はじめに
マスメディアでは決して取り上げられることのないジャック・ボー氏のインタビューを和訳してご紹介させていただく。
戦略アナリストである、見識豊かなジャック・ボー氏が語る、洞察に満ちたウクライナ戦況の分析は、この戦争で実際に何が起こっているのか、その事実を探る上で非常に役立つ情報だと思う。
原文(独文)へのリンク:
https://zeitgeschehen-im-fokus.ch/de/newspaper-ausgabe/nr-8-vom-24-mai-2023.html#article_1516
ジャック・ボー氏について
ジャック・ボー(JacquesBaud): スイス人。ジュネーブの国際関係大学院で計量経済学の修士号と国際安全保障の修士号を取得し、スイス陸軍の大佐を務めた。スイス戦略情報局に勤務し、ルワンダ戦争時の東ザイールの難民キャンプの安全確保に関するアドバイザーを務める(UNHCR–ザイール/コンゴ、1995-1996年)。ニューヨークの国連平和維持活動局(DPKO)に勤務し(1997-99年)、ジュネーブの国際人道的地雷除去センター(CIGHD)および地雷対策情報管理システム(IMSMA)を設立した。国連平和活動におけるインテリジェンスの概念導入に貢献し、スーダンで初の統合型国連合同ミッション分析センター(JMAC)を率いた(2005~06年)。ニューヨークの国連平和維持活動局平和政策・教義部(2009~11年)、安全保障セクター改革・法の支配に関する国連専門家グループの責任者を務め、NATOに勤務した。
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– スイスのメディア“
Zeitgeschehenim Fokus (注目の時事問題)”から–
内政上、ゼレンスキーが置かれた状況はきわめて不安定
《ウクライナは2022年6月以来、11回の兵力動員をした状況にある》
〈2023年5月24日〉
インタビュアー:Zeitgeschehenim Fokus のトーマス・カイザー(ThomasKaiser)氏
インタビューされる人:ジャック・ボー(JacquesBaud)氏
写真:ジャック・ボー氏
[Source:Zeitgeschehen im Fokus]
トーマス・カイザー:我々のメディアには、プーチンの目標はウクライナを破壊して、そこで権力を握ることであったということが何度も述べられています。
ジャック・ボー:それは間違っています。 プーチンはそんなこと一度も言っていませんし、作戦方法が、それが目標でなかったということをはっきりと示していますし、今日においても、同じことが言えます。
このような主張は、陰謀論的なメディアに何度も出てきますが、これは誤りです。
これは、2022年2月24日のウラジーミル・プーチンの演説に由来するものです。
彼はウクライナ軍に向かって、「ウクライナ軍はウクライナ政府にではなく、ウクライナの国民に誓いを立てたということを思い出して、命令を拒否して武器を捨てるように要求する」と呼びかけました。彼の言葉はこうでした:『私はあなた方に、彼らの犯罪的な命令を遂行することを拒否するように求めます。直ちに武器を捨てて家に帰るようにと要求します。これは、ウクライナ軍に属する人でそのように行動する人は、敵対地帯から自由に離れて
自分たちの家族のもとに戻ることができるということを意味します。」¹
ロシアがウクライナに介入した理由は、2014年以降のキエフ当局によるロシア系少数民族への虐待です。それには、一般市民への扇動的攻撃(これによって、この期間に1万人の市民が殺された)、
ウクライナ保安庁(SBU)による拷問、² 差別法律(我々のメディアによって支持された)、その他の暴行が含まれます。
2022年2月、ロシアの意図は、2021年3月のゼレンスキーによるクリミアと南部の奪還決定後に、攻撃に晒されたという住民を護ることでした。³
さらに、観察されることは、2022年6月にウクライナ軍のすべての装備が破壊された後、ゼレンスキーが欧米の兵器を要求し始め、ウクライナが軍事力を西側諸国に
依存し始めたということです。⁴
夏の終わりには、最初の大きな粛清の波が起きました。2022年7月17日、ゼレンスキーは、“裏切りと敵との協力”という理由で、交渉を主張した ⁵
官僚や治安庁のメンバーに対する、651件の捜査をするように指示しました。2022年の末には、人的損失が膨大になり、ウクライナが強制徴用を始めなければならない時でしたが、
ゼレンスキーは2023年のはじめに、再び大規模な粛清を遂行しました。
また、我々のメディアは、ウラジーミル・プーチンによって表明された”非ナチス化”という目標について触れ、それはヴォロディミール・ゼレンスキーの打倒を求めることに関するものであると主張し、その際、ヴォロディミール・ゼレンスキーはユダヤ人であるからナチスではないと指摘しています。
しかし、ここでも我々のメディアは虚言しています。もちろん、ゼレンスキーはナチスではありません。しかし、ウラジーミル・プーチンは、現在のウクライナ当局を呼ぶのに、決して“ナチス”という言葉を述べません。その代わりに、彼は”ネオナチ”という言葉を使っています。私は、”ナチス”はドクトリンであり政治的イデオロギーであり、”ネオナチ”はドクトリンではなく、むしろ社会的行動であるということに注意しています。その他の点で気づくことは、我々のジャーナリストの多くが、ウクライナのネオナチの思想に対して一度も疑問を呈することなく、それを伝えているということです。
しかも私は、モスクワがゼレンスキーを打倒する意思をもっているとは思いません。
現在、確かにゼレンスキーは、ロシア人よりも彼の周囲環境を恐れています。
今日のウクライナにおいては、同様な緊張状態が観察されます。言い換えれば:
国内においてゼレンスキーには安定した支持がないのです。対外的にも、ゼレンスキーへの支持に疲れが出てきているのが見られます。
彼が約束した ⁶、2022年の夏の大規模な反攻作戦は秋に延ばされ、それから冬に延ばされ、今度は2023年の春へと延期され、これも恐らく2023年の夏へと延期されることになるのでしょう。ゼレンスキーは、ますます多くの兵器と弾薬を要求していますが、欧米にとって、これらを供与することは、尚いっそう困難になっているのです。ゼレンスキーはますます信用できなくなるし、これはモスクワにとってかなり有利な状況です。
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及川幸久氏は動画で、“発端は2020年の10月14日、この翌月が大統領選挙…ニューヨークポストが世紀のスクープを出したわけですね。…ハンター・バイデンのパソコンに入っているデータ、そこに秘密のEメールだとか、画像とかがいっぱいあった(1分25秒)”と説明しています。
2分15秒では、「世紀のスクープ」の5日後の2020年の10月19日に、51人のCIAの現職と元情報員たちが、“ハンター・バイデンのPC疑惑というのは、典型的なロシアの情報操作である”という書簡を共同で公表したために、「この件は一瞬にして消えた」と言っています。
ところが2023年4月の記事『バイデン大統領の次男ハンターの疑惑で司法省が事情聴取へ』が、“内国歳入庁(IRS)でハンターに対する調査を監督する特別捜査官は先週、検察の犯罪捜査に対して政治干渉があったことを示唆する書簡を民主、共和両党の議会幹部に送付していた”と報じていたように、IRS職員と元CIA職員からの内部告発が出てきたのです。
5分40秒で、“マイク・モレルという元CIA長官代理だった人です。…ブリンケンから、ハンター・バイデンのPCの件はロシアの偽情報だというふうに隠蔽しろというふうに言われ…モレルはそれを受けて、先ほどの51人のCIAの情報部員を集めて…ロシアの偽情報操作の書簡を作成したわけです”と言っています。6分50秒のところで、51人のCIA情報部員の顔写真が出ています。
ただ、トランプ前大統領はこの件について、「腐敗したバイデンの司法省が、重い刑事責任を交通違反切符のように扱った」と批判しています。
「何でハンター・バイデンはペドで起訴されないのであろう?」というのが、誰もが感じる疑問です。「ハンター・バイデンは、軽犯罪の税金に関する罪を認めることで合意に達し、父親の再選運動中に刑務所に入ることなく、政治的に爆発的な起訴となる可能性があることを回避した」という説もあります。
“続きはこちらから”をご覧になると、2020年米大統領選挙が不正選挙だった決定的な証拠が出ています。こうした重大事件はすべて無視するつもりなのでしょうか。