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ぴょんぴょんの「挑発するコソボ(5)」 ~「セルビア自治体共同体」をめぐって
セルビアの有名な「モスクワ・シュニッツ」
Moscow Shnitt: A Favorite Cake of Belgrade - Total Montenegro News https://t.co/UPMDYyEU9Q pic.twitter.com/DtuMaWXLDL
— tsetenla (@tsetenla) February 11, 2019
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— In Love With Belgrade (@ig_belgrade) August 8, 2020
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「モスクワ・シュニッツ」が誕生した1970年代、ホテルのパティシエはお客に出すスイーツに頭を悩ませていた。と言うのも、セルビアは貧しくて材料が乏しかったのよ。
そこで、当時高級品のパイナップルに自国産フルーツやナッツを加えて、特製クリームでサンドにしたケーキを考案した。
そこで、当時高級品のパイナップルに自国産フルーツやナッツを加えて、特製クリームでサンドにしたケーキを考案した。
コソボとセルビアのこれまでのあらすじ
はいはい・・
むかしむかし、コソボはセルビア共和国の自治州の一つでした。
そこには、セルビア人とアルバニア人、その他の少数民族が暮らしていました。
ユーゴスラビア連邦時代、ミロシェビッチ大統領は、自治権をいいことにやりたい放題のコソボ・アルバニア人を見かねて、コソボから自治権を奪いました。
アルバニア語表記は禁止され、学校からアルバニア語の授業がなくなり、コソボ・アルバニア人たちは学校を追われ、職を失い、彼らの不満がいっぱい溜まりました。
これを見たアメリカ(CIA)は「チャンス!」とばかり、飛びつきました。
むかしむかし、コソボはセルビア共和国の自治州の一つでした。
そこには、セルビア人とアルバニア人、その他の少数民族が暮らしていました。
ユーゴスラビア連邦時代、ミロシェビッチ大統領は、自治権をいいことにやりたい放題のコソボ・アルバニア人を見かねて、コソボから自治権を奪いました。
アルバニア語表記は禁止され、学校からアルバニア語の授業がなくなり、コソボ・アルバニア人たちは学校を追われ、職を失い、彼らの不満がいっぱい溜まりました。
これを見たアメリカ(CIA)は「チャンス!」とばかり、飛びつきました。
なぜならアメリカは、バルカン半島に軍事基地を作りたかったからです。
すいませんけど、お宅の国に基地を作らせてもらえまへんか?
ただし無償で、兵士が犯罪犯しても罰しないって条件で・・。
と頼みに行って、どこの国が受け入れる?
すいませんけど、お宅の国に基地を作らせてもらえまへんか?
ただし無償で、兵士が犯罪犯しても罰しないって条件で・・。
と頼みに行って、どこの国が受け入れる?
そこで、CIAはコソボ・アルバニア人の山賊集団「KLA」に資金と武器を提供し、好き放題に暴れさせた。そして、彼らがやった犯罪はすべてセルビア人のせいにされ、それがアメリカメディアを使って世界中に流された。
コソボ解放軍KLA【アルバニア語の略称UCK】
Wikimedia_Commons[Public Domain]
さらにユーゴスラビア連邦に対して、「言うこと聞かねえと、NATOに空爆させっからな!」と脅した。
あわてたミロシェビッチは、コソボの自治権を拡大するなど譲歩したおかげで、あと一歩で停戦交渉ってところまでこぎつけた時、アメリカは最後の切り札を出した。
あわてたミロシェビッチは、コソボの自治権を拡大するなど譲歩したおかげで、あと一歩で停戦交渉ってところまでこぎつけた時、アメリカは最後の切り札を出した。
オッホン! 話、続けるぞ。
調印目前のユーゴスラビア連邦(セルビアとモンテネグロ、主にセルビア)に、アメリカCIAがつきつけたのは「付属文書B」。
その内容は「米国がユーゴ全土においてNATO軍の駐留と自由な軍事行動と訴追と課税の免除を求め」る、ユーゴスラビアの占領地化を意味する文書だった。
(コソボ 苦闘する親米国家 20p)
調印目前のユーゴスラビア連邦(セルビアとモンテネグロ、主にセルビア)に、アメリカCIAがつきつけたのは「付属文書B」。
その内容は「米国がユーゴ全土においてNATO軍の駐留と自由な軍事行動と訴追と課税の免除を求め」る、ユーゴスラビアの占領地化を意味する文書だった。
(コソボ 苦闘する親米国家 20p)
表向きは「セルビアがNATO主体の平和維持軍の駐留を拒否したため」ということにされているが。(コトバンク)
ストイコビッチによれば、
「NATOは紛争解決よりもとにかく空爆をしたかったのだ。だから合意されそうになると、とても飲めるはずもない条件を突きつけて破綻させた。最初から戦争が目的でテーブルにつかせたんだよ」。(「悪者見参」222p)
ストイコビッチによれば、
「NATOは紛争解決よりもとにかく空爆をしたかったのだ。だから合意されそうになると、とても飲めるはずもない条件を突きつけて破綻させた。最初から戦争が目的でテーブルにつかせたんだよ」。(「悪者見参」222p)
NATO軍に空爆されたセルビアのノヴィ・サド(1999年)
Author:Darko Dozet[CC BY-SA]
そう言えば、さっきの「悪者見参」の114ページにおもしろい話があった。
ベオグラードのとあるサッカーチームのGMに取材を申し込んだら、すんなり受けてくれた。だが、彼は欧米のメディアの取材は受けないと言う。
「キミが日本人ということで受けるのだ。なぜかわかるか? 西側で唯一、日本がアメリカに従属していないからだよ」
著者が、そんなことはないと言うと、
「ヒロシマ・ナガサキ以来、日本はアメリカに批判的なはずだろう」と言われた。
ベオグラードのとあるサッカーチームのGMに取材を申し込んだら、すんなり受けてくれた。だが、彼は欧米のメディアの取材は受けないと言う。
「キミが日本人ということで受けるのだ。なぜかわかるか? 西側で唯一、日本がアメリカに従属していないからだよ」
著者が、そんなことはないと言うと、
「ヒロシマ・ナガサキ以来、日本はアメリカに批判的なはずだろう」と言われた。
もともと対立していたコソボ・アルバニア人とコソボ・セルビア人。
コソボ・セルビア人の立場はますます弱くなった。
さらに去年の7月から年末にかけて、まるで誰かが意図したかのように関係はますます悪化。
コソボのセルビア人政党の副代表、シュトルプチェ市長は言う。
「コソボの一方的な独立宣言から15年経った今も、書類上の権利は保証されているにもかかわらず、セルビア人は二流市民の権利しか与えられず、大きな制度的差別を受けて、コミュニティで孤立した生活を送っている。
コソボ政府には、セルビア人の政治的代表者はおらず、セルビア人の生活は安全ではなく、経済的見通しも暗い。現コソボ政権はセルビア人を辱め、困難な立場に追い詰めるばかりだ。」(b92)
コソボ・セルビア人の立場はますます弱くなった。
さらに去年の7月から年末にかけて、まるで誰かが意図したかのように関係はますます悪化。
コソボのセルビア人政党の副代表、シュトルプチェ市長は言う。
「コソボの一方的な独立宣言から15年経った今も、書類上の権利は保証されているにもかかわらず、セルビア人は二流市民の権利しか与えられず、大きな制度的差別を受けて、コミュニティで孤立した生活を送っている。
コソボ政府には、セルビア人の政治的代表者はおらず、セルビア人の生活は安全ではなく、経済的見通しも暗い。現コソボ政権はセルビア人を辱め、困難な立場に追い詰めるばかりだ。」(b92)
コソボ・セルビア人の自治体を一つの共同体にする「セルビア自治体共同体」
コソボのあちこちに散らばっているコソボ・セルビア人の自治体を一つの共同体にする、「セルビア自治体共同体(the Community of Serbian Municipalities)」を作る。
その中で独自の政府をつくり、自治をする。
その中で独自の政府をつくり、自治をする。
セルビアのヴチッチ大統領「ブリュッセル合意で署名したことを、履行しなければならないし、そうすればさらに話をすることができる。」(b92)
セルビアのヴチェヴィッチ国防相「コソボで『セルビア自治体共同体』が結成されるまで、セルビアはあきらめないだろう。『セルビア自治体共同体』は自治権の一つであり、セルビア人コミュニティがその地域に住むことを保証するものだ。EUがその合意の保証者である。」(b92)
セルビアのヴチェヴィッチ国防相「コソボで『セルビア自治体共同体』が結成されるまで、セルビアはあきらめないだろう。『セルビア自治体共同体』は自治権の一つであり、セルビア人コミュニティがその地域に住むことを保証するものだ。EUがその合意の保証者である。」(b92)
ヴチッチ大統領
Author:duma.gov.ru[CC BY]
「セルビア自治体共同体」に反対のコソボと、賛成のアメリカ
クルティ首相
Wikipedia[Public Domain]
アメリカの西バルカン特別代表エスコバル氏は、直ちに「セルビア自治体共同体」の設立に取り組むべきだと言う。
クルティがなんと言おうが「セルビア自治体共同体」を結成させる、「セルビア自治体共同体」の協議はアメリカが主導しますと。(b92)(b92)
クルティがなんと言おうが「セルビア自治体共同体」を結成させる、「セルビア自治体共同体」の協議はアメリカが主導しますと。(b92)(b92)
セルビア議会でも、議員たちの殴り合いだったらしいぞ。
野党メンバーに対してヴチッチは言った。
「コソボの国連加盟を許さない… あなたと違って、私は絶対に許さない。」(b92)
「国連に加盟させれば『セルビア自治体共同体』を結成してやるという泣き言は、ウソであり、すべて無意味だ。」(b92)
野党メンバーに対してヴチッチは言った。
「コソボの国連加盟を許さない… あなたと違って、私は絶対に許さない。」(b92)
「国連に加盟させれば『セルビア自治体共同体』を結成してやるという泣き言は、ウソであり、すべて無意味だ。」(b92)
セルビア国会議事堂
Author:Boris Dimitrov[CC BY-SA]
今の時点では結果がわからんので、わかりしだい、またお知らせしたい。
ところでクルティは、「セルビア自治体共同体」の結成にハッキリ反対で、双方の合意が失敗した場合を想定して、コソボは戦争の準備もしていると言う。
また、セルビアとの交渉が失敗した場合、新たな戦争が勃発する可能性もあるとも。(b92)
ところでクルティは、「セルビア自治体共同体」の結成にハッキリ反対で、双方の合意が失敗した場合を想定して、コソボは戦争の準備もしていると言う。
また、セルビアとの交渉が失敗した場合、新たな戦争が勃発する可能性もあるとも。(b92)
ヴチッチ「セルビアは対話に参加し、コソボの国連加盟に反対しなければならない。」
「私は独立したコソボを認めることに賛成していない、国連への加盟を支持しないと公言するなと何度も言われたが(中略)...コソボの国連加盟に賛成することはない。 」(b92)
「私は独立したコソボを認めることに賛成していない、国連への加盟を支持しないと公言するなと何度も言われたが(中略)...コソボの国連加盟に賛成することはない。 」(b92)
暫定コソボ共和国のクルティ首相と、セルビア共和国のヴチッチ大統領、
EU、アメリカの代表をまじえての会談が行われました。
この記事を書いている時点で、会談の様子はわかっていませんが、
10年前の「ブリュッセル合意」(Wiki)ですでに合意された、
「セルビア自治体共同体」の議題が出たと思われます。