[櫻井ジャーナル]ドル離れを公言していた仏石油大手のCEOが訪問先のロシアで飛行機事故にあって死亡、疑惑の目も

竹下雅敏氏からの情報です。
 暗殺されたと思われるクリストフ・ド・マルジェリ氏は、“ドル離れ発言”をしていたとのこと。そのため“ロシアとの関係を深め、アメリカから自立しようとしていた”とのこと。これなら裏切り者として殺された理由がよくわかります。しかし“ド・マルジェリ会長の死で、トタルの経営方針が変わる可能性はない、つまりドル離れを進めるということ”らしく、確かにフルフォード情報の通り、フランスはBRICSに加わるようです。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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ドル離れを公言していた仏石油大手のCEOが訪問先のロシアで飛行機事故にあって死亡、疑惑の目も
転載元より抜粋)
フランスの大手石油会社、トタルのクリストフ・ド・マルジェリ会長兼CEO(最高経営責任者)が10月20日の深夜近く、モスクワ・ブヌコボ空港で事故のために死亡したと報道されている。離陸のために加速していたド・マルジェリを乗せたダッソー社製ファルコン型ビジネス機が滑走路上で除雪車と激突したのだという。ド・マルジェリはロシア政府主催の会合に出席するため、同国を訪問していた。

この事故を聞き、7月にド・マルジェリ会長が語ったことを思い出した人もいるに違いない。フランスの金融機関、BNPパリバの問題を受け、石油取引をドルで決済する必要はなく、ユーロの役割を高めれば良いと主張していたのだ。この問題でBNPはアメリカに対して89億ドルを支払うことで合意しているが、この「制裁」はフランスがロシアへ接近したことに対するものだ。

BNPの幹部はアメリカの脅しに屈したわけだが、それに反発したフランスの財界人もいた。そのひとりがド・マルジェリ会長で、ドル離れ発言につながっている。この提案はロシアや中国をはじめとする国々が進める脱ドル政策とも合致している。そう語っていた人物がロシアを訪問、その帰りに事故死したわけで、そこに人為的な要素を感じる人がいても不思議ではない。

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仏石油大手会長の死は事故だった可能性が高いようだが、米国の関心事は仏露関係の行方だろう
転載元)
 フランスの大手石油会社、トタルのクリストフ・ド・マルジェリ会長兼CEO(最高経営責任者)を乗せたダッソー社製ファルコン型ビジネス機と激突した除雪車の運転手は酒を飲んでいたとロシア連邦捜査委員会のウラジーミル・マルキン報道官は語っているようだが、運転手側の弁護士はこの主張を否定している。

 現段階で考えられている原因はパイロットの操縦ミス、配車係のミス、運転士のミス、天候不良。航空機が離陸するときに除雪車が滑走路にいることは通常、ありえない話で、パイロット、配車係、運転手のミスだとしても、それに管制官が気づかなかった理由も徹底的に調べる必要がある。勿論、「ミス」のように見えても「故意」だった可能性はあるが、何らかの破壊工作を疑わせる事実は出てきていないようだ。

 1992年に作成されたウォルフォウィッツ・ドクトリンはアメリカ(ネオコン)の世界制覇プランで、軍事力を前面にだいしているのだが、その一方で政治経済の仕組みを変えて巨大資本を国の上にしようとしている。ソ連崩壊後のロシアで政府の腐敗勢力と手を組んだグループが国有財産を不公正な手段で入手、大富豪(オリガルヒ)として政治をも動かすようになったのと似ている。

 アメリカの巨大資本が築こうとしている支配システムの中心にはTPP(環太平洋連携協定)や環大西洋貿易投資協定(TTIP)がある。アメリカはTTIPでEUを支配しようとしている。「ロシアへの制裁」で最もダメージを受けるのはEUだと指摘されているが、この制裁でアメリカはEUを弱体化して支配しやすい環境を作ろうとしているのだろう。EUのエリートはそうしたアメリカ支配層の策略に手を貸している。

 そうした中、ド・マルジェリ会長はロシアとの関係を深め、アメリカから自立しようとしていた。
現在、ドイツでもアメリカ追随政策に対する反発は強まっている。ドイツの有力メディアが形振り構わずアメリカのプロパガンダを展開している一因はその辺にあるのだろうが、ここにきてメディアの内部からも告発の声が出ている。

 ド・マルジェリ会長の死でトタルの経営方針が変わる可能性はない、つまりドル離れを進めるということのようで、それが事実ならアメリカ支配層にとって嫌な展開が続くことになる。すでにロシアと中国はドル支配からの脱却を図り、BRICSの他の国々、つまりブラジル、インド、南アフリカも後を追うことになる。そこにフランスが加わる意味は大きい。

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