ぴょんぴょんの「NATOの正体」 ~「アメリカ主導の世界秩序」の「統一軍隊」NATO

 だれかの心のつぶやきが聞こえたような気がした。
〈NATOなんて日本から遠いし、縁のないもんと思ってたら、あっちから近づいてきて、東京にNATOの連絡事務所を作りましょう、そしてアジアを巻き込んで、一緒に中国を叩きませんか?って誘われちまった。どうしよう?〉
〈噂によると、NATOはかなりヤクザなやり方をしていて、加盟国の不満も募っていると聞く。〉
〈だが、中国を叩くのは、憲法を改正して「緊急事態条項」を盛り込もうとしているオレたちにとっては、おいしい話かもしれない。〉
〈おっと、NATOの東京連絡事務所は先送りになっちまったか~ 残念! 憲法改正に間に合うといいんだが。〉
(ぴょんぴょん)
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ぴょんぴょんの「NATOの正体」 ~「アメリカ主導の世界秩序」の「統一軍隊」NATO

孤独なゼレンスキー


リトアニアで開催された、NATOの首脳会議も終わったね。

加盟国でもない日本の首相がのこのこ出ていったり、ツッコミどころ満載だったな。だが、一番、ショックだったのは、ウクライナのゼレンスキー大統領だろう。

この首脳会議で、NATOの加盟が保証されると思ってたからね。

ああ、ゼレンスキーは、「ロシアとの戦争が終われば、ウクライナはNATOに加盟できる」という期待で首脳会議に乗り込んだ。なのに、「加盟国が同意し、条件が満たされれば加盟国になれる」と告げられただけだった。(REUTERS)


「ポツンとゼレンスキー。」
ゼレンスキーはSNSで「具体的な日程も示されない」「条件もあいまいだ」ってボヤいていたそうだね。

そんなゼレを、参加した首脳たちはなだめてやった。「ウクライナはNATOに加盟できるよ」「ウクライナはNATOに属しているよ」「将来は加盟国同士として顔を合わせよう」など。「ゼレンスキー氏は、これだけの温かい言葉をたくさん土産袋に詰めて、サミット会場からウクライナに帰ることになった。」(BBC)

ぶふっ! 口先だけ。NATOは、ウクライナを入れる気はないと見た。


NATOの真の姿を見たプーチン


だよなあ、NATOのお荷物になるだけ、つうか、すでに大きなお荷物だし。だいたい、プーチンがウクライナのNATO加盟を恐れたのが、ウクライナ侵攻の一つの理由だったし。

へえ、そうだったんだ。

ここでも話したが、1999年のNATO独断のユーゴスラビア空爆で、プーチンはNATOの真の姿を見たんだよ。しかも、その仕掛け方は巧妙だった。コソボ紛争の停戦合意にあたって、アメリカCIAがユーゴスラビア(主にセルビア)に突きつけた停戦条件はなんだったか?

NATO軍に空爆されたセルビアのノヴィ・サド(1999年)
Author:Darko Dozet[CC BY-SA]


思い出した! ユーゴスラビアが飲めるはずのないような条件を出したんだよね。

そうだ、「ユーゴスラビアでのNATOの駐留、自由な軍事行動、訴追と課税の免除」を要求したが、ユーゴは蹴った。それが即、空爆の合図になってしまった。

やり方が、卑劣だ。
ストイコビッチも言ってたよね。「NATOは紛争解決よりもとにかく空爆をしたかったのだ。だから合意されそうになると、とても飲めるはずもない条件を突きつけて破綻させた。最初から戦争が目的でテーブルにつかせたんだよ」。(「悪者見参」222p)

ストイコビッチ
Author:Južne vesti[CC BY]

そう、それがNATOのやり方だ。その結果、コソボ・セルビアの病院、学校、幼稚園、教会などが破壊され、子どもを含む数百人の民間人が亡くなり、劣化ウラン弾のせいで多くの人がガンになった。

NATO、ひどい連中だ。
となると、ロシアにとって、「戦争が終わったらウクライナがNATOに加盟する」なんてとんでもないことだね。

ああ、脅威よ。だから、NATO首脳らがお茶を濁してくれて良かったのよ。だいたい、今のウクライナがNATOに加盟するのは難しい。
入会金も、年会費も収められないからな。

へえ? NATOってファンクラブみたいなんだ。


NATOの条約「集団的自衛権」、加盟国の国防費支出目標


いや、それは冗談だが、NATOの条約には「集団的自衛権」がある。つまり、加盟国が攻められたら、自分とこの軍隊を出すって言うんだが、戦後のウクライナにそんな軍隊が残っているか?

無理無理。

さらに、NATOは2024年をめどに加盟国の国防費支出を「対GDP比2%以上」に引き上げる目標を立てている。(Forbes)GDPどころじゃないウクライナに、そんな国防費が出せるか?

へええ、NATOって、よその国の国防費にまで口出すの?
それって、どのくらいの額になるんだろう?

けっこうな額のはずだ。と言うのも、ほとんどの国が2%を達成できていないからな。だが、ポーランドは優等生、首席だよ。

なるほど、ポーランドはウクライナの隣りだし、ソ連時代に痛い目に合ってるから、軍事費におカネをかけるのは良くわかる。

BSテレビ討論で、ポーランド軍のトップが悲壮な顔で訴えていた。いっぱいいっぱいの状態で、自軍の兵器をウクライナ支援に送るくらいにがんばっている。なのに、他のNATO加盟国は何をしてるんだ、もっと武器やカネを出せって。

う〜ん、ポーランド、大変だね。国民の生活に響いてなければいいんだけど。

ポーランド国民は怒っている!

やっぱし!


NATOの元々の目的


ヨーロッパの他の国々でも、これ以上ウクライナを支援するなという声が多く上がっている。

ヨーロッパも大変だね。

って、人ごとじゃねえんだぞ。アジアで初めてとなるNATOの東京連絡事務所を作ろうって話も出てるしな。

それそれ、NATOの首脳会議で先送りになったって、時事ブログで言ってたよ!

ああ、だが、「先送り」ってことは、いつかはヤルって言ってるようなもんだから、油断禁物だ。

でもね、NATOの事務所を歓迎する人たちもいるんだよ。日本もやっと「平和、安全、自由」のために活動するNATOのお仲間になれるって。

おいおいおい!

それとか、NATO事務所と言っても、担当者1人とか2人の事務所だから、神経質にならなくていいって、大学教授が言ってたよ。

アホか! 1人、2人だからいいのか? 1センチ、2センチのガンならいいのんか? 2ミリ、2ミクロンだって、ガンはヤバイぞ! だって、どんどん成長して転移するんだから。

NATOってガンなんだ?

ああ、ガンだよ。「NATOというのはある種の帝国…拡張欲を持っている。拡大すると必ず戦争が起きる。NATO拡大によって起きた戦争、それに対応して、そしてまたNATO拡大していく。また戦争を起こすこと自体が、ネオコン的な観点で言うとビジネス…これがNATOの本質」。(時事ブログ)

Wikimedia_Commons[Public Domain]

たしかに、ユーゴスラビア空爆を見ているとヤクザと変わらない気がする。

NATOの生い立ちを知ってるか?NATO ( 北大西洋条約機構 : North Atlantic Treaty Organization ) は、第二次大戦後まもなくの1949年、ソビエト連邦に対抗する軍事同盟としてが誕生した。要するに、始まりは、共産主義に対抗するのが目的だったんだ。それに対してソ連は1955年、「ワルシャワ条約機構」を設立した。NATO対「ワルシャワ条約機構」の構図、つまり冷戦時代が、1989年のマルタ会談で終結すると、NATOはお役御免になるはずだった。

共産主義の脅威はなくなったから、NATOはいらなくなった。

ところが、用無しになったはずのNATOは、仮想敵を共産国から「紛争国、テロリスト」に差し替えて生き延びた。さらに、これまで敵だった旧共産圏やポーランドも抱き込んで、どんどん成長した。

なんでだ〜?

共産主義の脅威に対抗するのが、NATOの目的じゃなかったってこと。

じゃ、なにが目的?

「NATOの元々の目的は、欧州を『アメリカ主導の世界秩序』に縛り付けることだった。」(NewYork Times)このツイートもそう言っている。


「NATOとはなにか? NATOはグローバリストにとっての『一つの世界軍隊』のひな型、そのトップはもちろんアメリカ。」

「アメリカ主導の世界秩序」の「一つの軍隊」になるべく、集められているNATO。


目をつけられていた日本


そんな、民主主義も人権もない、「アメリカ統一政府」の「統一軍隊」NATOが、日本に事務所を作ろうとしている。

でも、なんで日本に目をつけたのかな?

聞いて驚くな。1993年のジョージ・ソロスのオープン・ソサエティ財団のレポートに書かれているのよ。「NATOは、秩序と安定を最も必要としている世界の地域において、新しい世界秩序の基礎として機能する可能性を秘めています。(中略)...この設計には1つだけ欠点があります。それは、日本が考慮されていないことです。日本はNATOに加盟するよう求められるべきです。」 (時事ブログ)

ほんとだ! 30年前から目をつけられていたんだ!

ソロスはNATOを、「新しい世界秩序の基礎として機能する」って言ってるだろ? NATOのストルテンベルグ事務総長も、日本を推している。


加盟もしていない日本を、 NATOのパートナーだって?


アメリカは『アジア版NATO』を作ろうとしている


ウクライナをテコにしてロシアを弱体化させようとしたが、うまく行かないから、お次は中国ということらしい。「NATOが主導するウクライナ経由の対ロシア代理戦争は、将来的にAUKUS(オーストラリア、イギリス、アメリカの軍事同盟)が主導する台湾経由の対中国代理戦争の実験場で(中略)...アメリカは『アジア版NATO』を作ろうとしている」。(時事ブログ)

「アジア版NATO」? つまり日本も「アメリカ主導の世界秩序」の「統一軍隊」に組み込まれようとしているんだね。

「日本もNATOに入れる、ワーイ!」の連中よ、このためのNATO連絡事務所なんだぞ。「日本がNATOに参加するという軽率で敵対的な振る舞いによって、日本だけでなく中国と友好関係を望むアジア地域までも危険に晒されることになります。」(時事ブログ)

アジアの国々にも迷惑がかかる!

元オーストラリア首相キーティング氏はこう言った。NATOは「北大西洋」条約機構なんだから、ヨーロッパと大西洋にとどまるべきで、アジアに進出すべきではない。 アジアにNATOの居場所はないと言い。NATOのように「悪意ある毒」をアジアに輸出することは、アジアが疫病を歓迎するようなものだと。(RT)

NATOは「悪意ある毒」!

だから、NATOはガンなんだよ。「真のトラブルメーカー」なんだよ。


中国も警告してくれている。

周回遅れの日本人よ、ジェフリー・サックス教授の警告に耳を傾けてくれ。「アジアにNATOの事務所を開設するというアイデアは、その危険性と愚かさに唖然とする。日本人に止めろと伝えてくれ。とんでもないことだ」。(時事ブログ)



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Writer

ぴょんぴょんDr.

白木 るい子(ぴょんぴょん先生)

1955年、大阪生まれ。うお座。
幼少期から学生時代を東京で過ごす。1979年東京女子医大卒業。
1985年、大分県別府市に移住。
1988年、別府市で、はくちょう会クリニックを開業。
以後26年半、主に漢方診療に携わった。
2014年11月末、クリニック閉院。
現在、豊後高田市で、田舎暮らしをエンジョイしている。
体癖7-3。エニアグラム4番(芸術家)

東洋医学セミナー受講者の声

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