ぴょんぴょんの「利権の御三家 ― その1補助金」 〜50兆円をバラ撒く補助金制度

衆議院選挙が終わり、また新たなシーズンが始まりました。
官僚・政治家・企業のバーミューダトライアングルにまきこまれずに、
純粋に日本の未来を思う政治家が、何人選ばれたでしょうか。
石井紘基氏が20年前に書いた「日本が自滅する日」を読んで、
「ほんとうの日本」の姿と向き合う必要を感じます。
(ぴょんぴょん)
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ぴょんぴょんの「利権の御三家 ― その1補助金」 〜50兆円をバラ撒く補助金制度

特別会計を調べてる途中で、暗殺された石井紘基


「日本にはベルリンの壁がある。その見えない向こう側に『ほんとうの日本』がある。
ベルリンの壁を取り払い、ふたたび明るい陽光を浴びる日本をとりもどすために『ほんとうの日本』の一端を解明するのが本書の目的であった。」


衆議院選挙も終わって静かになったね。

選挙と言やあ、ここに引っ越して初めての選挙のとき、ご近所さんに言われた。
「あんた、今来て良かったね」。

どういう意味?

むかしここらも、選挙の時は騒がしかった、いろいろタイヘンだったって。


なにがタイヘンなの?

どいつもこいつも選挙に駆り出されて、大忙し。
しかも、候補者を渡り歩いてカネをせびるヤツら、飛び交う札束。
そんなみにくい光景を見なくて良かったね、って意味らしい。

へえ、こんな平和なところで、そんなことがあったなんて信じられない。

河井夫妻もその時代なら、逮捕されることもなかったな。

だけど、なんでいつも、自民党ばっかりが当選するんだろう?

そら、国民の、いや一部の国民のお役に立ってるからさ。
とくに田舎は、オラのために働く国会議員じゃねえと、投票しねえよ。

日本の将来のために命をかけた、石井紘基(いしいこうき)のようなヤツには、入れてくれねえよ。

あ、その人、聞いたことある。
特別会計を調べてる途中で、暗殺された。

そう、特別会計問題の質疑の準備中、「これで与党の連中がひっくり返る」という、重要資料を見つけ、2002年10月25日 金曜日、自宅を出たところで殺された。

重要資料はどうなったの?

盗まれたまま、見つかっていない。

ほんとに、それが目的だったの?

ああ、カバンを開けるのにジャマだった、石井の指が切り取られていた。

でも、犯人はつかまったよね。

つかまったが、命令したヤツはわかってない。

与党、自民党に不利な書類だったんでしょ。 

そのころの日本は、バブル崩壊後の不良債権でもめていた時代で、石井はつねに小泉内閣のやり方を批判していた。



石井氏は、小泉政権にとって目の上のたんこぶ?

だな。
石井の著書「日本が自滅する日」の序章に、こう書かれている。
「小泉内閣は不良債権処理を、アメリカからの厳しい『お達し』に呼応して権力主導で進めようとしている。これは・・きわめて重大な問題である。」阿修羅

日本がアメリカに売り飛ばされていくのを心配してたんだね。
となると、石井氏を暗殺したのは、やっぱ自民党?

石井が所属していた民主党だって、おかしいぞ。
石井は、党首の管直人に相談に行ったが、その後殺されてる。
しかも亡くなった後、段ボール70個分の資料を遺族から託されて、民主党は何もしなかった。


ということは、与党も野党もグル??

与野党にかかわらず、甘い汁を吸ってる連中にとっちゃ、石井はジャマだったろう。
ま、自民党に潰れられたら困るんで、CIAも絡んでたってウワサもあるが。
管理人のぼやき特集!

CIA!


社会主義ソビエトの相似形である日本


ところで、おめえは補助金、もらったことあるか?

うん、車買い換える時はエコカー補助金、実家では、太陽光発電の補助金をもらったことがある。補助金てうれしいよね。

「日本が自滅する日」第一章四節によると、20年前、当時の補助金総額は年間50兆円。
「50兆円といえば一年分の国税収入を超える金額だ」
と書いてある。

そんなにたくさんのおカネが、補助金に?

石井が調べた所、同じ会社にいくつもの補助金が下りてるケースもあったという。
また、国の予算のほとんどが補助金で、税収入を補助金に配分するのが役所の仕事。
そういう棚からボタ餅のやり方は、まるで旧ソ連だと言っている。


日本がソ連?

1965〜1971年、ソビエトのモスクワ国立大学法学部大学院に留学した石井は、ソ連の実情にくわしかった。
彼は「日本が直面している危機の原因は、官制経済のシステムだ」と言う。
官制経済とはソ連経済のこと。
中央集権、官僚制、計画経済、そして秘密主義、今の日本にソックリと思わんか?

モスクワ国立大学
Author:I.s.kopytov[CC BY-SA]

そうかなあ?

その反対が市場経済。
自由競争で良いもの、良いサービスを提供して成長するやり方。

日本は市場経済でしょ?

いや、「今日、わが国の体制はまさしく社会主義ソビエトの相似形である。」阿修羅

なんでー? 信じらんない。
じゃあ、日本も、崩壊したソ連みたいになるって言うの?!

ああ、そうさ、だから本の題名が「日本が自滅する日」なんだよ。

そうなの?!

石井氏が亡くなった2002年から、日本は変わったと思うか?

ううん、変わってない。
どころか、報道も規制されて、ますます大本営発表みたいになってる。

だとすると、20年近くの間、日本はもっとソ連に近づいたことになる。

いやだー!


「利権財政の御三家」―― 特別会計・財政投融資計画・補助金


それなら、官制経済を市場経済に変えないと。
利権システムを、そして利権システムを財政的に支える「利権財政の御三家」、特別会計・財政投融資計画・補助金をどうにかしないと。

「御三家」がなくなれば、政官権力は、特殊法人などを利用した、巨大権力ビジネスを続けることはできなくなるだろう。阿修羅

補助金も「御三家」だったのか。
じゃあ、その利権の温床、補助金は誰が決めてるの?
政治家? 国会?

いや、官僚。

じゃあ官僚は、どこにいくら補助金を回すとか、どうやって決めるの?

そら、天下りできるとこが優先だろう。


は?

じゃなけりゃ、補助金もらいに頭下げにくる、政治家に恩を売るため?

なんで、政治家に恩を売るの?

自分らの作った法案を、国会で通してもらうため?

なんか、互いの利益になるようにやってるってこと? 

そうそう、うまくできてるんだよ。
企業は天下りをぶら下げて、自分らに有利な法案を官僚に作らせる。
有権者に補助金を回してもらった政治家は、官僚への恩返しに、法案を通過させる。
また、自分が企業に流した補助金から、政治献金を受け取り、選挙応援も約束される。


まるで、官僚・政治家・企業が、身内でおカネを回すウィンウィンゲームだね。
って、それ、ぼくたちの払った税金なんですけどお?

わかっただろ?!
補助金だけでなく特別会計、財政投融資も利権システムを支えていることを、石井は発見したってわけだ。

しかし石井氏は、よくこんな、誰も手を付けないとこに切り込んだね。

利権と無関係だったからできたんだろうが、
調べるきっかけは、中小の建設会社を営む友人からの相談だった。
「住都公団の営繕の工事に入札しているが、いつも決まって公団の子会社である日本総合住生活(株)が落札し契約してしまう。われわれには圧力がかかってまったく仕事がとれない」。阿修羅
「住都公団」とは、税金で運営する国の特殊法人だ。

Author:Konaine[CC BY-SA]

特殊法人!

そして、いつも落札契約する「日本総合住生活(株)」は、「住都公団」の子会社だ。
ここに問題がある。
税金で運営してる特殊法人が、子会社を作って利益を上げている。

公的なカネで、私的な利益を得ている、いいのか?

ほんとだ、おかしい。

そこを問い合わせても、出資であれば法的に問題ないとか、お茶を濁すような回答しか得られない。
それだけじゃない、「住都公団」の発注契約の7〜8割を、「日本総合住生活(株)」が受けていた。

明らかに、えこひいきだ。

こんなことしてるから、当然、「住都公団」の子会社たちはガッポガッポ儲かっている。5社の営業収入だけでも2,000億円。
「日本総合住生活(株)」なんか、住宅関連サービス部門7,100社中、全国2位の売り上げ。


当然だよね、だってそれ、ズルだもん!

ズルの陰には、天下りもひそんでいる。
「日本総合住生活(株)」の社長は、建設省 → 住都公団 → 日本総合住生活(株) 。
こいつ以外にも、公団から子会社に天下っていたのは100人以上。

「これらの事実を知ったとき、私は暗い大きな洞窟を発見した思いがした。」
阿修羅

ショック! 
社長は、もと官僚だったのか。
だけど、こんなズルを、なんでだれも言わなかったんだろう?

利権に絡んでたら、言えるワケねえだろ。
さらに、特殊法人の子会社、孫会社、天下り、放漫経営を調査すると、
「政府系の公益法人やファミリー企業、それらを支える財政の仕組みなどから、これまで誰にも発見されなかった『もう一つの世界』の実態が次々に見えてきた。
『もう一つの世界』は巨大な権益の世界であった。」
阿修羅

見つけちゃったんだね。

そう、見つけちゃったんだよ。
「本当の日本国は国民の目の届かない所でつくられ進んでいたのだ。
私は、地球が回っているのではなく、太陽が回っていることを発見した思いだった。
別の言い方でいえば、日本には『ベルリンの壁』があるのではないかとの直感がよぎった。すべての鍵は『ベルリンの壁』の向こう側にあるのではないか。
ほんとうの現実は『ベルリンの壁』の向こうに隠されているのではないか。」
阿修羅


日本に「ベルリンの壁」?!

利権という壁で、おれたちは分離されている。
おいしい思いをしてるヤツらと、そうではないヤツら。
そのことを、おれたちはずっと秘密にされてきたんだよ。

はあ〜〜〜〜
それを発見し、公表しようとしただけで、命を奪われるほどの重大な秘密。
日本を変えるには、このバーミューダトライアングルをぶっ壊さないとダメだね。

だが、甘い汁を吸ってるヤツらは、自分らにいいように法律作って、通して、カネを回している。せっかくうまくやってるヤツらが、やすやすと利権を手放すと思うか?


ガン細胞と同じだね。
日本が自滅しちゃうまで、続けるつもりだよ。

それなら、ガン細胞と戦う、おれら免疫細胞がもっと賢くなる必要があるんじゃね?

はあ〜〜〜〜
全身にガンが回ってて、手おくれだったらどうしよう?

まだ間に合うことを祈るしかねえが、おれたちが知ることが大事よ。
石井が伝えたかった日本の闇、利権システムを支える「御三家」の話はまだまだ続く。


Writer

ぴょんぴょんDr.

白木 るい子(ぴょんぴょん先生)

1955年、大阪生まれ。うお座。
幼少期から学生時代を東京で過ごす。1979年東京女子医大卒業。
1985年、大分県別府市に移住。
1988年、別府市で、はくちょう会クリニックを開業。
以後26年半、主に漢方診療に携わった。
2014年11月末、クリニック閉院。
現在、豊後高田市で、田舎暮らしをエンジョイしている。
体癖7-3。エニアグラム4番(芸術家)

東洋医学セミナー受講者の声

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