バフティヤーリー解説員
ヨーロッパ諸国の首脳が金融機関への支援で合意したにもかかわらず、日を増すごとに、ヨーロッパで破綻の危機にある銀行の数が増加しています。
これにより、ヨーロッパの中央銀行の総裁らは、5日木曜、ユーロ圏危機の対策に向けて会議を開きました。この会議で、金融機関には、債務危機を抑制し、この危機の銀行への伝播を防ぐために、主要政策金利を1%から0.75%に引き下げることが義務付けられました。欧州中央銀行が金利を引き下げるのはこの1年間で3回目のことです。この措置は、ベルギーのブリュッセルで先月29日に開かれた会議での合意を受けてとられたものです。
欧州中央銀行のドラギ総裁はこれ以前にもEUの首脳や政治家に、財政危機に対処するためさらに思い切った決断を下すよう要請していました。
さらにIMF国際通貨基金は、最近発表された世界の金融体制に関する報告の中で、「ヨーロッパの経済は今年、格下げされると見られており、同地域は2013年にこの問題から解放されるとは考えにくい」としています。
IMFはさらに、「ヨーロッパの大手銀行は、おそらくバランスシートを2013年までに、2兆6000億ドル縮小させる。この数値は全資本の7%にあたる」としています。
政治問題の専門家によれば、
現在、金融機関の危機への対策は、政府の大規模な介入と市民の税金によってのみ可能であるとしています。
これらの専門家によれば、ヨーロッパの首脳がスペインの銀行に1000億ユーロの支援を行うことを決定した最大の理由は、この危機が他の国に伝播するのを防ぐことであり、実際、彼らはギリシャに同様の債務危機が生じるのを懸念しています。おそらく、専門家やヨーロッパの政府関係者が銀行の危機に注目する最大の理由は、それがスウェーデンに広がったことでした。スウェーデンはEUの加盟国ではありません。
とはいえ現在、ユーロ圏の金融機関の活動を監視する銀行同盟の結成は、ヨーロッパの銀行危機に対処する重要なアプローチのひとつです。概して、ヨーロッパの金融危機は同地域の他の金融機関や下部構造に影響を及ぼすと見られています。
不況の責任を最終的に各国政府と国民に押し付けて、彼ら銀行家たちの悲願であった財政面も含めたユーロの統合に持ち込みたいのでしょうが、そうはいきません。すでに世界中の多くの人々が、こうした不況の原因がIMFや中央銀行によって意図的に作られていることを理解しているからです。