里山Ubuntu通信:2日目 「他者への思いやり」という名のOSを始めよう

 いつもご愛読ありがとうございます。“里山Ubuntu通信”、今回よりパソコンに大変詳しいHaruさんにライターをお願いしまして、Ubuntuについての解説や導入方法などをご紹介してまいります。
(スタッフ・白井薫)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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「他者への思いやり」という名のOSを始めよう
「(マイクロソフト)Windows」は正式には「マイクロソフトWindowsオペレーティングシステム(OS)」と呼びます。OSとは何かということから話を始めたいと思います。

読者の方々には、Excelで家計簿を書いたり、Wordで手紙を書いたりしている方が多いかもしれません。ExcelやWordは、アプリケーションと呼ばれるソフトウェアで、ご存じInternet Explorerもアプリケーションのひとつです。一方、OS(「オーエス」、オペレーティングシステム)は、アプリケーションが動作するための環境を提供するソフトウェアであり、アプリケーションにとって土台のようなものです

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俗に言う「Windowsパソコン」とは、Windowsという土台が導入されているパソコンです。世界で多く使われているOSは、なんと言ってもマイクロソフト社のWindowsです。Windows以外では、アップル社が開発したOSX(「オーエステン」)が有名です。アプリケーションは実行されるOSごとに作られており、それ以外では動作しません。Windows用のアプリケーションは、Windowsという土台の上でしか動作しませんし、OSX用のアプリケーションはアップル社のパソコンでしか動作しません。

Windowsはマイクロソフト社が、OSXはアップル社がそれぞれ開発した有償の製品ですが、現在世界中で急速にシェアを増やしている無償のOSがあります。1991年、フィンランドの学生だったリーナス・トーバルズが書いたLinux(「リナックス」)です。リーナスが自作のプログラムをネットワーク上に公開、意見を求めたことがきっかけとなり、世界中の不特定多数の協力者達(コミュニティ)が始まり、進化を続けています。
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Linuxの開発者リーナス・トーパルズ氏
(出典:By Alex Dawson CC BY-SA 2.0)


「へー、そうなんだ」と思いながら読まれているあなたも、きっと知らないうちにLinuxを使っています。実は、デジタルテレビやビデオカメラなどの家電には多くLinuxが用いられています(「組み込み家電」と呼ばれます)。「本当かな?」と思ったら、テレビの説明書を開いてみてください(Linuxを搭載した製品は、利用者がプログラムを入手するための情報を提供することが義務づけられています)。

最初はひとつだったLinuxは、今や無数の派生バリエーションが存在します。Ubuntu(「ウブンツ」「ウブントゥ」)はその一つで、これはアフリカの単語で「他者への思いやり」や「皆があっての私」という意味を持ちます。一見、UFOのように見えるロゴは、人が手を取り合った「友達の輪」です。

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Linuxのバリエーションの一つ「Ubuntu」のロゴ(出典)


Windowsはマイクロソフト社が開発しています。Windowsのプログラム(「ソースコード」と呼ばれます)は、マイクロソフトの社内で管理されており、関係者以外はそれを読むことはできません。製品として出荷されたものを利用するだけです。一方、Linuxはプログラムがネットワーク上で共有されています。インターネットを利用する環境があれば誰でも(無償で)読むことができますし、プログラミングを勉強すれば機能を追加したりすることも可能です。こうしたプログラムを「オープンソース」と呼びます。Linuxはその代表と言って良いでしょう。

ご縁により、里山Ubuntu推進計画(脱Windows?)のお手伝いをさせていただくにことになり、久しぶりにUbuntuをインストールして試してみました。昔のLinuxはインストールというと呪文のようなコマンドを実行しなければならず、日本語表示や日本語入力の設定は難解、使えるアプリケーションは少数、でした。それがインストールは今やWindowsと同等の容易さ、日本語読み書き当たり前、ブラウザはもちろんオフィス互換ソフト(WordやExcelのデータを読み書きできるソフト。無償です)は豊富。動作も軽快で、個人利用であればWindowsにまったく遜色ないレベルに到達していることを実感しました。

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親切なインストール画面など、以前から格段に進化したLinux


そんなクールなUbuntuですが、残念ながらUbuntuが導入されたパソコンは、家電量販店では売られていません。だから、自分でインストールする必要があります。インストールには、Windowsの土台を更地にしてから行う方法(当然Windowsは使えなくなります)、Windowsの区画を狭くして新たに区画を追加して行う方法(パソコン起動時にどちらを使うか選択します)、Windowsの区画はそのままにテントのようにUbuntuの領域を作る方法、さらにはWindows環境はそのままでインストールしないで「体験」してみる、など多くの選択肢があります。

冒頭、OSは土台のようなものだと書きました。家造りで土台と言えば「基礎」ですが、皆さんは基礎に何を求めますか?私の場合は、「永く家とそこに住む家族を支える」、それ以外ありません。「無償だから、上(環境)はそのままで良いから」といって替えるものでは本来ありません。ましてや、施主の許可なく勝手に施工するなど言語道断です。

この連載では、パソコンに詳しくない方でも理解できるよう、情報を提供し、皆様のUbuntu化(住み替え)を支援させていただきたいと思っています。どうぞおつきあいください。

(Haru)

著者:Haru(ペンペン先生)

1962年、北海道生まれ。うお座。
1985年、北海道大学工学部卒業、IT系企業に入社。
2003年、業務テーマとしてLinuxに取り組む。
2015年、関東地区交流会参加をきっかけに上映会スタッフに参加。
横浜市在住

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