注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
明治神宮外苑の再開発 樹木の保全の議論続く中 伐採開始へ | NHK https://t.co/PtjwxXTaBZ
— 建築エコノミスト森山高至 (@mori_arch_econo) June 28, 2023
神宮外苑再開発反対の署名は、カップさんの署名ページとホワイティングさん(神宮球場)、平尾さん(秩父宮ラグビー場)そして私たちのところの署名数を合わせると 総数28万8201筆、手書きの署名もありますのでゆうに29万筆は超えます。 小池都知事、この数をも無視されますか? 工事の中止を求めます pic.twitter.com/wOIpsNlCHt
— 楠本淳子 (@1wyv6K) June 26, 2023
再開発の計画は、2015年に公表され、神宮球場とラグビー場を位置を入れ替えてそれぞれ建て替え、商業施設などが入る2棟の複合ビルが新たに建設されます。
都による環境アセスメントの手続きはことし1月終了し、再開発事業として都が認可したことで3月下旬から施設の解体工事が始まっていて、全体の整備は13年後の2036年に完了する計画です。
(中略)
明治神宮外苑の再開発をめぐっては、条例に基づいて事業者による環境への影響評価が適切かどうかを検討する都の審議会が去年4月に設置されました。
(中略)
環境影響評価に詳しい東京工業大学環境・社会理工学院の村山武彦教授は「工事が始まった時点でどういった影響があってどういう対策を取るかは決まっているべきで、まだ審議会が続いているのは本来あるべき姿ではない。計画については、環境への影響を確認しながら徐々に進めていくことが望ましい」と話していました。
外苑再開発に大きく問題が3つあります。
— 建築エコノミスト森山高至 (@mori_arch_econo) May 12, 2023
一つは、都市における公園の前提は、公衆の憩いのため景勝の維持のためであるということです。つまり、設立過程が公営であろうが民営であろうが、より多くの人々のために存在するものであって、特定の組織や個人の利益誘導のためではないということです。
二つ目には、再開発計画の進め方です。公的な資産という前提にたてば、外苑の在り方、外苑の具体的デザインや工事について、多くの市民の意見や要望が繁栄されるべきで、当然そのプロセスは慎重かつ議論も公開されるべきです。そのため、計画の推進にも時間がかかり、安易な商業開発を抑止しますが、
— 建築エコノミスト森山高至 (@mori_arch_econo) May 12, 2023
現在進められている外苑再開発計画は、その逆で、なるべく非公開で拙速に乱暴に物事が決められています。
— 建築エコノミスト森山高至 (@mori_arch_econo) May 12, 2023
三つ目は、この外苑地域の歴史と文化、および東京の都市構造における重要性です。日本という国家がの近代化の過程で、様々な歴史的経緯をはらんだ場所であるという点です。
我が国初の風致地区指定や、都市公園の在り方を模索したもので、多くの国民の寄付により、植物学者の経年の樹木育成の研究と、理想的近代公園の実現のため都市計画者の思想が繁栄され、その全体のランドスケープに始まり、絵画館、神宮球場も含め建造物には歴史的文化的価値をもつものです。
— 建築エコノミスト森山高至 (@mori_arch_econo) May 12, 2023
この計画における金銭的原動力、商業的価値、不動産価値とは制度の隙間を悪用して捻出されたものです。
— 建築エコノミスト森山高至 (@mori_arch_econo) May 12, 2023
それは、一般的に「空中権移転」と呼ばれるもので、高層ビルの建設が可能なエリアで高度利用を前提とした都市開発の範囲内に、残すべき低層建物や公園、社寺仏閣などが存在する場合、それらの土地
それらの土地にも高層化の自由が割り当てられてると解釈したうえで、その高層化権利を行使しないで、周囲に貸す・売却することを可能にする、といったものです。あくまで「残すべき低層の建物や公園、寺社仏閣の維持のために」活用することが前提です。
— 建築エコノミスト森山高至 (@mori_arch_econo) May 12, 2023
が、この外苑計画にはそもそも「空中権移転」を
が、この外苑計画にはそもそも「空中権移転」を可能にする高層化の許可はなく、15メートルまでの高さ制限がありました。
— 建築エコノミスト森山高至 (@mori_arch_econo) May 12, 2023
それを「オリンピックのスタジアムの設計コンペのため」と直接法制限のない架空の計画の中で、建物高さ70メートルを可能にする提案を促し、その後に「(そのスタジアム案を前提に
「(そのスタジアム案を前提にして)オリンピック開催決定したのだから」という流れで、高さ制限の撤廃が全面的に拡大されたものです。
— 建築エコノミスト森山高至 (@mori_arch_econo) May 12, 2023
以前の15メートルの高さ制限の時代ですら「空中権移転」は周辺の土地に大きな経済的効果をもたらしますが、15mから70mへの拡大は高層フロア階数で15階以上を増やし
15階以上を増やすことを許可してしまう。
— 建築エコノミスト森山高至 (@mori_arch_econo) May 12, 2023
制限ありの時代と比較した場合、高層化により建築活用できる面積の増大においては500%以上の効果があり、その周囲の土地に数倍の不動産の経済的利益をもたらします。特定の不動産会社にのみ恩恵がもたらされる制度を悪用した錬金術といっていいでしょう。
これらの計画に特定の諸団体が群がっており、事実上、公的利益が優先されていないために、意思決定プロセスを隠そうとしているというわけです。
— 建築エコノミスト森山高至 (@mori_arch_econo) May 12, 2023
以上、海外メディア向けに取材に応えておいた!
森山高至氏は、この再開発を止めなければならない理由を3つにまとめておられました。
一番大きな問題は「都市における公園の前提は、公衆の憩いのため景勝の維持のためであるということ」です。特定の組織や個人の利益誘導のためではなく、より多くの人々のために公園が存在するという、世界では当たり前の価値観が踏みつけにされていることです。
二つ目は、再開発計画の進め方の問題です。長く愛されてきた公園は公的な資産で「多くの市民の意見や要望が反映されるべき」「プロセスは公開されるべき」なのに、「安易な商業主義」に偏った「非公開で拙速で乱暴な」決め方をしました。
三つ目は、「この外苑地域の歴史と文化、および東京の都市構造における重要性」と、それを逆手にとって悪用した再開発計画の犯罪性です。この都市公園が持つ多角的な叡智や先人達の熱意、理想までも知り得る価値を、あろうことか「特定の不動産会社にのみ恩恵がもたらされる制度を悪用した錬金術」で破壊しようとしています。それを東京都が率先して加担している。非公開にしたいはずです。
この明らかな蛮行を市民の力で止めさせたい、この計画の首謀者にきっちり責任を取らせたいではないですか。