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[安倍元首相銃撃事件]犯行に使われたのは、“手製の銃”による空包だった?

竹下雅敏氏からの情報です。
 冒頭の動画は、先の記事で紹介したものと同じですが、少し画像が鮮明かも知れません。二つ目の動画は、「元映像の速度を変えて3回繋げたもの」です。46秒以降をご覧ください。
 54~55秒の所で、あべぴょんの右襟が大きくゆれています。「フォロワーさんがキャプチャーした画像。弾道が見えます。」とツイートしているように、Trilliana華さんは、弾丸が左上からあべぴょんに向けて発射され、頚部から心臓を傷つけたと考えたようです。これだと真犯人はビルの上にいたことになります。
 しかし、けーけー氏は「動画ファイルをaviutlという動画ソフトでコマ送りで見たんですけど弾道が逆ですよ」と指摘、“その動画ソフトでコマ送りをキャプチャしたもの”を見ると、画面に見える粒は左上からではなく、画面右側からあべぴょんの襟に当たり、左上へと向かったことが分かります。
 先の記事の「警察が9日未明にかけて司法解剖を行った結果、死因は左の上腕部から入った1発の銃弾が左右の鎖骨の下の動脈を傷つけたことによる失血死だった」ということを考えると、“おそらく、左体側から入って骨に当たった際、軌道を変えて体内から飛び出して行った”と考えるのが自然です。
 しかし、“そもそもスマホ程度のカメラで銃弾を捉えることは不可能ですよ。…2コマ間の移動距離が短い。つまり弾速が遅すぎる。”という指摘は重要です。「空包にはワッズ(Wad)と呼ばれる紙、木、またはプラスチック製の栓が詰められている。このワッズは近距離では盲管ないし貫通銃創を、中距離では打撲傷を負わせる。」とのことです。
 犯行に使われたのは、“手製の銃”ということですが、空包だったのかも知れません。どのような弾丸、あるいはワッズ(Wad)が使われたのかを警察は調べる必要があると思いますが、先の記事で見たように、現場の封鎖は「とっくに解除されています」ということでした。
(竹下雅敏)
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[安倍元首相銃撃事件]福島英賢教授の説明、警察の司法解剖を行った結果の説明に矛盾 ~辻褄の合わない弾丸と輸血量

竹下雅敏氏からの情報です。
 昨日の記事で、奈良県立医科大学附属病院の記者会見の動画を紹介しました。あべぴょんの治療に当たった福島英賢教授は、「安倍元総理大臣はきょう午後0時20分に心肺停止の状態で搬送され、首に2つの銃創があり、心臓と胸の大血管が損傷していた。止血と大量の輸血の治療を続けたが、午後5時3分に失血死で、死亡が確認された」と言っていました。
 福島英賢教授は、頚部の2カ所の銃創の位置は右の首元あたりで、「ひとつだけ左の肩に別の傷があったんで、そこを射出孔と言われるところだったんじゃないかというふうに考えています。」と言っていました。
 また福島英賢教授は、“首の根元前部に銃創と思われる傷が2つあり、頚部から胸に向かった傷は心臓の大血管に達する深さだった。2つの傷は5センチ離れていた。”と言っているので、この通りだとすれば、“犯人はビルの上からあべぴょんを撃った”としか考えられなくなるのです。
 もしそうだとしても、“手術時に弾丸は確認できていない”ことから弾丸は体を貫通したと考えられ、仮に、「ひとつだけ左の肩に別の傷があった」という所が射出孔だとしても、頚部から心臓に向かった弾丸が方向を変え、左の肩から突き抜けたことになります。また、首に2つの銃創があったわけですから、ふたつの弾丸が左肩の同じ場所から突き抜けたとしか考えようがありません。
 “続きはこちらから”の冒頭のツイート動画をご覧ください。1発目の銃声の後、左向きに後ろに振り向いた瞬間に、2発目が発射されています。この映像から、2つの弾丸が頚部に命中して心臓に向かい、方向を変えて左肩を貫通したという魔法の弾丸説はあり得ないことが分かります。
 さすがにこうした動画との辻褄が合わないためでしょうか、「警察が9日未明にかけて司法解剖を行った結果、死因は左の上腕部から入った1発の銃弾が左右の鎖骨の下の動脈を傷つけたことによる失血死だった」ということになったようです。しかし、これだと心臓に損傷があったことと、頚部の2カ所の銃創の説明ができません。 
 また、福島英賢教授は、“100単位の輸血を行なった”と記者会見で述べていましたが、最後のツイートによれば14Lだということです。“約4.6Lが安倍さんの血液量…輸血量は、安倍さんの血液量の3倍”になるようです。これだと現場は血まみれのはずですが、事実はツイートに添付されている写真の通りです。
 福島英賢教授の説明、警察の司法解剖を行った結果の説明に矛盾があります。昨日の記事のコメントでも指摘しましたが、あべぴょんのふりをして横たわっているこの男性は生きています。いつものようにヤラセによる「でっち上げ事件」です。
 最後に、“続きはこちらから”の冒頭のツイート動画の8秒の所により、「美脚を全国民に見せつける女子」の謎は完全に解明されました。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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奈良市の安倍元首相銃撃事件 死因は1発の銃弾による失血死
引用元)
(前略)
安倍元総理大臣は、8日午前11時半ごろ、奈良市の大和西大寺駅近くで、演説中に男に銃で撃たれ、搬送先の病院で死亡が確認されました。
(中略)
警察が9日未明にかけて司法解剖を行った結果、死因は左の上腕部から入った1発の銃弾が左右の鎖骨の下の動脈を傷つけたことによる失血死だったということです。

また、関係者によりますと、現場近くに止めていた選挙カーにも銃弾があたったとみられ、検証作業を行うため、9日午前、警察署の敷地内に運び入れられました。

事件に使われたのは長さおよそ40センチの手製の銃で、容疑者の自宅からは、それと特徴の似た手製の銃とみられるものが数丁押収されたということです。
警察は、計画的に準備した上、至近距離から強い殺意を持って発砲したとみて、いきさつをさらに調べています。
(以下略)
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この度の参院選(投票日7月10日)で一番重要なことは、憲法改悪を阻止すること ~基本的に憲法改正に賛成している参政党の候補者

竹下雅敏氏からの情報です。
 冒頭の動画で、国民が守るべきルールが「法律」、国が守らなければならないルールが「憲法」だったはず…なのに、自民党の改憲案は、憲法が、国民が守るべきルールにすり替えられていると言っています。
 この度の参院選(投票日7月10日)で一番重要なことは、憲法改悪を阻止することです。1分55秒で、「憲法96条が定める憲法改正の手続き」を説明しています。憲法改正案は、衆議院100名以上、参議院50名以上の議員の賛成で国会に提出できる(国会法第68条の2)と定められていることから、この条件をクリアできるのは自民党だけなので、自民党の憲法改正案が国民投票にかけられてしまうことになってしまいます。
 今回の参議院選挙で護憲派に投票して、改憲派の議席を3分の2以下に減らせれば、憲法改悪の国民投票への道は阻止できる。共産、れいわ、社民、立民が護憲派政党です。自民、維新、国民、N党、公明は改憲派政党です。参政党に票を入れると護憲派の票が分散してしまうので、“護憲派の政党に投票しよう”と呼びかけています。
 参政党の候補者は、基本的に憲法改正に賛成していると見て良いでしょう。彼らの言動がまったく信用できないものであるのは、冒頭のツイートを見れば一目瞭然です。私はこれらの候補者に誠実さをまったく感じません。
 青山まさゆき氏は、弁護士としての経験から、「詐欺師が人を騙す時は美味しいことしか言わない。」と言っていますが、まったくその通りだと思います。私が何かコメントする時は、必ず「波動」を確認しています。「波動」がわからない方は、せめて「観相」の知識があればよいのだが、と思います。
 妻に、「ニヤけた笑顔」をする人物を信用してはいけないと言って、例を何人か挙げたのですが、「ニヤけた笑顔」というのがどういうものかが、妻はすぐにわかりました。ロシアの政治家と比較してみると良いでしょう。本物の政治家は、「ニヤけた笑顔」をしません。
 “続きはこちらから”の豚ゴリラさんの動画を見ると、参政党の候補者が読売新聞のアンケートに答えているのですが、「Q8 今の憲法を改正する方が良いと思いますか、改正しない方がよいと思いますか。」という質問に、青森選挙区の中条栄太郎氏は「改正する方がよい」と答え、条文を改めたり、新たな条文を加えた方がよいと思う項目について、“前文、自衛隊の根拠規定や自衛のための軍隊保持、環境権、知る権利やプライバシー権、国と地方の役割、緊急事態条項の創設、その他”と答えています。
 参政党が本当に、緊急事態条項の創設に反対しているのであれば、この人物が参政党から出馬するのは問題ではないでしょうか。
 私にはむしろ、彼のような人物が参政党の本音を語ってくれているように見えます。私は参政党のホームページを開いて、候補者の顔を見た瞬間に、この政党には絶対に入れないと思いました。この考えは今でも全くブレていません。
(竹下雅敏)
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憲法改悪を阻止するために僕らができること【7月10日 参議院選挙投票日】
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安倍元首相銃撃事件におけるいくつもの奇妙さ ~明らかなヤラセであり、「波動」を見ると現在も生きていて元気である

竹下雅敏氏からの情報です。
 あべぴょんが奈良市内で街頭演説中に銃撃され、心肺停止の状態で病院に救急搬送され、午後5時3分に死亡が確認されたとのことです。
 NHKニュースを見ていたのですが、奈良県立医科大学附属病院で会見の様子を流していました。こちらの動画「奈良県立医科大学附属病院で会見 安倍元首相撃たれる」の8分20秒のところをご覧ください。「体に2カ所銃創があり、心臓と胸部の大血管に損傷があったという言い方で間違いないでしょうか?」という質問に、奈良県立医科大学附属病院の福島英賢教授は、「はい、その通りです。」と答えています。頚部の銃創の位置については、動画の8分40秒のところで、福島英賢教授は自分の右の首元あたりを押さえて示しています。ここに2カ所の銃創があったということです。
 11分5秒で、“心臓に内部まで到達していて、傷跡があるのは首に2カ所だということで、あと弾丸は中から見つからなかったということですけれども、貫通したような反対側の傷とかいうのは、あったんでしょうか?”という質問に、「ひとつだけ左の肩に別の傷があったんで、そこを射出孔と言われるところだったんじゃないかというふうに考えています。」と答えています。“片方はそこから貫通した…もう一個に関しては貫通したような傷は…”には、「ないです。」と答えています。
 バナナマンさんのツイート動画をご覧ください。1発目の発砲は4秒のところですが、あべぴょんの後ろから煙が上がっています。この1発目の弾丸が右首の付け根に銃創を作ったとは考えられません。2発目の発砲は、あべぴょんが左に振り返った7秒のところです。これが首に当たったということになるのだと思いますが、なぜ首の2カ所に銃創があるのでしょう。
 “続きはこちらから”のハイネさんの「血糊チューブ クライシスアクター晴代」のツイートをご覧ください。確かにクライシスアクターの晴代ちゃんに見えますね。ちなみに晴代ちゃんを貼るとツイートは削除されるみたいですね。
 決定的なのは、「安倍元首相が奈良県内で銃撃」というニュースが2日前に既に出ていたこと。「主人もこのニュース二日前にみていました。」というツイートがあります。
 この事件の奇妙さは、これだけではありません。混乱に乗じて「美脚を全国民に見せつける女子」がいる(?)というのです。事件より、こちらの方が気になるという意見もありました。
 ANNニュース「安倍元総理銃撃の瞬間」の動画のあべぴょんと言われる人物の「波動」を見ると、このあべぴょんのふりをした人物は、現在も生きていて元気であることが分かります。
 明らかにヤラセですね。こうした事件をでっち上げる「目的」は何か、が問題ですね。
(竹下雅敏)
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エマニュエル・トッド氏の示した「家族型」から分かる社会の価値観 ~ドイツと日本は共に直系家族であり、秩序と安定を好み、政権交代が少ない。自民族中心主義が見られる。

竹下雅敏氏からの情報です。
 6月5日の記事でエマニュエル・トッド氏の「第3次世界大戦が始まった」と題するインタビューを紹介しました。この中で氏は、“このウクライナ戦争に関しては、日本の問題ではない…私の日本への助言は、「抜け出せ」ということです。…日本が取るべき立場は、中立国という立場ではないでしょうか”と言っていました。
 昨日の記事でコメントしましたが、私は、「日本人はナチスに近い精神性を持っている」と感じていました。それが何故なのかを、エマニュエル・トッド氏の示した「家族型」から知ることができました。
 横軸に「自由主義」と「権威主義」、縦軸に「平等主義」と「非平等主義」
を設定すると、4つの家族型に分類できます。社会が「自由主義的」か「権威主義的」かという軸は、親子関係が指標になります。また、社会が「平等主義的」か「非平等主義的」かという軸は、兄弟関係が指標となります。相続にあたって長男が全部とるのか、それとも均分相続するのかという指標です。
 自由・平等は平等主義核家族(フランス)、自由・非平等は絶対核家族(アメリカ、イギリス)、権威・平等は外婚制共同体家族(ロシア)、権威・不平等は直系家族(ドイツ、日本)ということです。
 ドイツと日本は共に直系家族であり、“秩序と安定を好み、政権交代が少ない。自民族中心主義が見られる。”というのです。見事だ。エマニュエル・トッド氏は、“これら家族制度こそが、社会の価値観を生み出すのだと主張した”というのですが、日本の状況に当てはめるとこの通りだとしか思えない。
 エマニュエル・トッド氏は、日本は高齢者が多く成熟した社会であり、“軍
国主義を支えた若くて興奮しやすい人々に満ちた社会ではもはやありません。…しかしながら、一〇年、二〇年、三〇年という長期的なタームで見たとき、ドイツや日本のような社会において個人の安全を脅かすリベラリズム的な状況が続いたならば、極めて右傾化した不愉快な反応が生み出されてもおかしくない”と言っています。
 “個人の安全を脅かすリベラリズム的な状況”というのが分かりにくいのですが、こちらの記事でエマニュエル・トッド氏は、「エリートは人々の生活水準に関心を持とうとしません。現在の民主主義は、ウルトラ・リベラルな民主主義であり、エリートが人々の生活水準の低下をもたらしているように見えます。…不平等が広がるにつれて、多くの人々の生活水準は下がり始めています。もし、支配者階級が生活水準の低下を促し続けるなら、民主主義は政治的にも経済的にも生き残れない。独裁国家になるのは避けられないでしょう。」と言っています。
 岸田禍で、「貧困から極貧へ」は避けられそうにありません。そこへ、若くて興奮しやすい人々にアピールする「参政党」が出現しました。
 6月7日の記事でスペインの哲学者オルテガの思想を紹介しました。“自己を確立していない根無し草の「大衆」は、同時に自分の能力を過信し慢心する性質も持っている”ということでした。動画の中で、“オルテガの言っていること、そして私の師匠でもある西部邁さんが言っていた事の一つはですね、「熱狂」を疑えと言うことだったと思うんですね。熱狂をしている人間というのは、何か一つのことを信じている。そして、それから外れる他者を排除していくという、そういう心理的な何かが働いている。だから落ち着いて物事を考えるためには、熱狂というものを疑いなさい、と私はよく言われたんですけども、どうも今の時代って熱狂しがちですよね。”と言っていました。
 危険な時代になったものです。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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エマニュエル・トッド
Emmanuel Todd
エマニュエル・トッド

Author:Oestani[CC BY-SA]
  2014年11月の写真

生誕   1951年5月16日(71歳)
国籍   フランス
研究機関 国立人口学研究所(フランス)
指導教員
主な業績 ソビエト連邦の崩壊の予想
     家族類型及び社会体制の関係の究明

エマニュエル・トッド (Emmanuel Todd, 1951年5月16日 - ) は、フランス人口統計学者歴史学者人類学者学位Ph.D.ケンブリッジ大学1976年)。研究分野は歴史人口学家族人類学。人口統計を用いる定量的研究及び家族類型に基づく斬新な分析によって広く知られている。フランスの国立人口学研究所に所属していたが、2017年に定年退職した[1]2002年の『帝国以後』は世界的なベストセラーとなった。経済現象ではなく人口動態を軸として人類史を捉え、ソ連の崩壊英国のEU離脱や米国におけるトランプ政権の誕生などを予言した。
(中略)
『世界の多様性』
(中略)
トッドが示した家族型は以下のとおりである。
 
 1. 絶対核家族 (la famille nucléaire absolue)
    子供は成人すると独立する。親子は独立的であり、兄弟の平等に無関心である。遺産遺言に従って分配される。イングランドマン島オランダデンマークノルウェー南部、イングランド系のアメリカ合衆国カナダ (ケベック州を除く)、オーストラリアニュージーランドに見られる。基本的価値は自由である。世界の他の地域に比べ、女性の地位は高い。これは、核家族が本質的に夫婦を中心にするため、夫と妻が対等になるからである。一方、基本的価値が自由であることから、子供の教育には熱心ではない。個人主義自由経済を好む。移動性が高い。
 
 2. 平等主義核家族 (la famille nucléaire égalitaire)
    子供は成人すると独立する。親子は独立的であり、兄弟は平等である。遺産は兄弟で均等に分配される。パリを中心とするフランス北部、スペイン中南部、ポルトガル北東部、ギリシャイタリア南部、ポーランドルーマニアラテンアメリカエチオピアに見られる。基本的価値は自由と平等である。女性の地位は、娘が遺産分割に加わる社会(フランス北部)では高いが、そうでない地域ではやや低い。絶対核家族と同様、個人主義であり、子供の教育には熱心ではない。核家族を絶対核家族と平等主義核家族に分け、平等への態度が全く異なることを示したのはトッドが最初である。
 
 3. 直系家族 (la famille souche)
    子供のうち一人(一般に長男)は親元に残る。親は子に対し権威的であり、兄弟は不平等である。ドイツスウェーデンオーストリアスイスルクセンブルクベルギーフランス南部 (地中海沿岸を除く)、スコットランドウェールズ南部、アイルランドノルウェー北西部、スペイン北部(バスク)、ポルトガル北西部、日本朝鮮半島台湾ユダヤ人社会、ロマ、カナダのケベック州に見られる。イタリア北部にも弱く分布し、また華南に痕跡的影響がある。多くはいとこ婚を禁じるが、日本とユダヤではいとこ婚が許され、ロマにおいては優先される。基本的価値は権威と不平等である。子供の教育に熱心である。女性の地位は比較的高い。秩序と安定を好み、政権交代が少ない。自民族中心主義が見られる。
 
 4. 外婚制共同体家族 (la famille communautaire exogame)
    息子はすべて親元に残り、大家族を作る。親は子に対し権威的であり、兄弟は平等である。いとこ婚は禁止されるか少ない。ロシアフィンランド、旧ユーゴスラビアブルガリアハンガリーモンゴル中国インド北部ベトナムキューバ、フランスのリムーザン地域圏およびラングドック=ルシヨン地域圏コートダジュールイタリア中部(トスカーナ州ラツィオ州など)に見られる。基本的価値は権威と平等である。これから、共産主義との親和性が高い。トッドがそもそも家族型と社会体制の関係に思い至ったのは、外婚制共同体家族と共産主義勢力の分布がほぼ一致する事実からである。子供の教育には熱心ではない。女性の地位は一般に低いが、ロシアは共同体家族の歴史が浅く例外的に高い。
 
 5. 内婚制共同体家族 (la famille communautaire endogame)
    息子はすべて親元に残り、大家族を作る。親の権威は形式的であり、兄弟は平等である。父方平行いとこ(兄と弟の子供同士)の結婚が優先される。権威よりも慣習が優先する。トルコなどの西アジア中央アジア北アフリカ、フランス領コルシカ島に見られる。イスラム教との親和性が高い。子供の教育には熱心ではない。女性の地位は低い。
 
 6. 非対称共同体家族 (la famille communautaire asymétrique)
    母系のいとこの結婚が優先される。親は子に対し権威的であり、兄弟姉妹は兄と妹、または姉と弟は連帯するが同性では連帯しない。インド南部に見られる。子供の教育に熱心である。女性の地位は高い。カースト制度において自らを下位に位置づける。
 
 7. アノミー的家族 (la famille anomique)
    基本的に核家族に近いが、はっきりした家族の規則は見出しにくい。東南アジア (ベトナムを除く)、太平洋マダガスカルアメリカ先住民に見られる。社会の結束が弱い。宗教に寛容であり、上座部仏教を中心としてイスラム教カトリックも存在する。
 
 8. アフリカ・システム (le système des familiaux africains)
    一夫多妻が普通に見られる。この一夫多妻は母子家庭の集まりに近く、父親の下に統合されるものではない。女性の地位は不定だが、必ずしも低くはない。離婚率が高い。それ以外は多様であり、民族により共同体家族的でも直系家族的でもあり得る。北アフリカとエチオピアを除くアフリカに見られる。
 
トッドはこれら家族制度こそが、社会の価値観を生み出すのだと主張した。これを先験的(アプリオリ)と表現する。すなわちこれらの価値観は、特定の家族制度のもとに生まれることで自動的に身につけるからである。

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