地球ニュース:イスラエルが切望するアルマゲドン 2/2

 崖っぷちカバールの最後の砦といえば、ならず者国家のイスラエルとウクライナ(とスイスのロスチャ本部)。中でもイスラエルは、中東で第三次世界大戦すなわちアルマゲドンを開始させようとなりふり構わずロシアを挑発しています。
 昨日はジェイク・モーフォニオス氏の2つの動画による情報を元に、17日月曜日夜に起こったシリアのラタキア空爆事件の経緯を見ていきました。
 本当にロシア軍Il-20機はおっちょこちょいなシリア軍のS-200が誤爆したのか、それともイスラエルのF-16戦闘機やフランスの軍艦が狙って爆撃したのかは分りません。プーチン大統領が第三次世界大戦を避けるため、アメリカやイスラエルの筋書きに話を合わせているのかどうかも不明。
 ただ調べれば調べるほど、ロシアが四面楚歌な状態です。これでよく我慢できるなぁ、と改めてプーチンさんを尊敬しましたわ。普通なら絶対無理、というレベルです。
(Yutika)
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イスラエルが切望するアルマゲドン 2/2

アメリカとイスラエルの主張


何故かいち早くアメリカCNNが「シリア軍がロシア軍機を誤爆しちゃったのよん」と唱え、世界中の有識者の皆さんから「シリアのS-200はロシア軍があげたんじゃい! そやからレーダーに味方として認識されていた航空機を撃ち落とす訣ないやろ」とつっこまれまくっておりました。


米軍はシリア軍の緊急救助発信を傍受し、さらに(何故だか)名指し出来ない「別の国(another country)」に詳しい状況と飛行機の型について教えてもらったそうです。そして匿名のアメリカ当局筋がCNNにタレコミをしたという流れらしいです。……アメリカと仲良しこよしの「事件について知識を有する某国」ってイスラエルしかおらへんやん、それ。

するとそれまで沈黙していたイスラエル軍がアメリカの説に乗っかって一連のツイートをかましてきました。声明文の中身を抜粋してみましょう:

イスラエルはシリアの対空砲火によって今夜撃ち落とされたロシア機の乗組員たちの死に対してお悔み申し上げます。イスラエルはロシア機を撃墜した軍の所属先であるアサド政権が、この事件について全ての責任を負うべきと見ております。

イスラエルはまた、イランとテロ組織ヒズボラもこの不幸な事件について責任があると見ております。

一晩かけてIAF【※イスラエル空軍】のジェット戦闘機は、シリア軍のとある施設を標的にしておりました。イランのために、【この施設から】精密で致命的な兵器の製造システムがレバノンのヒズボラへと移されようとしていたのです。」


イスラエルのF-16戦闘機です。今回の軍事攻撃、シリアだけでなく多分レバノンの領空侵犯もしているのでは。9月に入ってからだと、報告が上がっているものだけでも4日のタルトゥース港、15日のダマスカス国際空港に次ぎ3回目のシリア侵略。

悪いのは全部シリア軍だも~んってことらしいです。こ奴ら「とある施設」って一箇所だけみたいに語ってますけど、発電所とか複数標的にして何十発も撃ち込んでました。多分シリアの建物全部がイランないしはヒズボラ関連施設なんでしょう――な、訣あるか!

……イスラエルって大概こんな感じです。世の中なめきってやがるんですよ、70年前にパレスチナを違法占領してから暴挙の限りを尽くしてるのに誰も叱らないから。普段はノーコメントなので、こんなにすぐ「シリア攻撃しました」って認めるだけでもエライ(?)のです。珍しすぎて「挙動不審」という四字熟語がよぎりましてよ。

さてイスラエル空軍の主張の続き:
「1.広範囲かつ不正確なシリアの対空(地対空ミサイル)砲火【※S-200のこと】が、ロシア機に当たり、墜落を引き起こしました。
 2.シリア軍がロシア機に着弾したミサイルを発射したとき、IAFジェット機【※4機のF-16のこと】は既にイスラエルの領空内に【戻って】おりました。
 3.ラタキアの標的に対する攻撃【進行】中、その後撃墜された当該ロシア機は作戦の範囲内にはいませんでした。
 4.シリアの対空砲火は無差別なもので、ロシアの航空機が上空にいないかどうか確かめようともしなかったと我々は見ています。」

……えーと私が素人だから首を傾げるのかもしれませんが、ミサイル発射したとき既に現場にいなかったら、どうやって誤認識するの? 作戦の範囲内にいたから隠れ蓑に出来たんじゃあ?? そもそもロシアは調査を開始したばかりなのに、何故にお前さんは断言出来る???

軍事的に矛盾した点


シリアンガールさんは、イスラエル軍の手でIl-20を撃ち落とすことを当初から狙った航路を取っていると指摘:

赤い線がIl-20、青いのがイスラエルのF-16戦闘機の動き。赤い×印が撃墜された場所。そして黒い四角の飛行機印がフメイミム空軍基地。海上の黒い四角に船のマークは上がロシア艦船、斜め下がフランス艦船です。

またセス・フランツマン氏も「ちょっと待て。F-16戦闘機の速度はIl-20よりも遥かに速く、時速2千キロ圏内だ。一方のIl-20は着陸しようと減速しており、時速約200キロかつ高度5キロ。つまりF-16hがIl-20の近づけたのは、ほんの一秒だろう。」とツイート:

続けてF-16機がIl-20を“隠れ蓑”として利用するには、Il-20がこの場所に来ること、そしてシリアの防空【体制】がその一瞬で使用されること【の両方】を【事前に】分かっておかねばならない。そしてその場所に隠れる計画を立てておかねば。」とツイートしています。

別の方のツイートはこう指摘:
「否。TAR【=レーダー目標捕捉】が向かってくる標的を拾うと、IFF【=敵味方識別装置】トランスポンダ・システムを介してそのブリップ【=レーター上の映像】が味方のものかを指揮車輌が決定する。TELAR【=輸送車兼用起立式レーダー装備発射機】やTEL【=輸送起立発射機】に発射許可を与える前にだ。この事実に加え、IL-20は35キロ沖で撃墜されたとなるとフランスの発砲を示唆している。

TELとかTELARてのは、こういうことらしいっす:

ちなみにIl-20を誤爆したとされるS-200はこちら:


この動画をツイートしたシリアンガールさん曰く「S-200は熱線追尾式ミサイルではありません。地上レーダー誘導ミサイルで、標的に近付くと爆発して【無数の】破片と化します。もしイスラエルのF-16機がロシア機を隠れ蓑にするくらい近ついていれば、F-16も撃墜されていた筈です。」と指摘。

要するに、大きなミサイル一発がどーんと機体にぶつかるのではなく、細かい散弾銃みたいなのが雨あられ状態でわらわら襲ってくるのでしょうか……あ、近くにいたら危険ですね、そりゃ。で、事前にIFFが敵味方を識別してしまうから、イスラエルが主張するようにF-16機が即座に現場を離れていれば、Il-20の方を撃つのはおかしい、と。


イスラエルとNATOによる追い込み


ですが現在、ロシア軍がIl-20を撃ち落とした(とされる)シリアの第44大隊を“逮捕”し、フメイミム基地に連行した、という噂が出て来ました。

※シリア軍逮捕の噂を流している一例。イスラエル軍関係者です。写真はS-200。

ちなみにNATOはオランダやカナダやギリシャの戦艦もシリアへと向かわせています。既に現地に配備されている米国・英国・フランスの戦艦をサポートするためだそう。勿論、それに対抗してロシア海軍も戦艦を出しています。……地中海は現在、火の海の一歩手前です:


宗教的に見た場合


またロシア側が懸念しているのが中国の動きです。ソルカ・ファール女史の記事によると、イスラエルが最大の港を中国にこれから先25年間使わせることを許可し、アメリカ海軍を締め出しました。トランプ側のディープ・ステート粛清に警戒してのことでしょうか。

ロシアは中国とは良好な関係なのでは、と一瞬首を捻ったのですが、リンク先のゼロヘッジの記事によると、今年2月から中国では宗教事務条例の改正が導入され、十字架が壊され、聖書が焼かれ、教会が閉鎖され、キリスト教の信者には信仰を放棄するとの書面に署名を強要している」のだそう。「もしキリスト教徒がこの署名を拒めば、職を失ったり、政府からのあらゆる給付が打ち切られる可能性がある」とも書いています。


河南省で実際に聖書が焼かれている様子。同省で破壊された十字架は7千以上だそうです。閉鎖されていない教会内には顔認識システムと繋がったカメラを設置し、参拝者を割り出して監視するようになりました。またインターネット上でも宗教活動を窺わせる文章・画像・動画を掲載していないか、監視体制を強化しています。

そもそもシリアでロシアが戦争に参加しているのは、正教会から「Holy War(聖戦)」を許可されたから。ソルカ・ファール女史は現在のロシアが「キリスト教による聖権および民主政治体制」だと形容しており、「Just War(正戦)論」上はキリスト教を迫害する相手にしか手を出してはならぬらしく、ロシアとしてはこれを非常に厳格に捉えているようなのです。

オスマン帝国の復興を夢見るトルコや大イスラエル構想のイスラエルは、少なくとも名目上はISISのように打倒キリスト教を掲げてはいないため、彼らによってシリアでロシア兵士がどれだけ殺されようと手を出せない、でも中国の今年に入ってからの姿勢は「聖戦」に該当する可能性が出て来ている、という意見でした。


プーチンさんはショイグ国防相と共に20日にも、ロシア陸軍の大聖堂の定礎式に出席。大変敬虔深そうです。


宗教的にはシリアのこの辺り、エブラという場所に本当の「アルマゲドンの谷」がある、と指摘している動画もありました。丁度、米国子飼いのISISが陣取っているイドリブとアレッポの間くらいでしょうか。

旧約聖書の『申命記』によると、かつてシリアにはレファイム人あるいはエミム人すなわち巨人族(天使の息子たちで人間の娘と交わった者)が住んでおり、彼らがノアの洪水の後に最初に建設した都市国家がエブラ。ここには地下深くまで頭蓋骨の並ぶカタコンベ(地下墓地)があって、人肉を食べたレプ系の生き物が潜んでいるとか云々。


エブラはテル・マルディーフ(Tell Mardikh)とも呼ばれ、ヘブライ語だとエル・アル・マゲドン(El Al Mageddon)となるらしく。アル・マゲド・ンで「新政府の坐す地」という意味。聖書の時代、ユダヤ人がパレスチナに入植した際に、現地でも「エブラ」と「アル・マゲドンの谷」と名付けたので、そっちは偽物だそう。

この本当の「最初の世界政府の地」で、黒い太陽崇拝(ようするにナチスの悪魔崇拝)している連中が(大半の)人類を滅ぼす最終戦争を起こそうと、米国・ロシア・中国といった大国を現地に集結させている、という非常に不気味な解釈でした。

イスラエルがここまで計画して、中国軍に港を貸し出したり、ロシアを挑発しているのだとしたら非常に怖い話です。


ウクライナもやばい


さて一方、イスラエルの子分のアメリカです。Il-20の撃墜と時を同じくしてポーランドのアンジェイ・ドゥダ大統領が訪米していたのですが、自国に米軍が常駐する基地を設置するよう要請しました。しかもトランプさんの名前を付けて「トランプ基地」と呼んではどうか、と自尊心をくすぐるおまけまでつけて。こちらの記事によると、建設費用としてポーランド側が数十億ドル負担するとも申し出ました:

ドゥダは反ロシアのネオコン、特にロシアのパイプライン利権に反対する立場だそうです。ドイツが最近渋っている米国の液化天然ガス購入にも乗り気だそう。トランプ氏が喜びそうなお土産が目白押し。

こうなるとロシアとアメリカの緊張は、ウクライナを挟んでも高まってきました。

ということで現在ロシアはこちらの記事によると、T-62戦車を列車に載せ、西側の国境近くへ大量に移動させているようです。


これを船に載せてシリアまで持って行くつもりなのか、ウクライナ国境沿いに配置されるのかは依然として意見が分かれるところですが、ロシアにとって最も厄介なのはウクライナ。つまりシリア戦に全力投入する訣にもいかない状況でして、こうして細かく事態を眺めれば眺めるほど、いかに四面楚歌状態なのかが窺われるのでした。


文・Yutika

註:【 】内は訳者の追記部分です。また訳文は日本語での読み易さを優先して、見出しを加えており、原文とは異なる形で文や段落を分割することもあります。


Writer

Yutika

体癖:8−2、エニアグラム:4
関西の英語塾で教えつつ、翻訳業(英語&仏語)をしております。


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