アメリカのシリア分割作戦、ダーイシュ援助打ち切りに対するトルコへの脅迫

竹下雅敏氏からの情報です。
 記事を下から見ていただくとよくわかります。フルフォード氏はユーフラテス川の東側をアメリカが、西側をロシアが支配するという合意が出来ていると言っていました。シリアをユーフラテス川で分割した東側の三日月地帯を、どうも米国はクルド人に統治させ、シリアを分割する作戦に出たようです。こうした政策に対し、ロシアとトルコは猛反発というのが、知足的隠遁者さんのツイートです。
 クルド人組織をテロリスト集団とみなしているトルコのエルドアン大統領は、このようなアメリカの政策を認めるはずがありません。スプートニクの記事では、エルドアン大統領が、“シリア北部に新しい国家が作られることを許さない”と言っています。万一シリア国家がここに出来れば、いずれトルコは分割されてしまいます。それだけは絶対にあってはならないというのが、エルドアン大統領の思いです。
 ロシアとトルコはシリアを分割しないこと、クルド人国家を作らないといった事で合意をしたのではないかと思います。その代わり、トルコはダーイシュ(IS)を援助するのをやめるということでしょうか。ダーイシュにすれば、これまで一緒にやってきたエルドアンに裏切られた形になります。そこで、ダーイシュはトルコを脅迫、ダーイシュはトルコの各都市を破壊すると言っています。
 “続きはこちらから”以降は、こうしたアメリカの思惑を解説しています。アサド政権打倒が現実的でなくなったため、アメリカはシリア東部の三日月地帯に傀儡政権を作り、これにより“カタールから、トルコを経由し、ヨーロッパに至る天然ガス・パイプライン用の敷地を確保する ”わけです。イラク北部のモスルから脱出したテロリストたちがここに集まってきているのも、こういう意味です。
 ただ、こうした思惑もトランプ氏が大統領になれば、頓挫しそうです。トランプ氏はロシアと協調してテロリストを殲滅する意向だからです。それゆえテロリストを支援している連中は、トランプ氏が大統領になるのを何としても防ぎたいわけです。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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ISIS、トルコを脅迫
転載元)

テロ組織ISISが、爆弾テロや破壊活動を行うとして、トルコを脅迫しました。

レバノンのアルマヤーディンテレビによりますと、ISISのトルコ人メンバーは動画の中で、トルコを脅迫し、トルコのエルドアン大統領は反イスラム教徒的な行動により、罰を受けるべきだとしました。

この動画では、ISISによりトルコの各都市が破壊されると強調されています。

ISISは22日木曜、シリアで捕虜としたトルコ軍兵士2人に火をつける動画を公開しました。

エルドアン大統領は23日金曜、ISISに対する徹底的な報復を強調しました。

トルコの治安部隊も23日、イスタンブールでISISのメンバー31人を逮捕したと発表しました。
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トルコ大統領 シリア北部に新たな国家づくりを許さないことを約束
転載元)
トルコのエルドアン大統領は、シリア国内に何らかの自治区を作ることに反対する姿勢を改めて明らかにした。土曜日、アナドル通信が伝えた。

エルドアン大統領は、イスタンブールで開かれた対外経済関係評議会会議で発言し「トルコは、シリア北部に新しい国家が作られることを許さないだろう」と述べた。

トルコは、シリア北部で軍事作戦を展開しているが、その目的は、イスラム過激派戦闘員らから国境地区を解放するためだとしている。しかし現地の観測筋は「トルコの行動は、トルコ国内でテロリストとされている武装したクルド人義勇兵にも向けられたものだ」と指摘している。
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配信元)

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シリア終盤: 政府、アレッポを解放 - 報復で(?) ISIS、パルミラを奪還
2016年12月12日
The Moon of Alabama
(前略)
トルコのサルタン志望者エルドアンが、占領して、彼の新オスマン帝国に組み込みたがっていたシリアの経済上の首都奪還は、シリア政府がこの戦争で実現した最大の勝利だ。奪還されたアレッポ内と周辺の地域は全体で約18,000平方キロ、カタールや、レバノンの国丸ごとより広い。

シリアと同盟国、ロシア、イランとレバノンの間で、ここから先、どう進めるかという議論が行われた。アルカイダが占領しているイドリブ大半ISISによって占領されている東シリアではなく、西に優先順を置くことに決定された。

(中略)...

そこで、トルコと暗黙の取り引きとなったのだ。トルコは、アレッポの東、アルバブをとり、そこからラッカに向かって行進することを認められる。それと引き替えに、イドリブ内と西周辺のアルカイダと同盟部隊への支援は控えるのだ。これらの勢力は、アメリカ、サウジアラビア、カタール他から秘密裏の支援を得ているはずだ。どちらかというと信頼しがたいエルドアンが約束を守り続けるかどうかは、いささか疑わしいが、そのリスクがとられたのだ。

西部に優先順序を設定する基本的なリスクは、シリア東部のアメリカ占領を悪化させることだ。アメリカは、追加の200人の特殊部隊兵をそこに配備したばかりで、(中略)... これは、東シリアと、西イラクに、ISISというレッテル無しで"サラフィー国"を建設しているように見える。湾岸諸国とシオニスト・ロビイストは、上部メソポタミアの占領戦略を主張している。アメリカ/サウジアラビアが支配する代理組織が、イランから、イラクとシリア、更にレバノンに至る"シーア派の三日月地帯" を分断し、計画されているカタールから、トルコを経由し、ヨーロッパに至る天然ガス・パイプライン用の敷地を確保するのだ。

ロシアとシリアは、トランプ政権が、そのような帝国主義のたわごとを放棄するかも知れないと期待している。

(中略)...

2016.12.25-1922-90384
Fabrice Balancheによる地図 - 2016年11月の状態 -パルミラは地図下部中央左 地図拡大
(以下略)

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