*まるっと◎なんくるないさぁ~* あい∞ん在宅看取り介護9

 あい∞んさんのお見送りの時。
誰にとっても突然です。けれども、あい∞んさんのお話を伺っていると
介護されるお父様は静かに何かを感じておられたような気がしました。
(まのじ)
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あい∞ん在宅看取り介護9

Q.4月の終わり頃は、あい∞んさんもお父様も、最期の時を意識されていたのですね。

その頃は、生ハチミツやお水をちょこちょこ飲むくらいの食事になっていました。「お水飲む?」「飲み込める?」「最後まで飲み込んで」と声かけに気をつけていました。返事が無い時は、意識が無い時なので飲ませたら危険だそうです。


父のベッドに折り畳んだ柔らかい座布団を差し込んで、父の身体さんになるべく圧迫がないよう工夫をしていました。

髭剃りをしたり、顔と体の前面にホットタオルを当てたり。便の漏れ対策に夜用パットを脇に当てておいて浴衣を被せるなど、介護のコツはある程度つかめていましたが、ベッドの高さが中途半端なために、私の腰にひどく負担がかかっていました。また重心を掛けていた右足が少し不調をきたしました。介護する人に負担をかけない、安全な身体の使い方のコツを知っておくことは非常に大切かも!と感じました。

高さに合わせて重心低く(整体ノ先生直伝ヨリ)



Q.その頃、あい∞んさんご自身はどうでしたか。特に大変だったことなど。

自分の睡眠不足が、しんどかったです。父は水分を一度に沢山飲めないので、夜中も目覚ましをかけて起きて、父に飲ませていました。熱が出て喉の渇きが強い時などは、30分おきに少しずつ飲ませたりして私は眠れませんでした。

介護も後半になると、蓄積された睡眠不足と疲労が溜まってイライラしてしまって。父には口腔スポンジを使って水分補給していたのですが、母に交代してもらって「こうして水分補給してあげてね」と何度教えても、母は自己流に適当にやってしまうので(しているように見えるので)、「それだとちゃんと飲めてなくて、お父さんの喉が渇いて辛いやろー!!」と、母にイライラ当たったり。

 お願いしたことをちゃんとしてくれなくて安心して任せられない
   ↓
 安心して良く眠れない
   ↓
 イライラする~!

そのことが大変で辛かったです。。。。

「任せたら手放す」

この切り替えが上手に出来ていたら、不必要にイライラしなくて済んだなぁ…と今は思います。

まるっっと全託。心軽やか~♪


5月1日(7週目くらい)
令和元年になりました!父に今日から「令和」になるよ、と伝えたら「ほぅ…」と。「昭和、平成、令和、3世代目を迎えられて良かったね」と言ったら、頷いていました!

この日は「お水が要らない」と言うので、よく見ると、喉の奥の痰が詰まっていました。水に湿らせた口腔スポンジで絡めとってあげたら、お水が飲める様になりました。この後、定期的に痰を取ることにしました。

11時過ぎ
お腹が鳴っていたので「お腹が空いてるん?何か食べたい?」と訊くと、お腹が空いてるから甘酒が良いとのリクエスト。粒が無くて、水分がさらさらしている甘酒をお湯のみ4分の1ほども飲めました。午後も甘酒が良いとのことで同量くらい甘酒が飲めた!晩は生蜂蜜水でした。

5月2日
首にホットタオルを当てて温めながら全身の着替えを。足首持って、ゆらゆらと左右に揺らしてマッサージ。この頃は着る服やシーツのシワも圧迫の原因になっていたので、シワをピッチリ伸ばすことに注意しました。着替えをしていると、痩せた父の身体の皮がたるんで見えました。お腹を押した時の皮膚の感触、弾力が違っていることに気づきました。

5月5日
訪問入浴の日でした。
お風呂から上がって、お尻の癌の患部のところから出血がありました。前回の入浴では、お風呂上がりに肌が乾燥して痒くなったため、今回は特にお願いをして、いつも洗いに使っている肌に優しい泡ベビー石鹸に替えていただきました。お湯の温度をちょっと上げていただいたので、本人はとっても気持ち良さそうでしたが…、やはり湯上り後からが肌が痒くて痒くて、可哀想なことになってしまいました。もう皮膚から天然保湿成分は分泌されないみたいです。石鹸は不要だったのでしょう。


5月7日
顔色が白くて、手がものすごく冷たいことに気づきました。手腕と足に、ニーソックス靴下カバーを着せませした。


この日、お昼前に、父は自分自身で腕を上げ回して運動をしていた!!今までに無いことに、超びっくり!

実は、正直なところ私の疲労は限界を越えていて、このまま父がどんどん元気になったら私の身体と精神は保つのかしら…ちょっと、どうしよう…と思ってしまいました…。父には申し訳ないけれど…そう思ってしまうほどクタクタにくたびれ果てていました。身体も心も、ものすごくしんどかったです。。。。


16時半
父にしゃっくりが出る。手がとても冷たい。

17時半
ハチミツ水を少しづつ、窒息しないよう横向きの姿勢で飲ませますが、一口ごとに戻し、また飲ませ、戻し、、とエンドレスに感じるほど繰り返しました。

・・・ついに私の疲労とイライラが限界になり、、、、母が私を寝かせてくれました。
私も、もう無理だ…と感じたので母に任せて眠りました。
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22時半
母が「何か様子がおかしいから起きて」と起こしてくれました。

 血圧 121-95、脈拍 43

口から泡みたいな唾みたいな痰のようなものがゴボゴボ出てくるので、ティシュで拭き取る。どんどん出るので、窒息したらいけない!と、「ちょっとごめんね!!」とティシュを口に一瞬詰めて絡めとると、父が「オエッ」とえずいたので、「ごめんね!苦しいね!」と言うと、頭を横に振った。苦しくなかった…?ちょっと安心する…。


二人の祖母の臨終の経験から、これは長丁場になるかも…と感じました。母に「ダッシュでおトイレに行ってくるから見ててくれる!?」とお願いして、すんごく急いで済ませてベッドに戻ってきたら、、、

22:52
すでに父は息を引き取っていました。今世をご卒業されました。
多分この間、1分位しか経っていなかったんじゃないかな!?

母が「お父さん亡くなった」と言ったので、え?そうなの!?と、びっくりして父を見たら…もう亡くなっていたはずなのに、顎が動きました!!

お別れのご挨拶をしてくれたのかな…。


「なんくるないさー」は、挫けずに正しく歩むべく努力すれば、いつか良い日が来る、という意味だそうです。生きている中で沢山の色々な事が起こるし、沢山挫折もするけど、「まるっ」と今を受け入れて、「なんくるないさぁ~」を心の杖にして生きれたなら良いな~♪
(あい∞ん)


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