メキシコ便り(49):オブラドール政権、先日のクリアカン事件について前代未聞の詳細説明をし、国民に誠意を見せる!

 10月30日(水)朝の大統領プレス・コンファレンスで、先日、シナロア州・クリアカンでのエル・チャポ(麻薬王)の息子の一人、オディビオ・グスマンの逮捕(アメリカに身柄を引き渡すため)・釈放されるまでの分刻みの詳細が政府から発表。当時の事件の詳細は、前回のメキシコ便り(48)を!メキシコのユーチューバーやメディアは、一斉に声を揃え、政府がこのような詳細説明をするのは前代未聞だと。。。おそらく世界でも初めてではないかという声も。。。

 10月30日(水)のコンファレンスでは、政府側の説明だけで2時間経過。そのため記者からの質問は翌日に。そして、翌日31日(木)の質疑応答は、2時間40分と通常のコンファレンスの時間は遥かに上回り、後半、かなりヒートアップ!!!勝手に立ち上がって身振り手振りをしながら横から叫ぶ記者、同時にあちこちからマイクなしで直接、大統領に大声で質問する記者らなど、会場はいつもの穏やかで厳かな雰囲気とは一転。記者らの感情が会場全体に渦巻く中、大統領は、それに全く感情を乱されることなく、嫌な顔一つせず、誠心誠意、嫌な質問にも丁寧に、そして、時には力強い口調と厳しい眼差しで回答。反対派の意見に腹を立てることなく、むしろ歓迎する大統領。「反対派がいないと人生は退屈だ。」と。。。そんな大統領の余裕と愛ある対応が、メキシコ国民の心を宥め、愛で満たしてくれる。メキシコの過去、現在、すべてを知り尽くし、ウソのない、愛と尊重の意に満ちた大統領の答えは、誰よりも説得力あり✨

 31日(木)記者らの質問は尽きず、また翌日11月1日(金)に持ち越し。結局、まるまる3日間続いた、事件の説明と質疑応答。国民が納得するまで、とことん質問する機会を与えるオブラドール政権。これぞ、本物の民主主義!を見たような。。。何でも質問でき、それが尊重され丁寧に、誠心誠意、説明されるっていいなぁ〜、日本にもこんな日がくるといいなぁ〜と思いつつ、やっぱり政治にも絶対、愛が必要だと思ったpopoちゃんでした。

 さて今回の事件への国民の疑問は解けたのか?!記者らはなぜヒートアップしたのか?!政府が公開したオディビオの逮捕の瞬間の動画と共に、ご覧あれ♪
(popoちゃん)
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メキシコ便り(49):オブラドール政権、先日のクリアカン事件について前代未聞の詳細説明をし、国民に誠意を見せる!

政府の説明


10月30日(水)防衛大臣は、オディビオ・グスマンの逮捕・釈放の詳細を約30ページほどのプレゼンを2時間ほど説明。

防衛大臣、逮捕・釈放の詳細をプレゼンの一部。

逮捕・釈放に至るまで時系列にまとめたものの一部
1週間前にすでに麻薬部隊はクリアカン入りし、逮捕の準備をしていたよう。

一番、みんなが疑問に思っていたのは。。。

だれがこの逮捕を計画し、指示したのか?
だれが最初の逮捕時のウソをついたのか?
どう釈放に至ったのか?


そして、翌日10月31日(木)の質疑応答で、これらの疑問はこう明らかに。。。


「だれがこの逮捕を計画し、指示したのか?」


防衛省に属するが、独立しているEstado Mayor参謀本部:前政権まで、この機関に8000人の大統領を守る部隊がいたが、今はその部隊は廃止。という組織の一部の麻薬対策部隊(GAIN)が計画。GAINは1995年に作られたが、当初は19人程度で、実際に動き出したのは2006年カルデロン政権以降らしい。。。(El Universalより)

「だれが指示を出したのか?」と記者が防衛大臣に質問後、大統領は、防衛大臣に歩み寄り、GAINの責任者の名前を公表するように指示。そして防衛大臣は名前を発表。すべてを明らかにしたい大統領に、のち批判殺到!!!その責任者と家族の命を危険にさらさないためにも公表すべきではなかったなど。。。大統領いわく、公の役人(例えば裁判官など)はだれでも命の危険は付き物だと。。。公の任務を全うするにはそれは付きまとうと。。。GAINの責任者には、もちろん最大の配慮と保護を提供すると。。。

上のツイート訳:アムロ大統領の指示で、防衛大臣ルイス・クレセンシオは、クリアカン作戦失敗の責任者の名前を明らかにした。

これは本当に難しい問題!透明度100%にしたい大統領、が、上記のようにリスクがつくことも。。。改めて、正直さの度合いってむずかしいと思ったpopoちゃんでした。正直すぎて人を傷つけてしまうこともあるだろうし。。。また今回のように危険にさらす可能性ある。。。が、大統領は危険にさらされるという考え自体が古いと言う。それは前政権までの暴力的な麻薬政策があった頃の話。今の新しい政権の非暴力的なやり方では、このような心配は無用だと。。。いやぁ〜、ここまで断言して言えるってすごいなぁ〜。。。

上のツイート訳:アムロ大統領は、ワシントンからのオディビオ・グスマン・ロペスの逮捕命令(のうわさ)を否定。
プレス・コンファレンスで、大統領は、なぜ部隊がエル・チャポの息子の逮捕を実行したのかと質問された。

また、のちの質問「オディビア逮捕のDEAの関与、アメリカからの指示があったのか?」で、ロペス・オブラドール大統領は、DEA(アメリカ麻薬取締局)の介入、アメリカ・ワシントンからの指示/圧力を一切否定❗️

アメリカ、全く関与なし❗️

そして同時にアメリカ大使も一切の関与を否定❗️

メキシコのアメリカ大使は、クリアカン事件に関してアメリカ側の一切の関与を否定


「だれが最初の逮捕時のウソをついたのか?」


10月17日(木)事件当日の治安大臣による記者会見で、部隊が普段のパトロール中にオディビオを見つけ逮捕したと報告。が、翌日、間違いだったと訂正。麻薬部隊(GAIN)がアメリカにオディビオの身柄引き渡しをするために逮捕計画をしていたが、その計画は未熟なもので、逮捕失敗に至ったと。。。

この逮捕時の話の変わりように、国民は皆、眉をひそめた。。。popoちゃんも。。。
そして31日(木)のコンファレンスで、「だれがウソをついたのか?」との質問に対し、治安大臣は、故意にウソをついたのではないまた、だれかをかばうためにウソをつく必要もなかった。ただ、まちがった情報だった。故意にウソをつくことと、まちがった情報をいうことは全く違うことだ」とかなりお怒りの治安大臣。

質問に答える治安大臣
上のツイート訳:治安省では、今までに意図的にウソをつくことはなかったし、これからもない。私たちは、だれ一人としてかばったりしていないのでウソつく必要はない。

たしかにこの間違いは、今回の大きな失点だったと思う。これは国民の政府に対する信頼をど〜んと揺るがした。。。やっぱりダブルチェック、トリプルチェックしようよ!これは多くのメキシコ人がやらない。。。だからいつもケアレス・ミスだらけ。。。

それとも、ただのまちがった情報だったのはでなく、反対派のウソに良識派がはまってしまったのか?!ここはおそらく多くの国民が納得していないところ。。。大統領は言う、「メキシコは、まだ片足は古い体制にあり、もう一方の足は4T(メキシコ史上4番目の大改革)にあるが、4Tはまだ生まれていない」
だから逮捕劇の話が二転三転したのかな?!大統領によると、来年2020年12月あたりには、4Tの土台が出来上がる予定だとか。。。


逮捕時の様子


防衛大臣は、10月30日(水)のプレゼンの中で、オディビオ・グスマンの逮捕の瞬間の動画公開!これはだれも予想していなくてみんなびっくり!!!😱

朝のプレス・コンファレンスで、防衛大臣がオディビオ・グスマンの逮捕時の動画を見せているところ。

向こうの大きな駐車場のようなところから出てくるオディビオの母、オディビオら。。。
どうやらこれが彼の家?!メキシコで、こんなに暴力なしで逮捕するのは珍しいらしい。オブラドール政権、非暴力をしっかり実践しているよう。「奥さん、心配しなくしていい、落ち着いて、私たちは犯罪者ではない」といいながら、オディビオを逮捕する部隊。(下のツイート動画↓)

こちらが逮捕時の動画。

オディビオは、逮捕後、すぐにシナロア・カルテルの兄弟に電話し攻撃を止めるように部隊から指示を受け、その場で電話をし止めるように言ったが、兄弟は聞かなかった。。。その後、しばらくカルテルは暴れた。

逮捕後、オディビオは部隊の指示に従い、大暴れしているシナロア・カルテル、
オディビオの兄弟に電話し、やめろと言っているところ


「どんな経緯で釈放に至ったのか?」


約3時間45分の逮捕の後(部隊とオディビオはずっと逮捕現場にいた。)暴れ続けるカルテルから国民の命を守るために、大量虐殺を避けるために、政府はオディビオを釈放を決断。大統領によると、カルテルとの交渉は全くなかったとのこと。

防衛大臣によると、部隊に、オディビオ釈放のために300万ドルの賄賂を突きつけられ、そうしないと家族の命を脅されたものがいたが、賄賂を拒否したとのこと。すばらしい!!!👏👏👏

上のツイート訳:シナロア・カルテルは、オディビオの釈放のために軍人にUS300万ドルの賄賂を提示した。

メキシコ一歩前進!!!巷で賄賂だらけのメキシコでこれはすごいメキシコでは、スピード違反で捕まると、千円から二千円を直接、警察に払ってチャラにしてもらうことはかなり当たり前。。。


大統領がフェイク・ニュースを公開


10月31日(木)プレス・コンファレンス後半、ヒートアップ🔥‼️
その理由は、大統領が突如、大手メディアのフェイク・ニュースを公開(メディア名は伏せ)、そのメディア関係者が、その場で立ち上がり、大統領の喋っている途中でワンワン吠え出した🐕‼️そのフェイク・ニュースとは、政府がオディビオ逮捕後に軍の制服を着せ、車に乗せた!ということ。それがすぐ下のツイート、このニュースが事件当日、あっという間に広まってしまった。

フェイク・ニュース
上のツイート意訳:政府はクリアカンに移動した。オディビオ・グスマンをカルテルに引き渡すために軍の制服を着せた。シナロア・カルテルのメンバーが、オディビオを引き取れるようにトラックに乗せ、そして、軍と国家警備隊はその場を離れた。

フェイク・ニュースをメディア名は伏せてプレス・コンファレンスで見せている大統領

真実は、オディビオは、あの逮捕された場所から全く移動してなく、約4時間後、その場で釈放。そして、上ツイートの軍の制服を着ている人の写真は、その日、シナロア・カルテルに人質として誘拐された軍の人。(のちに無事に釈放)カルテルの撮った写真が、大手メディアに流れ、大手メディアが勝手なストーリー(フェイク・ニュース)を作ったよう。


El Chapucero動画のナチョさんの兄弟、マウリシオさんの動画によると、このようなフェイク・ニュースを作った意図は、政府は国民の命を守るためにオディビオを釈放したのではなく、裏でカルテルとのやりとりがあって、怪しいことが起こったと国民に疑いの念をもたせるためだったとか。。。

未だ、事あるごとに、何かとフェイク・ニュースでロペス・オブラドール大統領のイメージダウンを狙う反対派に向かって、大統領はこう言った。


「国民はもう目覚めてしまっている。目覚めた国民が4T*のエンジンだ。」

(*4Tとは、メキシコ史上4番目の大改革)

今回の3日間に渡る事件の詳細説明と質疑応答、正直、すべてに納得できたわけじゃないけど、まぁ、政府は透明性にベストを尽くしたのは伝わった。そして、今までの政権のように、現政権とカルテルの癒着がないことはとても明らかだった。そして何よりも、麻薬部隊がやらかした失敗を、オブラドール政権が即座に動き、大量虐殺の可能性を回避し、国民の命を守った事実は功績として認めたいと思った。そして、またオブラドール政権を信じ続けたいと思った。

人間、まちがうこともある
完璧でないこともある
でも、大切なのは
誠意*を見せ続けること

そして、その誠意を認めて
また信じ続けること


大事なのは
「今」
今のココロの状態


そう思ったpopoちゃんでした!

誠意:うそいつわりのない心。私利私欲のない心。まごころ。
(コンピューターのアプリ辞書より)


¡Viva Mexico!
(メキシコ万歳!)

(popoちゃん)

Writer

popoちゃん

メキシコ人夫とメキシコ在住中♪
新アムロ政権の勢いある改革ぶりを中心に
「今のメキシコ」をお届けいたします!

体癖5・9、ピッタ・カファ、エニアグラム1


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