エレクトリーク解説員
国連総会は、29日木曜の会議で、パレスチナの国家格上げに賛成票を投じ、今後、パレスチナは国連のオブザーバー国家となることになりました。
国連総会の票決では、138カ国が、パレスチナのオブザーバー国家への格上げに賛成票を投じ、アメリカ、カナダ、チェコ、マーシャル諸島、ミクロネシア、ナウル、パラオ、パナマ、そしてシオニスト政権イスラエルが反対、イギリスをはじめとする41カ国が棄権しました。
パレスチナ自治政府のアッバス議長は、票決の開始前に、国連総会で演説を行い、「世界がイスラエルの侵略者、占領者に対して立ち上がるときが来た」と語りました。
アッバス議長は国際社会に対して、「パレスチナ国家の出生証明」を発行するよう求めました。そしてついに、この証明が発行され、パレスチナ人の間に喜びが沸き起こりました。パレスチナの人々は、国連のオブザーバー国家への格上げを祝い、それを歓迎しました。パレスチナイスラム抵抗運動ハマスも、これをパレスチナにとっての新た成果だとしました。
トルコなど多くの地域諸国も、パレスチナ国家格上げに関する国連総会の票決を歓迎しました。ロシア、中国、南アフリカ、さらには国連でパレスチナと同様の立場にあるバチカンも、この決定を支持しました。
ロシアのチュルキン国連大使は、国際社会がパレスチナの地位向上に賛成票を投じたことはパレスチナにとっての大きな一歩だとしました。中国の温家宝首相も、国連にメッセージを寄せ、「パレスチナは中東の軸であり、この国の人々は合法的な権利を手にすべきだ」と語りました。
しかしながら、29日木曜の
国連総会の票決はアメリカの怒りを引き起こしました。クリントン国務長官は、ワシントンで、パレスチナの地位向上に関する国連総会の賛成を批判し、
これは遺憾で、非建設的な動きであるとし、和平の障害になる可能性がある、としました。さらに、「我々はパレスチナとイスラエルの直接協議によってのみ、彼らが平和を手にすることができるとはっきりと表明してきた」と述べました。イスラエルも今回の決定に懸念を表明し、「パレスチナが国家格上げになっても、パレスチナの状況が変わることはないだろう」と述べました。
こうした表明の一方で、今回の国連総会の新たな承認事項に基づき、
今後パレスチナ人はイスラエルの戦争犯罪を国際人権機関に訴えることができるようになります。これ自体、パレスチナ人の抵抗と国民にとっての勝利なのです。