(前略)
5月1日に、アメリカのファースト・リパブリック銀行が経営破綻をしたと報じられていました。
(中略)
スマートフォンでもパソコンでも、ともかく、一瞬で大量の預金の流出が起きる時代となっています。土曜や日曜さえ、あるいは深夜や早朝でさえ関係なくなりました。
(中略)
5月1日に破綻したファースト・リパブリック銀行は、4月の終わりに以下のような株価の値動きを見せていました。
ファースト・リパブリック銀行の4月28日までの株価の値動き
zerohedge.com
こうなってしまうと預金の流出は加速するだけであり、結局、全体で十数兆円規模の預金流出となり、
この翌営業日にファースト・リパブリック銀行は破綻しました。
破綻規模は、リーマン以来最大です。
そして、おそらく、これがどんどん「続いていく」のです。
ファースト・リパブリック銀行が破綻した翌日のニューヨーク株式市場では、中小銀行の全体が下がったとはいえ、以下の 3つの銀行が 20%から 30%という壊滅的な株価の下げを見せていました。
・パックウェスト・バンコープ銀行
・ウエスタン・アライアンス銀行
・メトロポリタン銀行
もともと、すでに株価が半分とかになっていた後のこれです。
以下で少しふれています。
(記事)
ファースト・リパブリック銀行の破綻を受けて、さらに3つのアメリカの銀行の株価が暴落し、複数回の取引停止に (2023/05/03)
そのうちのパックウェスト・バンコープ銀行の昨日までの株価の動きと、先ほどのファースト・リパブリック銀行が破綻するまでの株価の動きと照らし遭わせれば、すぐにどうこうではなくとも、「近い」とは言えそうです。
5月2日までのパックウェスト・バンコープ銀行の株価の推移
NASDAQ
これらの銀行に預金を預けている人たちが、
「私の預けているこの銀行は大丈夫だから」と考える基準は、もはや消えているはずです。実際に、リーマン以来規模の銀行の破綻が次々と現実に起きているわけですから。
(中略)
ちなみに、
現在は、たった数行が破綻したに過ぎないですが、その破綻した資産総額は、2008年から 2009年の銀行破綻の資産と並んできています。
2008年から 2009年に破綻したアメリカの銀行は、150行程度だったようです。
米国の2001年からの毎年の銀行破綻数と総資産
Crescat Capital LLC,
Nofia
現時点ですでに、銀行破綻の際に預金を保障する組織である連邦預金保険公社 (FDIC)の資産 (日本円で約 17兆円)ではどうにもならないところに達しようとしています。
(中略)
動画の第1章は「日本が成長しなくなった最大の原因はデフレである」(1分10秒~)ですが、私は「失われた30年」の最大の原因は日銀の「窓口指導」の廃止にあると考えています。詳しいことは、こちらの映像配信「家族の絆 〜夫婦(109):信用創造・窓口指導〜」をご覧ください。
第2章は「デフレでは公務員の給料は上げるべき」(14分50秒~)ですが、“公務員の数を増やすべき”だと思います。
第3章は「税金は何のためにあるのか」(18分55秒~)です。「税金は何のためにあるのか。…税金とは物価調節の手段です。多くの人が勘違いしていますが、財源確保の手段ではないんです。…これまで税金は政府の支出に必要な財源を確保するのに不可欠なものだと考えられてきました。つまり、財源確保の手段として税金があるという考え方です。しかし、自国通貨を発行出来る政府が、どうして税金によって財源を確保しなければならないのでしょうか?…政府は通貨発行権というお金をいくらでも生み出せる権利を持っているのだから、財源なんて必要であればいくらでも用意できちゃうんでしょっていうことなんです。…インフレを抑えたければ、投資や消費にかかる税を重くする。逆にデフレから脱却したければ、投資減税や消費減税を行なう必要があるんです。つまり、税金とは物価調整の手段なんです。財源確保の手段ではありません。」と言っています。
正確には、国家の財源確保の手段として、通貨発行益、国債発行、徴税があり、この中で通貨発行益が本筋であるにもかかわらず、これを無視した経済理論で人々を煙に巻いてきたということだと思います。
自民党の西田昌司氏は国債発行という見かけ上の「国の借金」は、「単に民間にどれくらいお金を供給したか」に過ぎないことを、“現実はですね、国債の償還に関しては100%借換債で償還しているんですよ。ですから、国民の負担になっていないわけですね。…国民が国債の償還に国民の税金が使われることはありません。一方で国債の利払い費については、確かに国債の借換債じゃなくて、一般会計からそのまま出てますから、そういう意味で言うと…少なくとも一部は税金で払っているんだという言い方は出来るかもしれません。しかし、誰に利払いをしてるのかというとですね…その利払いの大半は半分以上は日銀がもっているわけです。…日銀に払ったお金は…日銀の経費を除いて全部国庫に納入される日銀納付金になる。法律でそうなっているんです。…結局国債の償還についても、利払いについても、少なくとも日銀の保有分についてはまったく財政に影響を与えてないということになりますね”と言っています。
「日銀納付金」の使い道は、財務大臣が決めていると聞いたことが有ります。どこにどのくらい使われたのかを追跡した人はいるのでしょうか。