注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
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山田正彦
配信元)
Facebook 19/4/28
自家増殖(採種)禁止の種苗法改訂法案が参議院選挙が終わったら国会に提出されそうです。
農水省は2回目の審議会を連休明けにも開いて着々と準備しています。違反したら10年以下の懲役、1000万以下の罰金。 共謀罪の対象になります。
それについて大切なヒントです。
(中略)
私は日本のタネを守る会の杉山さんと広島県のジーンバンクを訪ねましたが、驚きました。
凄い取り組みです。
既に1988年に広島県と民間の企業、個人有志の寄付で基金を募り財団法人を設立して、伝統的な固定種を発掘調査、保存管理してきたのです。
今では稲、飼料作物、豆類、伝統野菜など5160点に及ぶ種子を保存して、県内の農家に無料で貸し出ししているのです。
(中略)
もともと30年ほど前に、県がジーンバンクを設立した趣旨は 企業による種子の囲い込みが始まったので皆の共有の財産として守る為だったそうです。
自家増殖 (採取)が禁止されると、実は伝統的な固定種の栽培を続けてきた有機栽培農家も安心しておられません。
先に農水省の特例によって自家増殖が禁止されたキノコでは、日本でも既に企業から生産者に対して6件の裁判が起こされています。
しかし、広島県のようにジーンバンクで伝統的な固定種の特性をデータ管理すれば、裁判されても有機栽培農家も先使用の権利を主張できるので安心です。
(以下略)
農水省は2回目の審議会を連休明けにも開いて着々と準備しています。違反したら10年以下の懲役、1000万以下の罰金。 共謀罪の対象になります。
それについて大切なヒントです。
(中略)
私は日本のタネを守る会の杉山さんと広島県のジーンバンクを訪ねましたが、驚きました。
凄い取り組みです。
既に1988年に広島県と民間の企業、個人有志の寄付で基金を募り財団法人を設立して、伝統的な固定種を発掘調査、保存管理してきたのです。
今では稲、飼料作物、豆類、伝統野菜など5160点に及ぶ種子を保存して、県内の農家に無料で貸し出ししているのです。
(中略)
もともと30年ほど前に、県がジーンバンクを設立した趣旨は 企業による種子の囲い込みが始まったので皆の共有の財産として守る為だったそうです。
自家増殖 (採取)が禁止されると、実は伝統的な固定種の栽培を続けてきた有機栽培農家も安心しておられません。
先に農水省の特例によって自家増殖が禁止されたキノコでは、日本でも既に企業から生産者に対して6件の裁判が起こされています。
しかし、広島県のようにジーンバンクで伝統的な固定種の特性をデータ管理すれば、裁判されても有機栽培農家も先使用の権利を主張できるので安心です。
(以下略)
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広島お宝野菜を発掘
引用元)
NewsLetter中国四国農政局 広島農政事務所 2010/2
在来野菜と農業ジーンバンク(遺伝子銀行)
地域に固有な在来野菜は、その土地、気象条件や食生活等に適応したものが残っています。
これらの多くは独特の味や香りを持っています。広島菜、わけぎ、観音ねぎ、青大きゅうりなど広島県内各地でその地位を確立しているものがたくさんあります。
一方、かつて地域で親しまれながら現在は忘れられているものの、伝統的な野菜として再生産すれば、再び広く消費が期待される野菜等があります。
(財)広島県農林振興センターの農業ジーンバンクには、そのような可能性を秘めた多くの種子が保存されています。
(以下略)
地域に固有な在来野菜は、その土地、気象条件や食生活等に適応したものが残っています。
これらの多くは独特の味や香りを持っています。広島菜、わけぎ、観音ねぎ、青大きゅうりなど広島県内各地でその地位を確立しているものがたくさんあります。
一方、かつて地域で親しまれながら現在は忘れられているものの、伝統的な野菜として再生産すれば、再び広く消費が期待される野菜等があります。
(財)広島県農林振興センターの農業ジーンバンクには、そのような可能性を秘めた多くの種子が保存されています。
(以下略)
今度の参議院選挙が終わった頃を見計らって、農水省は自家増殖(採種)禁止の種苗法改訂法案を提出するそうです。自ら作物の種を採ったら懲役刑、罰金、その上、共謀罪の対象となるひどいものです。
その対処を研究するために山田氏らが訪れたのは、広島県の「ジーンバンク(遺伝子銀行)」でした。
初めて知ったのですが、このジーンバンクとは、みんなの共有の財産である種子を守るという先進的な目的で、なんと1988年に設立されており、当時から広島の伝統的な在来作物の種子を保存、維持管理してきた稀有な財団法人です。現在1500種もの伝統野菜を育てつつ、実際に農家の方々と種子の配布や収集などやり取りをしているそうです。広島菜、わけぎ、観音ネギなど身近な野菜の種子がF1と言われる一世代限りの品種ではない、固定種で保存されます。種を純粋に維持するためには「交雑」を避ける大変な努力が必要だそうです。
最も注目すべき点は、このように伝統的な固定種のデータを保存管理していれば、たとえ政府が自家増殖を禁止しても、裁判で「先使用」の権利を主張できるらしいのです。
大企業による種子の囲い込みに危機感を感じた先人たちの地道な努力のおかげで、日本の農業が守られる道が見えました。