肺疾患の真犯人はタバコではなく除菌製品だったかもしれない 〜 多くの漂白剤・消毒剤に含まれる「第四級アンモニウム塩」が呼吸器系の病気の原因

 In Deepさんが、「え!」と驚く記事を出されていました。
これまで様々な角度から微生物や腸内細菌が人の健康に大きく関係していることを伝えてこられ、人の身体それ自体が「細菌そのもの」、多くの微生物と共生する「複雑な生態系」だと理解してきました。
 今回の記事もその観点から納得のゆくものですが、それにしても虚をつかれたような気がしました。
 肺の病気は、おおむね「タバコが原因」だと思い込んでいました。少なくとも喫煙者はリスクが高いと信じていました。医学界でもCOPD(慢性気管支炎や肺気腫)は「タバコ病」とみなしていました。
ところが、今回取り上げられた研究結果では、世間に普通にある除菌剤や漂白剤が大きな原因であることを示唆していました。タバコの消費量は減る一方、COPDは増加の一途という統計も重要です。
そう言えば身近に「なぜ間質性肺炎の傾向が出るのだろう?」と不思議がっていた知人が居ましたが、どこもかしこも見事に除菌生活の人でした。
 In Deepさんの目に止まるような、本質に迫る研究をされる学者さんはなぜか女性ばかりですが、今回もやっぱり女性。除菌は危険だと素直に納得できます。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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「タバコではない」 : 慢性閉塞性肺疾患(COPD)の最大の発症要因は「漂白剤と消毒剤」であることが判明。第四級アンモニウム塩を含む除菌製品が私たちの社会を破壊する
転載元)
家庭にも多数ある除菌剤/漂白剤製品のすさまじい悪影響
慢性閉塞性肺疾患(COPD)という病気があります。これは、一般的に「タバコ病」などとも言われていまして、以下のように説明される病気ですが、日本に500万人以上、患者がいるという深刻な病気でもあります。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは、従来、慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称です。タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することで生じた肺の炎症性疾患であり、喫煙習慣を背景に中高年に発症する生活習慣病といえます。
日本呼吸器学会ウェブサイトより)


つまり、COPD の主要因は、あくまでもタバコであるというのが、これまでの、あるいは今でも一般的な見解となっていると思われます。

ところが、先日、アメリカの健康系のウェブサイトを見ていましたら、

COPD の最大の発症要因は漂白剤(消毒剤)

だというタイトルの記事がありました。

「どういう意味だ?」と見てみましたら、これがまた、米ハーバード大学とフランス国立衛生医学研究所によって「 30年間にわたって続けられた調査の精査の結果」だというのです。

漂白剤/除菌剤が、何よりも最大の COPD の発症要因だというのです。

正確にいえば、「第四級アンモニウム塩」という成分を含む除菌剤、殺菌剤、漂白剤などがすべて該当しますが、後述しますけれど、日本にも、これが含まれている製品は山ほどあります
(中略)

また、この研究によれば、漂白剤は、ぜんそくなど他の肺の病気と関係していることは、以前から知られていたそうです。

しかし、これが 2017年の研究にも関わらず、どんな慢性閉塞性肺疾患(COPD)に関するサイトを見ても、「漂白剤がひとつの原因」と書いてあるものがひとつもありません。どれも、タバコ、タバコ、タバコ

私自身は、タバコを吸わないですので、COPD は無縁かと思っていましたけれど、漂白剤(消毒剤)が発症要因になるのなら、誰にでも可能性があるものだと思われます。

(中略)

なお、研究を主導したオリアーネ・デュマ博士は女性科学者です。

それにしましても、

週に 1度、漂白剤を使用するだけで、COPD のリスクが 30%増加する
というのはすごい。

ここまでの数値となりますと、生活の中での「漂白剤/除菌剤の使用」については意識的に注意するべきものであることを示していると思います。

漂白剤/除菌剤を使用するときには、マスクをするなり、あるいは手などに付着しないようにするべきかもしれません。

ちなみに、記事にも出てきます、この漂白剤の成分である「第四級アンモニウム塩」というものを調べてみますと、ストレートに「毒」ですね、これは。

たとえば、第四級アンモニウムカチオン - Wikipedia には以下のような記載があります。
健康への影響
第四級アンモニウム化合物は健康にさまざまな影響を与える。
例を挙げていくと、軽度の皮膚や呼吸器の炎症から皮膚の焼灼性熱傷、胃腸炎、吐き気、嘔吐、昏睡、痙攣、低血圧、死などがある。


この「さまざまな影響を与える」の具体的な例の最後の、

> 死などがある

には苦笑しましたが、「そんなすごい毒性のあるものが含まれているなら、漂白剤/除菌剤の使用についてのガイドラインをちゃんと決めないとダメだろ」とも思いますね。

たとえば、赤ちゃんのいる家庭では、オモチャなどの子どもが舐めるものとか衣服とか、いろいろなものを漂白/除菌される家庭はあるのではないでしょうか。

しかし、今回の研究を見る限り、「それは子どもの健康を害し続けている」ことと同等であることがわかります。もちろん、ご自分の健康もですが、いずれにしても、小さな子どもがいる環境では、除菌剤などは極力使わないほうがいいのかもしれません。



関係ない話かもしれないですが、最近の風潮として「肺の病気は全部、タバコのせいにしてしまえ」というのがありますけれど、やや疑問を感じる部分は常にあるのですよね。

どんな統計を見ても、それが示されていないのです。

たとえば、今回の慢性閉塞性肺疾患(COPD)の「患者数の推移」と「日本の喫煙率の推移」を比較しますと、「相関関係がなってない」ことがわかります。

つまり、COPD の原因がタバコだけなら、「ますます喫煙率が減っている中で、患者数も減っていなければならない」わけです。

ところが、下のグラフとかはもうもう……。

厚生労働省「人口動態統計」





主要国では、タバコはどこの国でも消費は減少していますが、やはり、どの国でも、「タバコを吸う人が減っている中で、 COPD は増加している」のですね。普通は逆になるはずなのですが。

(中略)

肺ガンにしても、統計は COPD と同じで、やはり「喫煙者が減るほど、肺ガン患者は増えている」という現実があります。

(中略)

ところで、肺を攻撃する、この「第四級アンモニウム塩」が含まれている製品は、さすがに具体的に製品名をあげるのには抵抗がありますが、第四級アンモニウム塩 製品、で画像検索しますと、いくつかの商品パッケージが表示されます。

おおむねですが、

・除菌用の製品一般

・芳香タイプの除菌剤製品一般

・汗や匂い対策用の体につけるタイプの製品

などでは、かなりの率で使われている可能性があります。

消臭除菌で家庭で一般的に使われる「ファ」で始まる製品なども、一部には第四級アンモニウム塩が含まれているようです。

また、調べてみますと、手洗い用の消毒剤などに含まれている「塩化ベンザルコニウム」という成分も、第四級アンモニウム塩の混合物のようですので、同じかと思われます。これも、塩化ベンザルコニウム - 画像検索で、製品が数多く表示されます。

ここから考えますと、インフルエンザなどが流行するこのシーズンに、公共施設や病院などに「手洗い用の消毒剤」が設置されていたりしますが、あれも多くが、第四級アンモニウム塩の混合物と考えてもいいのかもしれません。

ああいうものでの消毒は避けたほうがいいかもしれませんね。

というより、どんなときでも、手の消毒は、基本的には避けるべきことだと私は思っています。

先ほどの「第四級アンモニウムカチオン - Wikipedia 」には、
真菌、アメーバ、エンベロープを持つウイルスに対しても、細胞膜を破壊することにより作用する。他にも様々な生物を破壊する

という記載があり、強力にいろいろな微生物を破壊するようなのですが、風邪やインフルエンザが流行するこの季節は、「手の常在菌が生きている」ほうがいいと思われるのです。

人間の皮膚には常在菌が複数いて、これが皮膚を弱酸性に保ってくれているため病原菌が手などにつきにくくしてくれているのです。詳しいことは、医学博士の藤田紘一郎さんの以下のページなどにメカニズムが書かれています。

手を洗いすぎる"と風邪を引きやすくなる。「流水で10秒間」だけでいい
 プレジデント 2018/01/18

第四級アンモニウム塩(あるいは手洗い消毒液に含まれる塩化ベンザルコニウム)は、先ほどのように強い殺菌作用がありますので、それで手を洗えば、常在菌も殺すはずです

そうなりますと、皮膚の弱酸性が消え、病原菌に対して無防備になりますので、風邪やインフルエンザを含めた病原体が手に付着しやすくなると思われます。

まあ、この「清潔すぎる生活の危険性」はこれまでにも書いていまして、最初に書きましたのは、以下の記事などです。
数百万の「無菌室」が導く崩壊 : 「微生物との共生を拒否した日本人」たちが創り出す未来の社会は

それにしても、殺菌・消毒が COPD の発症要因になっていることを今回知りまして、問題は予想以上に深刻なのかもしれないと思います。

(以下略)

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