ぴょんぴょんの「利権の御三家 ― その2特別会計」 ~なんのために特別会計は存在するのか?

 石井紘基は公務のかたわら、冷房の切れた議員会館で夜遅くまで、裸になって汗まみれになりながら、「日本が自滅する日」を書いていたという。
 彼が命をかけて訴えたことを、一人でも多くの人に知らせたいと思うけど、まず、何がおかしいのかを理解するまでに、四苦八苦。
 しかも、あれから20年経って、隠されたことはもっと深く潜ってしまった。
(ぴょんぴょん)
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ぴょんぴょんの「利権の御三家 ― その2特別会計」 ~なんのために特別会計は存在するのか?

明らかに特別会計は闇だった


くろちゃん、今日も難しい話?

ああ、特別会計について勉強しようと思う。

それも、石井氏の本に書いてあったの?  


覚えてるか?
石井は、特別会計問題の質疑の準備中に暗殺されたこと。

そうだった、殺された原因も特別会計がらみだったかも。
そんなにダークなの? 特別会計って。

ああ、う〜ん、たぶんなあ。

あれ? くろちゃん、悩んでる?

「日本が自滅する日」を読むと、特別会計は明らかにクロなんだが、あれから20年でいろいろ状況が変わって。
かと言って、財務省主計局が出してる「特別会計ガイドブック」をいちから読む気にもならねえし。

「特別会計ガイドブック」? そんなのがあるんだ、
って、ひえ〜! 196ページ! 読む気しな〜い!

「ちゃんと情報公開してます」の意志はわかるが、できればマンガか動画にしてくれ。

国会議員でも、読んでる人いないんじゃない?

「複雑過ぎてセンセイ方には分からんよ」と言わんばかりの、官僚の顔が目に浮かぶ。
楽しく生きないと人生もったいないぞ!おじさんのブログ
だが、石井が本を書いた時点では、明らかに特別会計は闇だった。

たとえば?

今はなき、道路整備特別会計(道路特会)。
一般道路の整備事業を扱う特別会計で、財源はガソリン税。
予算は4兆2000億円、ここは日本道路公団にカネを流していた。

と言っても、道路公団も2005年に民営化され、ネクスコ(NEXCO)になってる。

Wikimedia_Commons[Public Domain]


ずいぶん、状況が変わったね。

だが、そのころの道路公団は悪名高き特殊法人で、ファミリー企業とともに利権の巣窟だった。
石井いわく「ガソリン税を道路の特定財源とするシステムによって、政治屋と官庁の天下りだけが潤い、政治系土木業者が喰いつなぎ、それ以外のすべての産業が犠牲をはらうという構図になっている。」(阿修羅

そうゆう道路特会も道路公団も、今はむかし。
じゃ、今の特別会計は、ダークじゃないの?

そう思いたいが、たぶん、ちがう。
くわしく調べたいところだが、今は、石井の時代とはちがう。
秘密保護法のせいで、国会議員でさえ国勢調査権を振りかざすことが難しい。
だから、もっと見つけにくくなってるはずだ。

闇は、ベルリンの壁のさらに向こうに行っちゃった?
ところで、「特別会計とは何なのか」から教えてよ。

ま、特殊な税金とか保険料を集めて、プールしてる会計とでも言うかな。
卑近な例で言うと、生活費を入れる封筒とは別に、いざという時のカネを入れた別封筒。

特別会計は別封筒?

だが、いざという時には使えねえカネ。

へ? じゃ、何のためにあるの?

さあ、何のためでしょうねえ?
石井もそれが知りたくて、調査した結論が「究極の“裏帳簿”」。
阿修羅


裏帳簿?!

国の予算といえば「一般会計」のみで、石井が指摘するまで、「特別会計」について語られたことすらなかった。だが、国の予算の黒幕は特別会計で、こっちがメインだ。
阿修羅

特別会計がメイン。
なのになんで、知られてなかったの?

さあ?
現在の特別会計はこれ。カッコ内は所管省庁。

  • 交付税及び譲与税配付金特別会計 (内閣府、総務省及び財務省)
  • 地震再保険特別会計 (財務省)
  • 国債整理基金特別会計 (財務省)
  • 外国為替資金特別会計 (財務省)
  • 財政投融資特別会計 (財務省及び国土交通省)
  • エネルギー対策特別会計 (内閣府、文部科学省、経済産業省及び 環境省)
  • 労働保険特別会計(厚生労働省)
  • 年金特別会計(内閣府及び厚生労働省)
  • 食料安定供給特別会計 (農林水産省)
  • 国有林野事業債務管理特別会計 (農林水産省)
  • 貿易再保険特別会計 (経済産業省)
  • 特許特別会計 (経済産業省)
  • 自動車安全特別会計(国土交通省)
  • 東日本大震災復興特別会計 (内閣府ほか主要省庁)


14種類もある!

いやいや、戦後は最大で45あったのを、行政改革で14まで縮小したんだ。


特別会計のふしぎ


ねえ、特別会計ってほんとに必要なの?

財務省はこう説明してる。
財政の健全性を確保するためには、本来、国の会計は単一会計(一般会計)の方が望ましい。が、「財政法」で特別会計と一般会計が決められてるし、国の行政活動が広範で複雑化になると、単一会計じゃムリ。だから特別会計は存在すべし、と。(財務省


単一会計が望ましいと言いながら、特別会計を捨てたくない感じだね。
ところで、特別会計のおカネは、どこから入ってくるの?

特定の人が納める、税金や保険料が財源だ。

特定の人?

たとえば、ガソリン税を払うのはドライバーに限られるだろ。
だからガソリン税は道路の整備とか、ドライバーのために使われる。

というように、使いみちが、その税金を納めたヤツに関するものに限られる。
これを、受益者負担という。


また、知らない言葉が出てきた〜。

ま、覚えなくていい、すっ飛ばして行こう。
特別会計のふしぎはいくつかあるが、その1はチェックが甘いこと。
使い道に対して、国会や国民の厳しいチェックが入る一般会計とは異なり、特別会計は事実上ノーチェックで承認される。
しかも、財務省や会計検査院のチェックも一般会計より甘い。
気になることを調べてみましょう

おかしい。
性善説じゃないんだから、ちゃんと、チェックした方がいいよ。

ふしぎ・その2、使い残しても、特定の用途にしか使えないため、次年度へ繰り越しされる。YAHOO!知恵袋

ふつうの予算は、使い切らないと、翌年減らされるんだよね。
特別会計は、どんどん貯まる方向に行くんだね。

ふしぎ・その3、一般会計が苦しいときも特別会計のカネには手が出せない。
それには、財務大臣時代の塩ジイもつぶやいた。
「母屋(一般会計)では、おかゆを食って辛抱しようとけちけち節約しているのに、離れ座敷(特別会計)で子供がすき焼きを食べている」。(All About 20Th


ハッハ! 特別会計は、意地悪だねえ。
特別会計のプラスを回して税金を安くすれば、国民も喜ぶのに。

国民じゃなくて、東電を喜ばせる反則ワザはやってのけるがな。
時事ブログにあったぞ。
再生可能エネルギー普及のための財源「エネルギー対策特別会計」を、受益者負担の原則をやぶって、原発振興や福島原発事故処理に使えるように解禁するという。

あっれ〜? ズル〜イ!! 
国民よりも東電が大事ですかー?

Author:浅野ます道[CC BY]


特別会計の使い道


オホン・・・
ところで、実際の数字を見てみよう。
2019年度の「一般会計」の歳出は101.5兆円。
「特別会計」の歳出は、「一般会計」との重複分を引くと196.8兆円。

米国個別株とETF

なんと、2倍! 

で、問題は全「特別会計」の歳入歳出の差額、剰余金だ。
それがなんと、16.7兆円!

こんだけ、自動的に翌年度に繰り入れられるが、
「全部を足すと消費税の税収に匹敵する剰余金になります。」
米国個別株とETF


おお!! 
こんだけあれば、消費税なんかいらないじゃん!!

気になるのは、東日本大震災復興特別会計の余剰金1.4兆円だ。
「緊急性のあるお金のはずなのに、どうして使い道がなかったのでしょうか。」
米国個別株とETF

なんでそんなに、余るの? おかしい。

この通り、おかしいこと満載であります。
石井は書いている。
特会(特別会計)は・・・基本的に各省庁が予算編成権を持っているので、省庁の自由裁量で事業予算を決めることができる。そのため、特会を持っている省庁は、お手盛りで予算を膨らまそうとするのである。」(阿修羅

官僚が予算を握ってる? 補助金もそうだったね。

官僚に、性善説は通用せんぞ。
さて、特別会計の中でも、特に問題視される「外国為替特別会計(特会)」。

何やってるとこ?

外貨準備。
つまり、行き過ぎた円高や世界通貨危機等の非常時に備えて、外貨準備を保有するとこ。
いまや、130兆円もの資産をキープしている「外国為替資金特会」だが、これまで非常時の通貨介入に用いたカネは、たかだか30兆円。
米国個別株とETF

てことは、100兆円のお釣りが来るよ! 
それ、遊んでるおカネなら、みんなに分けて!

いやいや、せっせとアメリカ国債を買わんとな。

え? そんなのいらないから、国民のために使ってよ。

シーッ!!
そう言って、どれだけ多くの政治家が殺されたり、失脚したことか。
アメリカ国債を売ろうとした橋本龍太郎、小渕恵三、中川昭一、みんな殺された。

左より 橋本龍太郎、小渕恵三、中川昭一
Author:内閣官房内閣広報室 [CC BY-SA] 1&2&3

コワッ!

日本国民に消費税増税を強いながら、アメリカ国債だけが増えていく。
おかしな話だと思わんか?(米国個別株とETF

消費税なんかなくても、日本はやっていけたのに。

おかしいことは、まだある。
日本はすでに600〜700兆円のアメリカ国債を持っていて、利払いだけでも毎年数十兆円入るはずなのに、何十年も1円だってもらっていない。
利払いもなく、償還も許されないアメリカ国債を、えんえんと買い続けさせられる日本。
アメリカに、永久にカネを貸し続けている状態だ。
楽しく生きないと人生もったいないぞ!おじさんのブログ

おかしいよ、ゼッタイにおかしい。
これじゃまるで、日本はアメリカのATMだ。


また、小泉政権時の2001年~2006年、同時多発テロ、アフガン侵攻、イラク侵攻のために、アメリカにカネを流したのが「外国為替資金特会」だと言われている。sakuraのブログ

まさか!! 特別会計のおカネが、戦争のために使われた?!
おかしい! ゼッタイにおかしい!

日本のそういう、おかしい所に気づいたために殺された石井。
彼は言う、「法そのものが正義を失い、舵取りの利かない状態に陥っている」。
だが、「法が法を犯すとき、国は末期を迎え、やがて亡(ほろ)んでしまう。」
阿修羅

マズイ! 
このままだと、「日本が自滅する日」が現実になる!


Writer

ぴょんぴょんDr.

白木 るい子(ぴょんぴょん先生)

1955年、大阪生まれ。うお座。
幼少期から学生時代を東京で過ごす。1979年東京女子医大卒業。
1985年、大分県別府市に移住。
1988年、別府市で、はくちょう会クリニックを開業。
以後26年半、主に漢方診療に携わった。
2014年11月末、クリニック閉院。
現在、豊後高田市で、田舎暮らしをエンジョイしている。
体癖7-3。エニアグラム4番(芸術家)

東洋医学セミナー受講者の声

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