注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
ここまでの状況になるのは、戦後初めてと言っていい。そして、怒鳴り合いで始まったその喧嘩が、今度は「制裁と法廷での争い」にエスカレートする恐れも出てきている。
先週18日、欧州委員会委員長のジャン=クロード・ユンケルが「EUの域内企業がアメリカの対イラン制裁に参加することを禁じる措置(ブロッキング・スタチュート)」の発動を発表した。
ようするに「イランとビジネスを続けるEU企業は、今後アメリカを相手に仕事が出来なくなる」と迫る米トランプ政権に対して、欧州側が「アメリカの言うことに従う域内企業はEU本部から制裁を受けることになる」として法的な対抗措置を講じたのだ。
https://www.zerohedge.com/news/2018-05-17/eu-launches-rebellion-against-trumps-iran-sanctions-bans-european-companies
【 貿易戦争 】
またトランプは、ドイツ政府に対して「独露間を結ぶ天然ガスパイプラインのプロジェクト“ノルド・ストリーム2(Nord Stream2)”の建設を中止しなければ制裁をかける」と言って圧力を強めている。ようは「ロシア産のガスではなくアメリカ産のガスを買え、さもないとアメリカはドイツから車を買わない」と言っているのだ。しかし、アメリカのガスはロシアのガスに比べて2割も高い。
それでもトランプは、輸出に依存しているドイツの自動車業界を人質にとって、
...(以下有料部分)
(中略)
「アメリカは、自分たちが核合意から離脱した後ただちに、イランも核合意から離脱し、イランの問題をすぐに国連安保理に付託して、すべての決議や制裁を復活させ、イランを世界で孤立させようと考えていたが、そのような陰謀は失敗した」としました。
さらに、世界は今日、アメリカのトランプ大統領による核合意からの離脱を、世界の平和や安全に反する非合法で誤った行動とみなしており、それはイランの成功だとしました。
(中略)
核合意の締結国であるイギリス、フランス、ロシア、中国、ドイツ、EUは、この国際合意を支持するとしています。
エッティンガー委員は、ドイツのラジオのインタビューで、アメリカは、イランと経済協力を行う国に対しても制裁を行使すると脅迫したとし、「EUはアメリカの脅迫とは関係なく、近くイランに金融面での投資を行うだろう」と強調しました。
また、対イラン制裁を強化するというアメリカ政府の発表に触れ、「EUはイランとの関係の継続を求める」としました。
エッティンガー委員はさらに、アメリカのトランプ大統領は、EUはアメリカの市場を必要としておらず、むしろ、アメリカがデジタル分野など自国の様々な製品の輸出のためにヨーロッパの市場を必要としている」と述べました。
わお! EUは1996年のブロッキング法を適用することも考慮と、EU議長ユンカー! 米国が、イランと取引するEU企業を制裁しようとしても、米国の国内法はEUには適用されないとする内容。当時のクリントンも制裁断念させた方法。 https://t.co/frPpXd9mkU
— mko (@trappedsoldier) May 20, 2018
Earlier, the chief of the EU Commission, Jean-Claude @JunckerEU, stated that #Brussels planned to apply a 1996 law that would prohibit European companies from complying with any sanctions the US would reintroduce against #Tehran https://t.co/2037BE00DO pic.twitter.com/liW5Qf9oJy
— Sputnik (@SputnikInt) 2018年5月20日
イランのガス田開発、フランスのトタルが米国に遠慮して撤退へ。代わりに中国国営石油会社が参入。https://t.co/KZQ6sBwvxS
— 藤原直哉 (@naoyafujiwara) May 20, 2018
【SP】EU、イランとの石油取引の支払いをドルからユーロに切り替える計画-外交筋 https://t.co/obTyWGPDNP
— 衣笠書林@猫の生活が第一 (@syuugoro2) May 16, 2018
★その内、人民元が世界通貨になるんじゃないか?今のままの成長率だと10年後には中国は米国のGDPを追い越す。中国を敵視して米国に捨てられて、日本はどうする気だ。
大ニュース! EUが米ドルを捨てる! ユーロでイラン石油を買い続けると約束! イラン核合意を離脱した米国への極大ブーメラン! https://t.co/n0P2nBqQF0
— mko (@trappedsoldier) May 16, 2018
Europe to ditch US dollar in payments for Iranian oil – source https://t.co/4eS29AvPIo pic.twitter.com/QyOkuDpXID
— RT (@RT_com) 2018年5月16日
「米国はイラン核合意をめぐり、EUを脅迫している。フランス、イギリス、ドイツが総攻撃されてい。それがロシアからも見える。最終目標は、イランとの貿易・取引を完全に停止することだ」―ロシア外相ラブロフ https://t.co/frfuLHAuUc
— mko (@trappedsoldier) May 15, 2018
#Lavrov,#US starts turning the Heat up on #EU over #Iran Deal,#France,Great Britain & #Germany have come under the Gun from the #US over the #Iranian Nuclear deal,#Russia could see pressure being exerted on them,Ultimatums have been issued citing the need to stop trade with #Iran pic.twitter.com/xCSViDOpNr
— Maurice Schleepen (@MauriceSchleepe) 2018年5月15日
しかし、結果は逆に、アメリカが世界から孤立する方向に動いています。“続きはこちらから”以降の一連のツイートは、下から順に見ていただくとよくわかります。ロシアのラヴロフ外相は、米国の行為はEUへの脅迫だとしています。米国はイランと取引するEU企業を制裁することで、EUに圧力をかけましたが、EU側はアメリカを切り捨てることにしたようです。
EUは、イランとの石油取引でドルからユーロに切り替えるとのこと。しかも、イランと取引するEU企業への米国の制裁には対抗措置を適用するということで、結果的には、アメリカの没落を早めた形になってしまいました。
意図的な米国の破産か、あるいは世界通貨リセットを考慮して、このような動きをわざと取っているのだとすれば、トランプ大統領は、かなり頭の良い人だということになります。
果たしてどちらなのでしょう。