イタリア検察庁はヴァチカン銀行に対して、マフィアの資金洗浄の容疑で口座の1つの情報を開示するよう求めた。「デイリー・テレグラフ」がイタリアの各メディアの情報として伝えた。
容疑がかかっているのは、現在は現役を引退しているカトリックの聖職者ニンニ・トレッピエディ氏。2007年から2009年まで、トレッピエディ氏は総額約100万ユーロの送金に関わっていた。捜査側は、トレッピエディ氏がシチリアのマフィアで通称「悪魔」と呼ばれているマッテオ・メッシナ・デナロ氏の資金洗浄に関わったのではないかと見ている。
検察庁はすでに1ヶ月半前に問い合わせを行ったものの、ヴァチカン銀行側は今に至るまで情報を開示していない。
36歳のニンニ・トレッピエディ氏は最近までシチリアのアルカモで聖職者として務めていた。同氏の収入はシチリア島でも一番だと噂されたが、教会資産をめぐる不透明な取引をきっかけに、教会から追い出されていた。この事件はシチリア島を管轄するフランチェスコ・ミッシチェ司教の更迭にもつながった。