れいわ新選組「山本太郎おしゃべり会」全国ツアー 9/19稚内での意見交換 〜 種子法廃止、衝撃的な医療・福祉の状況、核のゴミ問題、現場からの訴え

竹下雅敏氏からの情報です。
 れいわ新選組の全国ツアー「山本太郎とおしゃべり会」が北海道から始まりました。各地で代表自らポスター貼りに走り、その後、集まった人達との対話でれいわ新選組の政策を訴えます。行く先々で住民からの質問は異なるので、山本代表も異なる角度からのおしゃべりになります。しかし、おしゃべりの核心部分は最も緊急性のある消費税、貧困問題に行きつくようです。
 19日、稚内で行われたおしゃべり会の動画の中から、時事ブログ的には3つのテーマに注目しました。
 まず、会場から種子法廃止についての質問があり、それに対する山本代表の説明がありました。この問題の核心は、国民の財産を大企業、グローバル企業に切り売りしてきたことだと説明し、国民の財産や権利を取り戻すためには、国会内でのパワーバランスを変えることが絶対必要だと訴えました。
 次に、介護離職した方の衝撃的な訴えがありました。冷静に淡々と語られる深刻な内容に、山本代表は「今、すぐに自分ができることは残念ながら無い」と言いながら、しかし質問者のように困難な全国の方が手厚く尊重されるためには豊かな財政が必要、そのための政策を説明しました。
 さらに幌延町という核のゴミを押し付けられる町から来た方の質問がありました。山本代表はよく準備されていたらしく、質問者の意図を的確に受け止め、核のゴミを地下深く埋めることの危険性と自身の代替案を解説しました。もちろんこれは多くの議論によって検討されるべきとして、十分な基礎研究予算の必要性も質問者に賛成していました。
 総じて質問する方々の意見は丁寧で冷静で、そして真剣でした。山本代表のこれまでの主張を聞いていると、投げかける意見も自然に本質的なものになるのかしらと、両者への尊敬の気持ちが湧いて来ました。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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山本太郎(れいわ新選組代表)おしゃべり会 北海道稚内 190919
配信元)


【種子法廃止について】15:40〜(山本代表)
 種子法廃止によって、日本は自国の種子を安定生産、安定供給できなくなり、やがて「自家採種」まで禁じられ、外国の種子メジャーから人体に危険な種子を買うことしかできなくなる
これに抵抗する術はあるのか? ある、「各都道府県が種子法に代わる条例を制定する」という方法で、国が乱暴をしても地元が抵抗する形だ。また野党6会派が「種子法復活法案」を提出した。しかしこの法案が審議され種子法が復活するはずはない。当たり前の話で、与党の数が圧倒的だから。
 一事が万事この調子で、国の財産を大企業、グローバル企業に切り売りをしてきた、その一つが種子法廃止だ。TPP、FTA、水道、国営だった鉄道も然り。JR東海一人勝ちの莫大な利益を北海道にバランスよく配分すれば、北海道でこれほどの廃線はなかったはず。全国どこに住んでいても国民の最低限の移動する権利を守るべきだった。
 これには国会内のパワーバランスを変えるしかない。政権を取って国民の権利を取り戻すしかない。これまでのしがらみで自民党を支持していたとしても、今一度ぶっ壊されたものを作り直すためには、次の衆議院選挙で、そのための投票行動が必要だ。れいわ新選組の公約の6番目「トンデモ法の一括見直し、廃止」は種子法廃止や水道法などの見直しも含まれる。



【介護認定、医療の劣化】33:00〜(質問者)
 配偶者の父親の介護、さらに大病の配偶者の両方の介護のため離職した
父親の介護度について、東京や札幌であれば当然介護度が上がるはずの状況だが、何度申請しても羽幌町では要介護2にしかならない。羽幌町の財政の問題だとは思うが、羽幌道立病院では「要介護度を上げないようにしよう」という方針だ。
 また、道立羽幌病院は救急指定の総合病院だが内科医しかおらず、外科医、整形外科医、麻酔科医も居ない。配偶者が痛みを訴えて受診した時も痛み止めだけを処方されて帰された。その後悪化し、留萌市立病院の夜間救急に駆け込み、卵巣腫瘍が確認され、結果的に札幌医大で手術となった。東京から移り住んだ身としては、あまりにも羽幌の介護や医療が雑に扱われていてびっくりした。あまりの酷さに頭にきて道庁の道立病院推進室という部署にクレームを入れた。すると、羽幌病院に上からお叱りが来たらしく、その後、病院は改善するということにはならず、役場で私のことを調べたらしく、役場からいきなり私の職場に電話が来た。羽幌町で商売をしている会社にしてみれば圧力となる。社長から「言いたいことは分かるが、この町で生きていくのならば口を噤んでくれ」と言われた。これが現状だ。介護にしても役場の福祉に訴えても、介護法を盾にして必要なサービスを受けられない。今の日本の法律は福祉や介護について全く情がない。このまま安倍政権に頼っていたら未来がない

39:00〜(山本代表)
 かなり衝撃的な話だった。これは高齢者に対してだけではなく、これから生まれてくる世代にも手薄になっている。北海道新聞の報道では、産婦人科医が居らず道内の病院83%が分娩できない状況。圧倒的に医師が足りない。
今の羽幌のお話は、言い方は悪いが「コスト」としてしか見ていないという問題だ。いかに絞れるかしか考えてない。地方財政には上限がある。諸悪の根源は「役場」?私は国からの財政が少ないということだと思う。
どうすれば良いか?また同じところに行き着くが、20年以上のデフレの中で世の中に回るお金がどんどん減っている。その中でやれることは国がお金を出すこと。多くの人が貧困に陥る中、大胆な措置をしなければならない。方法は2つ、税で分配するか、新規国債の発行か。この2本立てでも良い。政府の借金は人々の資産になりうる。今はコストカットする時期ではない。投資を出していくべき時期。介護離職は今後増えていく予測がある。これまでの政治は「自助」を進めているが、これは大きな間違い。行政がやるべきことをやっていない。羽幌町が十分な医療費をかけることができるほどの国からの交付金が必要だ。何度も訴えてきたが、この7年間、消費増税分は社会保障に使われてこなかった。それどころか社会保障費は4兆円以上削って来た。これだけ貧困が蔓延した厳しい状況を一刻も早く抜けられるようにしなければいけない。
 今私がすぐにできることは無い。申し訳ないけれども。でも、私が目指しているのは「個人として尊重される社会だ(憲法13条)。

【幌延町の深地層研究センター】1:09:30〜(質問者)
幌延町から来た。ご存知かもしれないが幌延には「深地層研究センター」というものがある。いわゆる高レベル放射性廃棄物の地層処分技術を研究する施設。本当は今年で20年目、これで終了するはずが、原子力機構はさらに8年延長、今後無期限に研究期間を伸ばそうとしている

1:10:42〜(山本代表)
 核のゴミ問題。これは特に原発推進派が真剣に考えるべきことだが、残念ながら真剣に考えていない。
ドイツの最終処分場が白紙撤回された。地下に埋める際には水と触れてはいけない。私は地層処分は反対だ。水の問題、地震の問題、内部のモニタリングができないので無責任になりかねない。人目の少ない過疎の町が最終処分場に狙われるのもそのためだろう。
幌延町がもう20年延長となった、そのうちには反対派が居なくなるという時間稼ぎの狙いがあるかもしれない。これまでの公害問題もそうだった。町議8人全員が20年延長の賛成派になり、徐々に世代交代を経て容認していくフェーズに入った。
私は地層処分は危険で反対だ。現時点では地上で管理するしかない
原子力の基礎研究への予算が少ないことも含め、政府は全ての分野において蛇口を絞ってお金を出していない。日本の場合は、核のゴミ、廃炉の研究、収束していない事故原発この3つを研究する必要がある

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