注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
【要点を書き起こし】
「平和主義」は9条だが、前文で理想が語られている。
政治道徳の法則は普遍的なものであり、日本国民の存在意義をここに設定している。
今となっては現実が伴っていないので恥ずかしいが、当時はすごく希望に燃えて書かれた。ここに希望の種を埋め込んだ。
日本国憲法前文は、地上に溢れた「専制と隷従、圧迫と偏狭」を本当に除去した国際社会を自ら作ろうという覚悟にあふれている。
これを実現できるかどうか、今こそ本気でやる時、世界平和はこれにかかっている。
残念ながら、自民党の改憲草案2012年度版は、前文全削除になっている。
全削除して読むに値しない「くっだらねえ駄文」に書き換えられた。自己陶酔し、間違いだらけで話にならない。
余計な価値観や概念を入れ込んで自由を縛ろうとしている。
これは絶対やってはいけない。概念の上下関係を理解したらありえない内容だ。
憲法は、みんなの合意事項で、こんなことを政府から言われて決められることではない。
自民党草案は、憲法の意味がわかっていない人が書いていることがわかる。
日本人にとって法律とは未だに「おふれ」、幕府や藩が出して下々が従わなければいけないものという意識だ。法律は、自分たちが合意したもののはずだ。
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自民党は、憲法改正草案2012年版と2018年版を出しています。2012年版は憲法全部の改正案で、かなり批判が強い、ひどいものでした。2018年版は憲法全部の改正ではなく、大きな改正点として4つ上げています。来年の憲法改正発議は2018年版の4つを問われることになりそうですが、実は自民党が最終的に狙っているのは2012年版で、そこを理解しておく必要があると述べています。
それ以上に大事なのは、私たちが現行憲法をきちんと理解することで、これから私たちがどういう社会にしていきたいのかを考える教科書にもなると提案しています。
現行憲法の3つの基本原則は、「国民主権」「基本的人権」「平和主義」で、3つとも前文に書いてある一番大事なコンセプトだと言っています(6:35〜)。しかし、「国民主権」「基本的人権」と「平和主義」は"レイヤーが違う"。「基本的人権」と「国民主権」は「絶対」のもので、全世界、全人類に例外なく人類普遍の原理だと説明しています。ところが自民党草案はこの「絶対」の「国民主権」「基本的人権」に「例外」という形でちょこちょこ穴を開けていると説明しています。
憲法は、全部の条文が同列ではなく、論理構造としては「個人の尊重13条」「基本的人権11条」が最上位の原理としてあり(31:00〜)、11条から14条は絶対に犯してはいけない、触ってはいけない、以下これに矛盾するような条文は書けないということを理解する必要があるにもかかわらず、自民党の2012年版の改正案では、「公共の福祉」が「公益及び公の秩序」に替えられ、「基本的人権」も公権力によって穴が開けられて尊重されなくなり、「国民主権」「基本的人権」という上位概念がボロボロにされていることを主な条文ごとに解説されています。
来年、憲法改正の発議として出してくるであろう自民党の2018年版改正案の4つのポイントは、1)自衛隊の明記、2)教育の無償化、3)参議院合区の解消、4)緊急事態条項と見て、それぞれ解説をしています。2)と3)は、一見、改憲賛成しそうになりますが、拡大解釈の危険をよく検討せねばなりません。
最後に、大西つねき氏の考える最も重要な条文として12条を上げ、「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。」の中の「国民の不断の努力」とは、私たち国民が自分たちで自由と権利をちゃんと行使することだと言っています。自分の自由と他者の自由がぶつかる時、初めてフェアな落としどころに気づき、他者の自由も尊重できるのだと言っています。