
そして輸出しようと防衛省が意気込で売り込んだら、売り込み先から「不整地で運用できないよね?」と言われて、防衛省の「専門家」たちは慌てて不整地運用試験を始めました。試験してもそもそも仕様にないのですから、運用できるようになるわけがないでしょう。運用可能にするのであれば着陸装置含めて大規模な改修が必要でそれには巨額の費用がかかります。それを防衛省が出すのでしょうか。
(中略)
C-17の導入を検討し、それを公開するとなるとC-2に関する「不都合な真実」が暴かれることになります。その金食い虫のC-2で派生型2種類を調達しようとしているのはぼくから見れば犯罪的です。米空軍のようにビジネスジェットを使えばよほど安く上がりました。防衛予算を拡大してもこのようなムダ遣いで浪費されるなら防衛費を上げないほうがよろしい。
(以下略)
つまりC-2は国内で平時の運用しか考えていない「お嬢様」輸送機です。まともな「専門家」であればこんな仕様はつくりません。
そして輸出しようと防衛省が意気込で売り込んだら、売り込み先から「不整地で運用できないよね?」と言われて、防衛省の「専門家」たちは慌てて不整地運用試験を始めました。試験してもそもそも仕様にないのですから、運用できるようになるわけがないでしょう。運用可能にするのであれば着陸装置含めて大規模な改修が必要でそれには巨額の費用がかかります。それを防衛省が出すのでしょうか。
(中略)
C-17の導入を検討し、それを公開するとなるとC-2に関する「不都合な真実」が暴かれることになります。その金食い虫のC-2で派生型2種類を調達しようとしているのはぼくから見れば犯罪的です。米空軍のようにビジネスジェットを使えばよほど安く上がりました。防衛予算を拡大してもこのようなムダ遣いで浪費されるなら防衛費を上げないほうがよろしい。
(以下略)
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石破C-17発言のキモはC-17ではなく、欠陥機、C-2だ
引用元)
清谷信一公式ブログ 清谷防衛経済研究所 25/3/13
(前略)
他国の何倍も維持費が高い輸送機を漫然と調達、運用していいのか?仮にC-17を導入しなくても輸送機のポートフォリオの見直しは必至であり、C-2の早期退役という話もでてくるでしょう。そうなればそれはP-1やUS-2、国産ヘリなどの将来性がまったくなく、税金を食いつぶして「子供部屋おじさん兵器産業」を維持することが見直される、アリの一穴になり得ます。それは国益より自分たちの組織の利益や天下り権益を維持したい勢力にとって何よりも避けたいことでしょう。
(以下略)
他国の何倍も維持費が高い輸送機を漫然と調達、運用していいのか?仮にC-17を導入しなくても輸送機のポートフォリオの見直しは必至であり、C-2の早期退役という話もでてくるでしょう。そうなればそれはP-1やUS-2、国産ヘリなどの将来性がまったくなく、税金を食いつぶして「子供部屋おじさん兵器産業」を維持することが見直される、アリの一穴になり得ます。それは国益より自分たちの組織の利益や天下り権益を維持したい勢力にとって何よりも避けたいことでしょう。
(以下略)
報道も一般の意見も軍事的知識に乏しい印象です。
国防よりも前例踏襲と組織の権益維持拡大が優先の組織では、国防に意欲をもつ人から辞めていく傾向にあります。