里山社屋主義(27) 外壁と塗装

外壁と塗装
久しぶりの「里山社屋主義」連載です。多忙のため、長らく連載を中断してしまいましたことお詫びいたします。
前回はサッシが納まったところでした。次は、外壁です。

今回外壁にも、地元の木の板を使いました。味のある木目と色の変化がいいですね〜。

板を縦に張り、間の目地を「押し縁」という細い木で押さえています。


板を貼るのに使う釘は、色々な事情を考慮して、大工さんが特別なものを選んでくださいました。それがこちらです:


ステンレス素材のリング釘です。「リング」というのは、釘の周りに輪っかのような突起が出ていることを意味します。

まず素材がステンレスなので、雨が当たっても錆びません。次の写真は、今回の釘(左)と通常の鉄釘(右)の、1年半〜2年後の状態を比較したものです。


加えて、表面にリング状の突起が付いているので、シッカリと木に食い込み、板を固定します。今回使用した木はあまり乾燥していないため、時間が経つと強く反る可能性があり、通常の釘ではこの力に負けてしまうおそれがありました。

値段は同じ鉄の釘に比べて4倍ほどになってしまうものの、効果は抜群でした。
建物ができてから1年半以上が経ちますが、この釘を使っていただいた場所は、木が浮いたり、歪んだり、外れたりといったことが一切ありません。しかも錆が出ないので美しいです。



今回施工をお願いした材料は、ご覧の通りそれぞれが個性の強い、様々な色や模様の木でした。それらを建物の各面に上手に組み合わせて、綺麗に仕上げてくださいました:


また、逆木にならないよう、1枚1枚、板の上下の向きをきちんと揃えて貼って下さっていたのが、とても印象的でした。普通の人には気付かない…しかし大事な違いに、気を配っておられました。

さて、大工さんが足場を解体する前に、近くの助っ人の方にお願いして塗装を行いました。塗料には、以前の回で紹介した柿心」を採用しました。


矢切(上の三角部分)が塗装後、下が未塗装の状態です。木の元々の色が、より鮮やかになったように感じました。

ただ、「柿心」のクリアカラーを、それも1回だけ塗った状態では、耐候性には難があったようです。1年半経った現在、上の写真の場所は次のようになっています。


黒ずみは、柿渋のタンニンが黒くなったのと、木材が雨に当たり続けて黒ずんだものとが、混ざっていると思われます。折角の塗装直後の鮮やかさと比べると少々寂しいものがあります。

今度は、顔料がしっかりと入った塗料を使って、2度目の塗装を行う予定です。

(シャンティ・フーラ スタッフ るぱぱ)

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