メキシコ便り(51):ロペス・オブラドール大統領就任1周年演説、この1年間の功績と治安問題について語る。カルテルに精通したアナベルさん「大統領の治安改善策は間違っている!」と主張!

 ボリビア大統領、エボ・モラレスさんは、メキシコで元気にやっています。前回の記者会見は風邪を引かれていたせいか、クーデターから日にちが経ってきたせいか、ちょっと雰囲気柔らかくなっていました。(よかったぁ〜😊)毎週水曜日に記者会見を開いているようで、前回3回目の会見では、インターポール(国際刑事警察機構)が不正選挙の容疑で自分の逮捕を求めていると言っていました。するとその約1週間後12月5日(木)、あのOEA(英語ではOAS米州機構:モラレス大統領はOEAをクーデターの火付け役と言っていました)がモラレス大統領の不正選挙はなかったと発表し結果を急転換。❓❓❓❓❓訳のわからない世の動きになってきています。メキシコ大統領1周年記念式典に招待されたムヒカ元大統領は、傷付いた兄弟にハグをして労りたいといいモラレス大統領に会いに行きました。また大学でも記者会見し、今回、初めてロペス・オブラドール大統領のことを知ることができ、とても親切で良い人だと言っていました。
 先日の大統領プレス・コンファレンスで、ロペス・オブラドール大統領は、トランプ大統領と電話で話した内容をシェアしました。トランプ大統領「私に戦争をさせようとしている奴らがいるが、私は戦争はしたくない」オブラドール大統領「私も全く同じ気持ちです。」と言って、トランプ大統領と関係はとても良好だとアメリカの勝手なメキシコ侵略を心配するメキシコ国民を🍀安心🍀させました。

 さて今回は、大統領1周年の演説(功績と未解決問題)のまとめと、未だ治安が改善しないメキシコですが、カルテルに精通したジャーナリスト、アナベルさんが、先日「大統領の治安改善策は間違っている!」と主張。何が間違っていて、どうするべきなのか、アナベルさんの意見をまとめてみました。最後に、1周年記念式典で心あたたまる光景があったのでシェアしています。このクレイジーな世界の動きを脇にポイし「心がぽわ〜んとあったかくなるっていいなぁ〜。。。😊」と冬の訪れを窓から眺め、心の暖かさを味わうpopoちゃんでした!
(popoちゃん)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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メキシコ便り(51):ロペス・オブラドール大統領就任1周年演説、この1年間の功績と治安問題について語る。カルテルに精通したアナベルさん「大統領の治安改善策は間違っている!」と主張!

ロペス・オブラドール大統領、一周年記念演説


12月1日(日)ロペス・オブラドール大統領は、就任一周年を迎え、メキシコシティのソカロ(ダウンタウンの大広場)に集まった約25万人の公衆を前に90分にも及ぶ演説をしました。

12月1日、ソカロ大広場で演説をしているロペス・オブラドール大統領

演説は、メキシコの大変革は、もう見えるところまで来ていると始まり。。。

◎汚職撲滅の戦い
◎政府の節約・禁欲(大統領の予算、前政権に比べ75%減)
◎ガソリン盗難・不正選挙は重罪に(ガソリン盗難、94%減)
◎大統領の特別扱い(任期中は、裁判にかけられない)廃止
◎最低賃金の上昇(16%)
◎大企業の税金免除廃止
◎農業繁栄プログラム(23万人の雇用増加)
◎医療制度改革プログラム(将来的に無料を目指す)
◎身体障害者・高齢者の年金・弟子・学生の公的扶助
(95%の原住民世帯が、これらのいづれかの公的扶助を受けている)
◎利子なし、抵当なし、口約束で借りられる少額ローン
◎GMOとフラッキングの違法化


◎年間インフラ率3%
◎ドルに対しペソ4%強
◎株式市場2%UP
◎徴税増(前年の1月〜10月と比べ、今年は1396億9900万ペソ増)
◎14年間減少し続けていた石油生産に歯止め
◎既存の6つの石油精製所をアップグレードし、新たな石油精製所の建設進行中

などなど、この1年間のオブラドール政権の功績を述べ、100の公約のうち89実現済みを断言。


上のツイート文の意訳:メキシコ政府は、公約(100のうち89)を実現したことを再度断言。行政の信念は、すべての人:貧しい人、裕福な人、田舎の人、都会の人、女性、男性、そして原住民。国民が選んだ政府、国民のための政府である。

汚職撲滅運動、政府の禁欲を実践することで、増税なし、ガソリン価格の値上げなし、新たな国の借金なしに予算を組み実行できたこと、経済成長の数字は、思うように出ていないが、より良い富の分配は行われていると主張。

汚職撲滅運動に関しては、階段の上から掃除をしているが、まだ古いものは死んでなくて、新しいものは生まれていない、4T(メキシコ史上4番目の大改革)の基礎完成には、あと1年かかるとのこと。

上のツイート文意訳:メキシコ、これほど政治に関心を抱いている国民は、メキシコの過去にない。メキシコ、賢い国民。

そして、メキシコの一番の関心、治安問題。ロペス・オブラドール大統領は、メキシコは、過去の間違った治安政策、特に2006年カルデロン大統領が実施した麻薬撲滅戦争(カルテル撲滅戦争を装い、政府はシナロア・カルテル側につき保護し、他のカルテルの撲滅をやっていた。)の後遺症が未だに影響しているとのこと。そして、ドラッグ撲滅なしに治安改善はないとも言及。「失業問題、貧困問題、疎外問題」が治安問題の主な原因とし、政府全体の連携体制と国民のサポートで、必ず平和を取り戻すことを確信しているとも言っていました。

参考文献:Mexico News Daily
参考動画:ロペス・オブラドール大統領ユーチューブチャンネル


「ロペス・オブラドール大統領の治安改善策は間違っている!」と主張するアナベルさん


先日、とても興味深い動画を観ました。あのカルテルに精通したアナベル・エルナンデスさんが、Carmen Aristegui(カルメン・アリステーギ)さん(MVSラジオ番組102.5FMのホストをしていたが、前政権時代、前政権の汚職暴露の報道をしたため、即、首に。その後、ご自分のネット番組をスタート)ネット番組のインタビューに出演。

左)カルメン・アリステーギさん 右)アナベル・エルナンデスさん
アリステーギさんのネット番組でインタビュー

アナベルさんは、2010年、カルテルとメキシコ政府の癒着を暴露した本「Narcoland」を出版。おそらくメキシコでメキシコのカルテルについて彼女ほど精通している人はいないのでは?!popoちゃんは、メキシコ便り(6)で、このアナベルさんの本の内容をご紹介しました。

今回、また新たな本についてのインタビュー。毎度のこと爆弾💣発言の連続で、popoちゃんの頭ふっとび!そして、絶対、この本も読む!と思ったpopoちゃんでした。


インタビュー動画(約1時間15分)をざっとまとめるとこんな感じです。

新しい本「El Traidor」(裏切り者)は、シナロア・カルテルの本当のボス*El Mayo(エル・マヨ、ニックネーム)・サンバーダの息子(ヴィセンテ・サンバーダ)とその弁護士が、シナロア・カルテルの内部事情のすべてを5年間に渡りアナベルさんに暴露したという本。

アナベルさんの本「El Traidor」(裏切り者)
表紙の絵は、息子ヴィセンテが刑務所で描いた自画像

左から:エル・チャポ、ヴィセンテ・サンバーダ、エル・マヨ・サンバーダ

*世間では、現在、アメリカで終身刑を受け服役中の麻薬王エル・チャポ(ニックネーム)さんが、このシナロア・カルテルのボスということになっていますが、アナベルさんによると、エル・マヨが過去50年、シナロア・カルテルを牛耳っていて、チャポはエル・マヨからどんな些細なことも許可をもらわないと何もできなかったらしい。。。アナベルさんいわく、エル・チャポの裁判は真実の裁きではなく、ただのショーだったと。。。

2010年、アメリカが息子ヴィセンテの身柄引き渡しを要求。その際、息子ヴィセンテは、拒むことなく素直にアメリカへ。なぜならシナロア・カルテルとCIAはズブズブ関係で、ヴィセンテいわく、CIAがすぐに釈放するという約束になっていた。

上のツイート文意訳:「エル・マヨ サンバーダがシナロア・カルテルの本当のボスです。エル・チャポではなかった。」アナベル・エルナンデスさん
写真左)シナロア・カルテルの本当のボス、エル・マヨ・サンバーダ

。。。いつまで経っても釈放されないヴィセンテは、ついに頭にきて、シナロア・カルテルの内部事情を、彼の弁護士、フェルナンド・ガヒオラ氏を通じて、すべてアナベルさんに暴露することを決意。(ちなみにヴィセンテは2019年5月、19年の刑を下されています。wiki2011年から2015年、アナベルさんは、息子ヴィセンテと父エル・マヨの弁護士ガヒオラ氏からシナロア・カルテルの内部事情を聴き続けた。が、この弁護士が末期がんで余命宣告をされ、これを機に弁護士ガヒオラ氏は、ヴィセンテからの情報だけでなく、自分が知っているシナロア・カルテルのすべての秘密をアナベルさんに話すことを決意!


アナベルさんによると、メキシコ・シナロア州クリアカン市*は、世界最大のドラッグ問屋倉庫であり、またマリファナ、メタフェンタミンなどの生産地でもある。シナロア・カルテルは、コロンビアのコカインの最大バイヤー。輸送はすべて有名な合法企業のもとで堂々と。。。コカイン、そして他のドラッグの買い付けに世界中からクリアカンにやってくるらしい。シナロア・カルテルは世界の70%以上の国々とビジネスをしている。(ちなみに世界地図を番組で見せていましたが、日本は入っていませんでした。)

*以前のメキシコ便りでも記事にしたあの事件、政府がエル・チャポの息子の一人を逮捕後、カルテルが暴動を起こしたため釈放した騒動があったのがクリアカンです。



「なぜ、メキシコだけこんなに治安が悪くなったのか?」

メキシコ・シナロア州のクリアカンは、世界最大のドラッグ問屋で、昔は仲良くカルテル同士で分け合い、助け合いながら共存していたが、今では、カルテル間のビジネス・テリトリー争いが日常茶飯事。2000年、フォックス政権(2000〜2006年)が裏でアメリカからの指示に従い、1つのカルテル(シナロア・カルテル)を支持し始めたため、他のカルテルが怒り暴動。これが最初のメキシコ治安悪化のきっかけ。2006年からカルデロン政権がさらにシナロア・カルテルの支持を強めたが、その後、シナロア・カルテルは2つに分裂。政府内での支持も2つに分裂し、カルテル間の争いに火がつき激化、治安悪化、それが今に至るとアナベルさんは語る。

左から)フォックス大統領、エル・チャポ、カルデロン大統領

シナロア・カルテルのボス、エル・マヨは、多くの合法企業を所有し、未だそれらの企業とオブラドール政権は何百万ペソの契約を結んだままであることを指摘!

上のツイート文意訳:アナベル・エルナンデスさんによると、オブラドール政権は、マヨ・サンバーダの会社とビジネスをしている。

アナベルさんは、「貧困が治安問題の原因」であることを強く否定。早くからマリファナが合法化されたオランダは、今や、世界で最も化学物質まみれのメタフェンタミンを生産する国の一つに!オランダの治安は、やばいことになっているらしい。。。あるオランダの教授の研究発表によると「貧困」が治安問題の原因ではなく「免責」(刑罰を受けなくて済むこと)が治安問題の根源であると言っていたとアナベルさんは言う。


また、イタリアでは、政府が徹底的に「免責」ができないシステムを作ったため、イタリアのマフィアらは、イタリアでビジネスができなくなり他の国に。。。その結果、今のイタリア経済が低迷していると。。。イタリア政府がマフィアから没収した金額は、世界1位らしい。。。現在、近隣の国々は、イタリアのクリーン(不正ができない)なシステムを学びに来ていると。

アナベルさんは、「免責」ができないシステムを作ることが、治安問題を解決でき、オブラドール政権のように貧しい人々にお金を配り「貧困」をなくすことをしても、それは治安問題の解決にならないと主張。メキシコはずっとずっと昔から国民の50%は貧しかった。この20年間で急激に治安が悪くなったのは、政府とカルテルの癒着、そして免責のせいだと。


さすが専門家の興味深い意見ですが、ここでちょっとpopoちゃんの意見も。。。

オブラドール政権のモットーは「汚職・不正撲滅」。なので、すでに不正をなくすことは始まっています。大統領の言うように、階段を掃くように、上から(大統領、連邦レベル)始まっていますが、まだまだ州レベル以下がオブラドール政権に賛同している人とそうでない人がいるのは明白。大統領は、治安問題に真剣に取り組んでいる州とそうでない州があるので、来週あたりから、州ごとの犯罪数の報告を毎週やる予定だと言っていました。1日も早く、これらの不正をしている人たちの覚醒、改心を望みますが、まだまだ時間がかかるでしょう。

上のツイッター図の意訳:トランスペアレンシーの最近の調査によると、メキシコは、ラテンアメリカで、最も汚職撲滅に取り組んでいる国のランキング3位に。

エル・マヨの会社とオブラドール政権が未だビジネスをしているという情報にはびっくりしましたが、今までのオブラドール政権の傾向からみると、イタリアのようにメキシコ経済が低迷、あるいは破綻しては困るので、おそらくとても慎重に物事を運んでいると思います。ゆっくり慎重に、でも確実に「汚職・不正撲滅」を。。。オブラドール政権は、PEMEX(メキシコ国営石油会社)の汚職掃除に入った時、前政権からの契約はリスペクトし、そのまま継続しました。そして、今やガソリン泥棒94%減。これが大統領のやり方です。


あと、「免責」ができないシステム作りの件ですが、どんなに素晴らしいシステムを作っても、それを使う人がヤマ・ニヤマ(特に正直、不盗、不貪など)を守る気持ちがなければ、結局はどうにかして抜け穴を作り不正をするでしょう。やはり治安問題の最強改善策は、みんながヤマ・ニヤマに従って生きようと志すことのような気がします。

最後に、12月1日のロペス・オブラドール大統領の1周年の記念式展で、国民のエールを浴びながら大統領が登場しているときに、こんな心あたたまる光景を見ることができました💖


いつも、たくさんのおばちゃんアムロ・ファンをよく目にしますが、
ついにキッズアムロ・ファン登場!
親が子供に与える影響を、目の当たりで見た感じがしました。
日本でも、子供が総理大臣に抱きつく日が来るかな?!

¡Viva Mexico!
(メキシコ万歳!)

(popoちゃん)

Writer

popoちゃん

メキシコ人夫とメキシコ在住中♪
新アムロ政権の勢いある改革ぶりを中心に
「今のメキシコ」をお届けいたします!

体癖5・9、ピッタ・カファ、エニアグラム1


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