NTT澤田社長と武田総務大臣の会食の意味 〜「ドコモ100%子会社化」は従来の政府の政策を勝手に転換させるものだった

 お約束の文春砲で、武田総務大臣とNTT澤田社長が会食を共にしていたことが報じられました。18日参院予算委員会での武田大臣は、言い訳がましく答弁を後退させながらも会食参加を認めていました。野党がジリジリと単純収賄罪に追い詰めますが、上川法相、関係官僚はのらりくらりと答弁をかわし、議事録に大臣の不利が残らないように擁護しているかのようでした。東北新社から始まった総務省の接待の闇はついにNTTの「ドコモ完全子会社化」にまで至りました。18日最後の山添拓議員の質疑は、わずか13分ですが重要です。
 文春が報じた11月の会食は、ドコモのTOB(株式公開買い付け)終盤の時期に当たっており、渦中の当事者が同席してその話題を出さない方が不自然な状況ですが、武田大臣はその直後の12月のインタビューに答えて「携帯事業者に一切会っていない、会ってはならない」と言明して墓穴を掘っていました。山添議員はNTTが民間企業でありながら政府が3分の1以上出資する特殊性があることをあげ、法律で禁止された「官官接待」の疑いを指摘しました。が、武田大臣にはその認識が全く無いようです。そしてここからの総務省とのやり取りの中で、これまで政府の政策が「NTTの出資比率を引き下げる」方向であったものが、何の公的な文書もないまま100%子会社化への政策転換を行ったことを指摘しました(2:51:20〜)。数分ながら官僚の逃げの姿勢がスリリングな質疑です。かつての閣議決定を密室の会食で覆し国民の財産を私する疑惑を指摘しています。
 総務省は他の省庁と比べて圧倒的に接待が多いそうです。旧郵政省の強大な権限を受け継ぎ、本来分離させるべき「規制」と「振興」の両方の権限を持つために、官僚、事業者そして間を取り持つ族議員の既得権益が生じると指摘する記事がありました。そのど真ん中に菅総理が居たわけです。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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【国会中継】参院予算委 総務省接待問題など質疑(2021年3月18日)
配信元)

[2:42:50〜2:55:50]

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武田総務相とNTT社長、昨秋の会食で同席 文春報道
引用元)
 総務省幹部らがNTT側から高額な接待を受けていた問題で、昨年11月に武田良太総務相とNTTの澤田純社長が会食で同席していたことがわかった。17日付の文春オンラインが報じ、一部の関係先企業が会食の事実を認めた。
 文春オンラインでは、昨年11月に澤田氏、武田氏とともに、NTTドコモ社外取締役の遠藤典子氏、JR東海の葛西敬之名誉会長が会食した、としている。
(以下略)


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総務省接待問題、NTT「ドコモ完全子会社化」の経緯が歪められた可能性
引用元)
(前略)
なぜ旧郵政省は他省庁よりも接待に緩いのでしょうか。その最大の原因は、旧郵政省があまりに強大な権限を持ち過ぎてしまっているからではないかと思います。総務省設置法と総務省組織令を読めば一目瞭然ですが、旧郵政省の権限の大きさは尋常ではありません。
(中略)

つまり、旧郵政省が強大すぎる権限を有し、事業者がそれに擦り寄るべく接待を重ねることを通じて、旧郵政省の官僚と事業者の双方、さらには族議員の人たちに既得権益が生じることになります。だからこそ、今週新たに発覚したように、NTTは過去に総務省の政務三役にも接待を繰り返していたのでしょう。
(中略)
ドコモの社長は接待に一度も登場していません。
 その一方で、20年9月に澤田氏が突如ドコモの完全子会社化(NTT再々編)を発表し、かつ報道によればその半年前の4月の段階で澤田氏はドコモ完全子会社化の方針を固めていたようです


ちなみに、総務省は公正競争を掲げると同時に、政府がNTTの大株主であることも考えれば、NTTが総務省の了承なしにドコモ完全子会社化を決められるはずがありません
(以下略)
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配信元)

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