プーチン大統領「BRICS諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の5カ国による通貨バスケットをベースにした国際基軸通貨を作るという問題が解決されつつある」

竹下雅敏氏からの情報です。
 ウクライナ戦争は、経済分野でもロシア側の圧勝の気配です。時事ブログで既にお伝えしていますが、ロシアは参加国の通貨を指標とした「新しい合成貿易通貨」に基づく、新しい世界経済システムへの移行を提案してきました。
 ユーラシア経済連合(EAEU)の統合・マクロ経済担当大臣として、モスクワの戦略的ポートフォリオを統括してきたというセルゲイ・グラジェフ氏は、“国際合意によって設立される新しいデジタル決済通貨が必要となります。…バスケット内の各通貨の比重は、各国の GDP(購買力平価ベースなど)、国際貿易のシェア、参加国の人口や領土の大きさなどに比例させる”と言っていました。
 プーチン大統領は、“BRICS諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の5カ国による通貨バスケットをベースにした国際基軸通貨を作るという問題が解決されつつある”と述べています。
 ロシアの中央銀行が構築したSPFS(金融メッセージ転送システム)という決済ネットワークは、SWIFT(国際銀行間通信協会)に代わるもので、“BRICS諸国の銀行は、SPFSに自由に接続できる”ということです。
 駐日ロシア連邦大使館のテレグラムによれば、プーチン大統領は、「独立した政策を追求しようと努力している多くのアジア、アフリカ、中南米諸国からの支持を期待することができる。」と述べていることから、今後、「対ロシア制裁」に加わっていない国が、BRICS諸国のこうした取り組みに支持を表明するのではないかと思います。
 “続きはこちらから”の記事をご覧になると、アフリカ連合の議長を務めるセネガルのマッキー・サル大統領は、ロシア銀行がSWIFTから排除されたため、支払い方法なく穀物や肥料が輸入できないとして、「我々は支払いたいが、それは不可能になってきている。だから、ガスや石油と同じようなメカニズムをヨーロッパに要求する」と発言しています。
 引用元では、先週のマッキー・サル大統領とフランスのエマニュエル・マクロン大統領との二国間会談でも、この問題は議論されたが、“マクロンは…混乱はEUの制裁とは何の関係もないとサルに語った。”とあります。
 マッキー・サル大統領は、「飢饉によるアフリカの不安定化は、今日のウクライナでの戦争の結果と同じくらい重要である」と警告しており、マクロン大統領に代表されるEUのこうした態度は、アフリカ諸国を急速にBRICSに近づけることになるのですが、食糧危機を演出してそれをロシアの責任にするのが彼らの「計画」であるならば、彼らにはどうする事も出来ないでしょう。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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BRICSが世界基軸通貨を開発中-プーチン
転載元)
ロシア大統領によると、5カ国による通貨バスケットをベースにしたものになるという。
(中略)
ウラジーミル・プーチン大統領は19日、BRICS諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)が現在、新しい世界基軸通貨の設立に取り組んでいると述べた。
 
プーチン大統領はBRICSビジネスフォーラムで、「我々の国の通貨バスケットをベースにした国際基軸通貨を作るという問題が解決されつつある」と述べた。
 
ロシア大統領によると、加盟国はまた、国際決済のための信頼できる代替メカニズムを開発している。
 
先にBRICSは、欧米の金融システムへの依存を減らすため、共同決済ネットワークの構築に取り組んでいると発表している。BRICS諸国はまた、相互の貿易において現地通貨の使用を促進している。
 
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ロシアの金融メッセンジャー、BRICSに対応-プーチン氏
転載元)
ブラジル、インド、中国、南アフリカの金融機関がSPFSに接続可能
 

© Sputnik / Alexey Filippov
 
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は19日、BRICS諸国の銀行は、ロシアのSWIFTに代わる金融メッセージ伝達システム(SPFS)に自由に接続することができると述べた。
 
BRICSビジネスフォーラムで演説したプーチンは、BRICSのパートナーであるブラジル、インド、中国、南アフリカとともに、ロシアは国際決済のための信頼できる代替手段を開発していると述べた。
 
「金融メッセージを送信するためのロシアのシステムは、5カ国の銀行を接続するために開かれている」と彼は言った。「ロシアの決済システムMirの利用地域は拡大している」と述べた。
 
ロシア大統領はまた、BRICSの通貨バスケットに基づく国際基軸通貨を創設する作業が進行中であることを指摘した。
 
SPFSはSWIFTと同様の機能を持ち、同じフォーマットで金融機関間のメッセージ伝送を可能にする。ウクライナ紛争をめぐりモスクワが欧米の制裁を受けた2014年、ベルギーベースのシステムに代わるものとしてロシア銀行が創設した。
 
4月、ロシア中央銀行のエルビラ・ナビウリナ総裁は、ロシアのほとんどの金融機関と12カ国の52の外国組織がSPFSへのアクセス権を得ており、規制当局は決済システムメンバーの身元を秘密にしておくと述べた。
 
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配信元)


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アフリカ連合議長、EUにロシアへの食糧支払いを緩和するよう要請 - POLITICO
引用元)
現在アフリカ連合の議長を務めるセネガルのマッキー・サル大統領は日曜日、EUの制裁によりロシアの銀行が国際決済システムから排除されているにもかかわらず、アフリカ諸国がロシアからの輸入穀物や肥料を支払うための一定の範囲を提供するようブリュッセルに呼び掛けた。
 
「我々は支払いたいが、それは不可能になってきている。だから、ガスや石油と同じようなメカニズムをヨーロッパに要求する」とサルはLe Journal du Dimancheのインタビューに答えた。
 
ブリュッセルは、ロシアの穀物や肥料の非EU諸国への輸出に制裁を課さなかったが、スベルバンクを含むいくつかのロシアの銀行を国際決済メカニズムSWIFTから排除した。しかし、EUの規則では、ガスなど他の輸入品については、各国がロシアに支払いを行う余地が残されている。
 
先月、サルはEU首脳会議で、ロシアの金融システムに対する制裁と保険会社探しの困難さが、アフリカへの穀物や肥料の輸入を脅かしていると述べた。今月初めにロシアのプーチン大統領と会談した後、彼は再び、欧米の制裁が食糧危機の一因になっていることを示唆した。
(以下略)

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