注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
テレビ朝日「モーニングショー」では、参議院選挙に合わせ、憲法改正についてのコーナーが設けられています。7月15日は、その中でも大きなテーマの1つ「緊急事態条項」について話し合われました。
(中略)
(中略)#モーニングショー で「緊急事態条項」特集。自民党の公約集には書かれていない「条文イメージ」も漏れなく紹介。木村草太教授は「既存の法律を全部書き換えられる」「刑事訴訟法を変えて逮捕の要件も付け加えられる」と、緊急事態条項の本質的危険性を紹介。こんなものが出来たら独裁国家になる。 pic.twitter.com/XMbPxWvCuA
— 異邦人 (@Beriozka1917) July 14, 2019
必要性に疑義を挟む木村草太の意見
木村草太さんの意見として、まず災害時の緊急事態条項については、「既存の法律で対応できる」というものがあります。(中略)… 現状に不備があるならば、まずはそちらを検討すべきではないかという立場でお話をしています。
(中略)
もう1点、この緊急事態条項について木村草太さんら、多くの出演者が訴えているポイントが、その時の権力者によって「拡大解釈」できるという点です。(中略)… その「歯止め」について、十分な対策や議論がなされていない。
そんな中、「法律と同等」の効力を持つ政令を政府が決められるという内容に、多くの方が危機感を表明しました。
(以下略)
この選挙で安倍首相が争点に掲げているのが、憲法改正だ。(中略)… 問題なのはマスコミも世論も「憲法改正の議論を進める」と豪語する安倍首相の姿勢に対して、まるで危機感がないことだ。
(中略)
今回、『モーニングショー』が取り上げたのは、自民党の改憲4項目で「憲法9条への自衛隊明記」の陰に隠れてしまっている、「緊急事態対応」だった。
(中略)
自民党は2012年に公表した憲法改正草案において「緊急事態条項の創設」を提案。(中略)… 緊急事態宣言が出されると《内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定すること》や《内閣総理大臣は財政上必要な支出その他の処分を行い、地方自治体の長に対して必要な指示をすること》を可能にし(中略)… 総理大臣に権限を集中させ、国会議員の任期延長を可能とし、与党は政令を出し放題、すべての人が否応なく国に従うことを余儀なくされ、法の下の平等や思想・信条・表現・言論の自由などといった権利を「制限」してしまう……というとんでもない内容だった。
(以下略)
自民党改憲案(平成24年に決定)の緊急事態条項(98・99条)を巡り、以下のような発言をされている(『自衛隊と憲法』)。
「何気なく読むと、大した提案ではないように見えるかもしれませんが、この条文はかなり危険です」
「緊急事態の定義が法律に委ねられており、緊急事態宣言の発動要件は極めて曖昧です。その上、国会承認は事後でも良いとされていて、手続き的な歯止めはかなり緩いと言わざるを得ません。これでは、内閣が『緊急事態宣言が必要だ』と考えさえすれば、かなり恣意的に緊急事態宣言が出せることになってしまいます」
「緊急事態宣言が出されている時には…国会の十分な議論を経ずに、国民の権利を制限したり、義務を設定したりすること、あるいは、統治に関わる法律内容を変更することが、内閣の権限でできてしまう。例えば、刑事訴訟法の逮捕要件を変える政令を作り、『裁判所の令状がなくても、内閣が逮捕すると決めれば逮捕できる』という制度にすることも可能です」
(中略)
「緊急事態宣言中…内閣独裁という体制が出来上がります。これは、緊急事態条項というより、内閣独裁権条項と呼ぶべきでしょう」
(以下略)
» 続きはこちらから
要は、あの“あべぴょん”に白紙委任状を与えるということ。あべぴょんが緊急事態宣言を出すと、「内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定すること」が出来、総理大臣に権力が集中し、“裁判所の礼状がなくても逮捕が可能”という、いわば「内閣独裁権条項」と呼ぶべき恐るべき条項なのです。
“馬鹿とハサミ”は使い方次第では役に立つのですが、“あべぴょんと緊急事態条項”は怖いです。しかし、その恐ろしさを多くの人が理解しているとは思えません。
今の状況で、メディアと芸能人を使って自民党が大宣伝をすれば、国民は緊急事態条項の危険性を何一つ知らされず、賛成票を投じてしまう可能性があります。
なので、何としても、今回の参院選は自民党に大敗してもらわなければ困ります。普通に選挙をすれば、おそらくそうなると思います。
最後の藤原直哉氏のツイートは興味深い。あべぴょんは大量逮捕を恐れ、トランプ大統領側に寝返っています。なので、憲法改正をしないと約束したのかも知れません。しかし、あべぴょんのことですから、トランプ大統領が次期大統領選に敗れれば、憲法改正を実行するでしょう。なので、外圧頼みではなく、日本国民は、はっきりとNO!の意思を示さなければなりません。