ランド研究所から漏洩した「衝撃的な文書」を、スウェーデンの日刊紙が9月15日に特報として報じる ~ドイツ経済の破壊に焦点を当てた戦略計画

竹下雅敏氏からの情報です。
 ランド研究所は、米軍からの調査分析を請け負う目的で設立された総合シンクタンクです。そのランド研究所から漏洩した「衝撃的な文書」を、スウェーデンの日刊紙が9月15日に特報として報じたとのことです。
 ランド研究所は9月14日にプレスリリースを発行し、このレポートが「フェイク」であると主張しているとのことですが、ウクライナ紛争とヨーロッパ経済の現状を、これほど見事に説明する内容は他に見当たりません。
 この文書は、今年1月に作成されたということですが、In Deepさんが翻訳した文書の1ページ目に、“FRBが2020年と2021年のロックダウン中に行なった量的緩和政策によって、対外債務が急激に増加しドル供給が増加した。経済情勢の悪化による次期選挙での民主党の敗北を回避するには、資源が国家経済、特に銀行システムに流入する緊急の必要性がある。”とあります。
 アメリカ経済を維持するために、外部からの資源の流入が「緊急に必要」だが、“重要な目的は、特に、アメリカにとって最大の経済的および政治的脅威と見なされているドイツとロシア、およびフランスの間の協力を破壊することだ。…EU の経済全体が崩壊すれば、ヨーロッパからの資本の流出により、最大90億ドル(約1兆2000億円)の資源が米国に逆流する”というのです。
 この「ドイツ経済の破壊に焦点を当てた戦略計画」ですが、文書には、“ドイツがロシアのエネルギー供給を拒否することを確実にする唯一の可能な方法は、双方をウクライナでの軍事紛争に巻き込むことだ。…ロシアを攻撃的な国家として描写し、すでに作成されている制裁のパッケージ全体を実施することが可能になる”と書かれています。
 このロシアからドイツへのガス供給停止を確実にするために、“ヨーロッパの緑の党は、操作するのが特に簡単である。プーチンの攻撃的な戦争のメディアイメージを形成すれば、彼らの個人的な特質とプロ意識の欠如により、制裁の熱烈な支持者にするのに十分だ。”と言っています。
 この辺りは、日本の自民党や共産党なども同じですね。ランド研究所から見れば、こうした政治家は、“アメリカ帝国主義の用事を実行するように操作するのが特に簡単”なアホばかりであるということですね。良く分かります。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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[衝撃] 米シンクタンク、ランド研究所から漏洩したとされる文書は「ヨーロッパを滅ぼすことを計画した主体はアメリカである」ことを示す。スウェーデンの新聞が特報として報じる
転載元)
(前略)
ヨーロッパはすでに回復の目処が立たないような壊滅の渦中にあるわけですが、これが計画的だったということに関しての文書が漏洩したことが報じられていたのです。
 
そして、その内容は一言でいえば、「ヨーロッパは、アメリカに計画的に壊滅させられた」ことを示唆する文書なのです。
 
これは、スウェーデンの日刊紙であるニヤ・ダグブラデット (Nya Dagbladet)が、9月15日に特報として報じたものです。
(中略)

衝撃的な文書 : ヨーロッパでの戦争とエネルギー危機を、アメリカはどのように計画したか
Shocking document: How the US planned the war and energy crisis in Europe
Nya Dagbladet 2022/09/15
 
私たちニヤ・ダグブラデット紙は、ウクライナの戦争と、誘発されたエネルギー危機によって、ヨーロッパ経済を破壊しようとするアメリカの機密計画のように見えるものを公開することができるに至った。

概要
シンクタンク「ランド研究所」からの例外的な内部リークのように見える文書の中で、ヨーロッパのエネルギー危機がアメリカによってどのように計画されたかについての詳細な説明が与えられている。ランド研究所は、特に冷戦中の外交および防衛政策に関するアメリカの戦略の背後にいたことで知られている。
今年1月に作成されたこの文書は、紛争前にウクライナが追求していた攻撃的な外交政策により、ロシアがウクライナに対して軍事行動を取らざるを得なくなることを認めている。その実際の目的は、すでに準備されていた対ロシア制裁をヨーロッパが広く採用するよう圧力をかけることであったと文書は主張している。
この結果として、欧州連合の経済は「必然的に崩壊する」と文書は述べており、著者は、とりわけ、最大 90億ドル (約 1兆2000億円)の資源が米国に逆流するという事実を賞讃している。結果、ヨーロッパの高学歴の若者たちは移住を余儀なくされるだろうとも書かれてある。
・この文書に記載されている主な目的は、ヨーロッパ、特にドイツとロシアを分断し、ロシアのエネルギー供給がヨーロッパ大陸に到達するのを阻止するために有益な愚者を政治的立場に置くことによって、ヨーロッパ経済を破壊することだ。



1,850人のスタッフと 3億 5,000万ドル (約 500億円)の予算を擁するシンクタンクであるランド研究所は、「調査と分析を通じて政策と意思決定を改善する」ことを公的な目的としている。ランド研究所は、主にアメリカ国防総省と関係があり、冷戦中の軍事およびその他の戦略の開発に影響を与えたことで有名だ。


このランド研究所の署名がある「ドイツを弱体化させ、アメリカを強化する」という冒頭のタイトルの文書は、アメリカ経済全体を維持するために、外部からの資源の流入が「緊急に必要」であるが、特にそれは銀行システムであることを示唆している。
 
ランド研究所によると、このアメリカの野望を阻む主な障害は、ドイツの独立性の高まりだ。とりわけ、ブレグジットはドイツにより大きな独立性を与え、アメリカが欧州政府の決定に影響を与えることをより困難にしたと指摘している。
 
この皮肉な戦略に浸透している重要な目的は、特に、アメリカにとって最大の経済的および政治的脅威と見なされているドイツとロシア、およびフランスの間の協力を破壊することだ。
 
「このシナリオが実行されれば、最終的に欧州は、経済面の競争相手というだけでなく、政治でもアメリカの競争相手になるだろう」と宣言している。

その唯一の方法:「ロシアとドイツ双方をウクライナとの戦争に引き込む」
 
この政治的脅威を鎮圧するために、文書では、主にドイツ経済の破壊に焦点を当てた戦略計画が提示されている。
 
「ロシアの(エネルギー等のドイツへの)配達を停止することは、ドイツ経済にとって壊滅的な組織的危機を引き起こし、間接的に欧州連合全体に壊滅的な影響を与える可能性がある」と文書は述べ、鍵はヨーロッパ諸国を戦争に引き込むことであると確信しているとした。
 
文書には以下のようにある。
 
  「ドイツがロシアのエネルギー供給を拒否することを確実にする唯一の可能な方法は、双方をウクライナでの軍事紛争に巻き込むことだ。この国での私たちの継続的な行動は、必然的にロシアからの軍事的反応につながる」
 
「ロシアは明らかに、軍事的対応なしにドネツク人民共和国に対する、大規模なウクライナ軍からの圧力に屈するつもりはない。これにより、ロシアを攻撃的な国家として描写し、すでに作成されている制裁のパッケージ全体を実施することが可能になる

緑の党はドイツを「罠に陥らせる」ことを強いる
 
ヨーロッパの緑の党は、アメリカ帝国主義の用事を実行するように操作するのが特に簡単であると以下のように説明されている。
 
  「ドイツがこの罠に陥る前提条件は、緑の党とヨーロッパのイデオロギーの支配的な役割だ。ドイツの環境運動は、狂信的ではないにしても、非常に独断的な運動であり、このタイプの政治家に経済的な議論を無視させるのは非常に簡単だ
 
彼らは、個人的な特質とプロ意識の欠如により、自分の過ちをすぐに認識することは不可能であると考えることができる。 したがって、プーチンの攻撃的な戦争のメディアイメージを迅速に形成し、緑の党を制裁の熱烈でタフな支持者にする、つまり「戦争党」にするのに十分だ。これにより、何の障害もなく制裁を課すことが可能になる」

緑の党のアナレナ・ベアボック氏は、ロシアからのガス供給停止を冬の間も継続すると宣言したことでよく知られている。最近、彼女は、プラハで以下のように述べている。
 
「私たちはウクライナを支持します。これは、政治家にとって非常に困難になったとしても、冬の間も制裁が続くことを意味します」

「理想は、ロシアからの供給の完全停止」
 
文書の著者は、ドイツとロシアの間の溝が非常に大きく、その後、両国が正常な関係を再構築することが不可能になることを望んでいる。
 
  「ロシアのエネルギー供給の減少、理想的には、ロシアからの供給の完全な停止が、ドイツの産業に悲惨な結果をもたらすだろう。冬の暖房用に、大量のロシアのガスを転用する必要があるため、不足はさらに悪化するだろう。工業・企業の操業停止は、製造用のコンポーネントとスペアパーツの不足、物流チェーンの崩壊、そして最終的にはドミノ効果を引き起こすだろう」

最終的に、ヨーロッパ経済は、完全に崩壊する可能性が高く、それは望ましいものであると著者たちは述べている。
 
  「これは、ドイツ経済に壊滅的な打撃を与えるだけでなく、EU の経済全体が崩壊することは避けられない」

さらに、世界市場での競争が少ないアメリカに本拠を置く企業の利点、ロジスティクス上の利点、およびヨーロッパからの資本の流出により、アメリカの経済に推定 7%貢献できることを意味すると指摘している。それは 9兆ドル (約 1300兆円)だ。
 
さらに、多くの、高学歴で高い知識を持った若いヨーロッパ人たちがアメリカへの移民を余儀なくされることの重要な影響も強調している。

ランド研究所は、レポートの発信を否定した
 
ランド研究所は 9月14日にプレスリリースを発行し、このレポートが彼らからのものであることを否定した。その内容が「奇妙」で、文書が「フェイク」であると単に書いており、報告書のどの部分がフェイクであるのか、または正確であるかについてのコメントはない。


ここまでです。
(中略)
ランド研究所がフェイクだとする先ほどの「文書」は以下にあります。
 
Weakening Germany, strengthening the U.S.
 
その 2ページ目には、ランド研究所の署名があります。



この文書は、いわゆるネット上に文章が投稿されているものではなく、「プリントされた文書をカメラで撮影した」ものです。
 
ですので、普通の機械翻訳等ができず、「本当に先ほどのスウェーデンの新聞に書かれてあるようなことがこの文書に書かれているのか」ということがわかりづらいですので、面倒ですが、1ページ目を文字おこししてみました。
 
それを文章にしたものを PDF でこちらにアップしておきます。
 
これで機械翻訳できますが、確かに、スウェーデンの新聞にあることが書かれています。
(中略)


ドイツを弱体化させ、アメリカを強化する
 
米国経済の現在の状態は、外部からの財政的および物的支援なしに機能できることを示唆していない。
 
FRB が近年定期的に実施している量的緩和政策と、2020年と 2021年の Covid ロックダウン中の制御されていない現金の発行により、対外債務が急激に増加し、ドル供給が増加した。
 
経済情勢の悪化が続くと、2022年11月に予定されている次期選挙で、民主党が議会と上院での地位を失う可能性が高くなる。このような状況下では、大統領の弾劾の可能性を否定できず、それは何としても回避しなければならない。
 
資源が国家経済、特に銀行システムに流入する緊急の必要性がある。
 
EU と NATO のコミットメントに拘束されているヨーロッパ諸国だけが、私たちにとって大きな軍事的および政治的コストなしにそれらを提供することができる。
 
それに対する主な障害は、ドイツの独立性の高まりだ。ドイツは依然として主権が制限された国だが、何十年もの間、これらの制限を取り除き、完全に独立した国家になるために一貫して動いてきた。この動きはゆっくりと慎重だが、着実だ。


ここまでです。
(中略)
今回の報道が、「スウェーデンから出た」ということも印象的です。
 
最近、スウェーデンで総選挙がありましたが、右派が勝利し、左派のアンデション首相(世界経済フォーラム所属)が辞任しています。
 
(中略)
自死に見える他殺

それにしても、この文書が仮に正しいとすれば(理屈はまったく合っているので)、「これまでの疑問」が多少は消えます。
 
つまり、「なぜ、ヨーロッパは自死に向かっている?」ということが不思議でならなかったのです。以下の記事のタイトルにもありますように、グレートリセット的なものなのかなとかも思わないでもなかったですが、どうも理に合わない。


このタイトルの「誰を崩壊させるための対ロシア制裁なのか」の答えは、「まずドイツ、そして EU 全体」ということになるということのようですが、しかし、「その首謀者がアメリカ」だったとすれば、もう何といっていいのやら。
(以下略)

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