外務省がHPで、ソウル、福島、東京などの放射線量を公表 〜 ソウルと福島が同程度の数値とされるが韓国は世界最大級の花崗岩地帯で自然放射線が多い、福島は原発由来の放射能汚染でしかも測定が不明確

 外務省が、韓国の日本大使館HPで、東京・福島市・いわき市・ソウル市の放射線量を掲載し始めました。データは国や自治体が公表したもので、例えば24日午後0時のものでは、ソウル0.11μSv、新宿0.036μSv、福島市は0.132μSv、いわき市は0.060μSvという数字が並んでいます。ソウルと福島の数値にあまり差がないことを示し「福島市の放射能汚染は問題ない、ソウルと同程度だ」と受け取れるものになっています。事実、データ公表は「東京電力福島第1原発事故以降の放射能汚染に対する懸念を払拭するのが狙い」とあります。この数値が信頼できるものであれば幸いですが、ネット上では即座に「デタラメ」「ごまかし」の声が上がっていました。中でも東海アマさんは、この外務省の公表が「韓国政府による放射能汚染問題告発への意趣返し」と見て、データを疑問視されています。
 東海アマさんによると、正確な数値を得ることは簡単ではなく、実際にいろんなタイプのガンマ線測定器を使用し、その性質や正確さを比較すると、出てくる数値は決して一定ではないようです。その測定器の特性によっては現実の汚染度を見誤ることになりかねません。とりわけ十分な測定時間は重要で、1分程度の測定時間では全く信用できないと断言されます。以前にモニタリングポストが設置ミスなどにより実際よりも1割低い数値が出ると問題になったこともありました。隠蔽体質の国の測定がまず怪しい。
 次に、重要なこととして「花崗岩地帯は、東京のローム土壌に比べて空間線量が高い」のだそうです。日本でも広島や岡山はじめ全国の花崗岩地帯はカリウム40の線量が高く出るそうです。しかしカリウム40は生物が何億年もかけて排泄能力を獲得してきたので、健康には問題ない。線量の高いとされたソウルは、世界最大級の花崗岩地帯で、そもそもこうした自然放射線を大量に含んでいると考えられます。この高い線量にセシウムやテルルが含まれていれば、初めて原発由来の「放射能汚染」と判断できますが、外務省はそこまで責任を持って調査してくれたのか。
韓国の原発事故に厳しい指摘をされてきた東海アマさんの考察であればこそ、説得力があります。
 そして最も重要なのは、福島や東京の線量が本当に事故以前と同等に低いのか、という点です。放射能汚染土を移動させて、そこを測定すれば、無論低い線量は得られるし、また除染を行なっていない土地でも事故後8年の間に、セシウムは土壌の中を10〜20cmも沈降してしまい、土の遮蔽によって数値が下がったように見えるのだそうです。しかしセシウムやストロンチウムが消えて無くなったわけではなく、その土壌でできた作物を通して内部被曝を起こします。
 日本政府は、国際機関が手を尽くして調査しても大丈夫と言える数値を公表しているのか?
ましていわんやデータ隠蔽、改ざん、紛失を世界に向かってやっていないだろうね?
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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外務省がHPで福島、ソウルなどの放射線量掲載 韓国内での懸念払拭へ
引用元)
外務省が在韓国日本大使館のホームページで、東京や福島、韓国・ソウルなど4都市の放射線量の掲載を始めたことが25日、わかった。両国内の放射線量に差がないことを示し、東京電力福島第1原発事故以降の放射能汚染に対する懸念を払拭するのが狙い。原則として毎日更新し、韓国語でも閲覧できる。
(以下略)
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環境放射線測定の誤解
引用元)

(前略)
日本政府は、韓国政府による放射能汚染問題告発への意趣返しとして、在韓日本大使館のHPにて、ソウルの環境放射線量の継続的測定と公表を始めた
(中略)
 これによれば、ソウル市内の環境放射線量(ガンマ線)は、0.1マイクロシーベルト毎時を超えているが、東京は0.036マイクロ毎時になっている。これは事故前の値に近い平常値である。

 つまり、「ソウルの放射線量は、日本よりも、はるかに高いじゃないか」と言いたいわけだが、環境放射線の測定については、日本政府は、ずいぶんひどい誤魔化しを常態化させているので、注意を喚起するために書くことにする。



(中略)
 (中略)朝鮮半島は世界最大級の花崗岩地帯であり、本来、花崗岩由来のトリウム系列・ウラン系列の自然放射線を大量に含んでいるので、環境線量が高いのが普通であると考える。
(中略)
 それなのに、ネット上のネトウヨ言論界では、韓国が放射能汚染されていると声高に叫ぶコンテンツがたくさん出ている。
(中略)
これらの多くは、朝鮮半島が放射線量の高い花崗岩地帯である予備知識がないのだろう。また、ソウル程度の環境線量は、広島や岡山では全然珍しくもないし、全国の花崗岩地帯は、すべて同じである
(中略)
 あと、どうしても理解して欲しいことは、フクイチ事故後、8年を経て、汚染された各地の値が平常値に戻っているといわれるが、これは事実を著しく歪曲している

 放射能汚染土を移動して、汚染されない深い土壌が地表に出ていれば、もちろん線量は下がる。しかし、土壌除染を行っていない場所の放射能を調べると、半減期の理論値(セシウム137は約30年)どおりの結果であり、事故から8年では約8割が残っている。

非除染地で、環境放射線値が下がっている本当の理由は、セシウムが汚染後、10年程度で土壌を10~20センチも沈降し、土壌の中の泥質、ゼオライト質に吸着され、土壌の遮蔽によって下がったのである
 それを、あたかも「放射能が時間とともに消えた」ような虚偽の説明を、政府や福島県が行っているのは、重大な欺瞞である。
(以下略)
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日本と韓国の空間線量率
最近,特に韓国において日本の放射線量等についての関心が高まっていることを踏まえ,日本の首都(東京),福島県(福島市・いわき市)及び韓国の首都(ソウル)の空間線量率について,今後,原則として大使館休館日等を除く毎日更新することとし,過去の記録についてもアーカイブ化することとしました。

以下に示すとおり,日本の下記3都市の空間線量率はソウルを含む海外の主要都市のそれと比較しても同等の水準です。
なお,天候などの違い(注)により,環境中の放射線量は変動します。
日本政府としては,今後も科学的根拠に基づいた正確な情報を提供し,透明性をもって丁寧に説明していく考えであり,日本の放射線量についての韓国国民の理解が深まることを希望します。


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配信元)


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