[The Voice of Russia]ウクライナ軍人、義勇軍と結束し、キエフ侵攻を遂げるまであとわずか?

竹下雅敏氏からの情報です。
 ものすごい記事だと思います。敵軍の司令官同士がスカイプで会話。基本的な認識は一致した模様です。
 記事を読むと、ウクライナ軍の将校らは、“義勇軍の司令官らに指令を出しているのは、ロシア側の軍事顧問だと思い込んでいる”とのこと。キエフ当局のプロパガンダに洗脳されて、本当のことを知らされていないのだから無理もありません。私のように半日パソコンの前に座って情報を収集している立場ではなく、現場で戦闘行為に携わっている人たちなのです。その彼らが上層部から間違った情報を与えられれば、正しい認識を得られるはずがありません。
 この記事は、人々がどのようにして戦争に巻き込まれるのか、そして最前線で戦っている人たちのほとんどの者が、実は和平を望んでいるということを教えてくれます。
 私たちはこうしたことをよく理解して、今現在私たちを騙そうとしている権力者の策略を見破らなければなりません。それは、自分で情報を集めるしかないのです。本当の情報は大手メディアからは流れません。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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ウクライナ軍人、義勇軍と結束し、キエフ侵攻を遂げるまであとわずか?
転載元より抜粋)
 

ロシア語のインターネット上にスカイプでの会話録音が登場した。会話の主はウクライナ東部ルガンスクの義勇軍部隊「プリズラク」(幽霊、幻)のアレクセイ・モズゴヴォイ司令官と、それに対抗し、反テロ作戦ゾーンで戦うウクライナ軍部隊の司令官たち。この会話から受ける第一印象は、ウクライナ軍の軍人らは、誰とも何のためにも戦う必要はないことを理解し始めているということだ。

モズゴヴォイ司令官の会話の相手となったのは、ウクライナ軍部隊の3人の司令官、カミーリ・ヴァレトフ、アレクセイ・ツィプコ、ウラジーミル・シロフ。ヴァレトフとツィプコの2人はソ連時代、中堅の将校でアフガニスタンの作戦にも参加している。シロフはウクライナのラグビーの上級監督。そして3人ともがウクライナ南・東部の出身者だ。

  会話では互いに興味をもって話し合う様子が伺えた。しかもその言語はロシア語だった。

会話はいくつかの非常に興味深い事を明らかにした。たとえば、全員が戦争に疲れていること。特に、9月から手痛い敗戦続きのウクライナ人兵士がそうだ。シロフ司令官は、戦争はもう止める潮時だ、なぜならこれによって両方の側でスラブ人であるウクライナ人は死んでいるからだと語る。だからこそ、ウクライナ側の司令官が義勇軍のモズゴヴォイ司令官に尋ねた一番の問いは、和平は可能だろうか? どんな条件であればそれが達成できるだろうかというものだったのだ。それに対するモズゴヴォイの返答はシロフの考えを深めた。「戦いあう双方の軍隊にいるのは普通の人たちだ。この普通の人たちがオリガルヒ(新興財閥)によって『自分の庭の円形闘技場(コロッセオ)』で使われているのだ。」これにシロフは付け加えている。戦争は「ならず者の一団によって利用されている。この性悪どもは今まで一緒に暮らし、一緒に同じ祝いの席を囲んでいた人々を分け隔てたのだ」と。


  こうした声明からウクライナでの内戦は誰にも必要がなく、もう止めねばならないという帰結を出すには、もう一歩だという感じがするのだが、ここで急に別のことが明白になる。ウクライナ軍の将校らは、南・東部の義勇軍の背後にはロシアがいると思い込んでいるのだ。ロシアはウクライナ領を強奪しようとしている。だからウクライナ人には独立を守るために団結する以外、他の道は残されていないという。ウクライナ人将校らはモズゴヴォイ他、義勇軍の司令官らに指令を出しているのはロシア側の軍事顧問だと思い込んでいる。だから、南・東部で市民が独立とロシアとの連合に支持を示した住民投票も、自由公平なものではなかったか、あるいは偽造されたものだったというわけだ。
 
  プロの政治学者であれば、キエフ当局のプロパガンダによってウクライナ人の頭に刻み込まれたイデオロギーの押印をより優美な形で打ち砕くことができただろう。だが政治学者の言葉を、もう若くはないウクライナ人司令官らは信じなかったかもしれない。モズゴヴォイは論拠においては明確さを欠いたが、それでも彼の言葉には相手は耳を傾けた。なぜかといえば、それはまさにウクライナ軍人らはモズゴヴォイの中に、鏡に映った自分の姿を見たからだった。これについてはモズゴヴォイ自身も同じことを語っている。

  義勇軍のモズゴヴォイ司令官が、ほんの数週間前、戦火を交えた相手に理解を勝ち得た一番の考えとは何だったのだろうか。それはウクライナ軍、ウクライナ人民の敵は、義勇兵ではないということ。義勇兵はキエフのプロパガンダにも関わらず、ウクライナの分裂など全く志向していない。ウクライナ人民の敵は、今のキエフ政権だということ。だから義勇軍もウクライナ軍も力を結束させ、この国に新たな、より清潔で公正な政権を樹立せねばならないということだ。最も興味深いのは、このモズゴヴォイの呼びかけにウウクライナ軍人からは反対の声が挙げられなかったということだろう。ウクライナ軍人側はモズゴヴォイの言ったことを熟慮し、ふたたび話し合いたいと意向を表した。もしウクライナ軍人らが考え始めるべきだと理解したならば、これはすでに良い兆しだ。

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