先月、一歩間違えると自衛隊と中国軍が衝突する事態になっていたことが小野寺五典防衛相から明らかにされた。
中国軍のフリゲート艦が火器管制レーダーを自衛隊のヘリコプターにロックしたのが19日のこと。30日には自衛隊の駆逐艦(護衛艦)がレーダーのターゲットになったという。
この
小野寺防衛相は15日、つまりヘリコプターがターゲットになる4日前、記者会見で中国軍を刺激する発言をしていた。
小野寺防衛相
記者:「つまり、
中国の飛行機が日本のいわゆる領空に入ってきた場合、この警告射撃ということは、ありうるということでしょうか。」
大臣:「
どこの国も、それぞれ自国の領空に他国の航空機が入って来て、さまざまな警告をした中でも退去しない、領空侵犯を行った場合、これはそれぞれの国がそれぞれの対応を取っておりますし、我が国としても、国際的な基準に合わせて間違いのない対応を備えていると思っています。」
尖閣諸島(釣魚台群島)を係争地でないとするのが日本政府の主張であり、係争地だと認識している鳩山由紀夫元首相を小野寺防衛相はBSフジの番組で「国賊」だと罵倒している。尖閣諸島を特別扱いしない以上、状況によっては警告射撃の可能性はある。
16日の記者会見では菅義偉官房長官も、領空侵犯機に対しては国際的な基準に基づき、厳正な対領空侵犯措置を実施すると述べている。
菅義偉官房長官:左から肉体・幽体・原因体 (冗談)
しかし、言うまでもなく、中国や台湾も尖閣諸島/釣魚台群島は自国領だと主張しているわけで、彼らから見るならば、自衛隊の航空機や艦船は領空/領海を侵犯しているということになる。日本政府の発言が中国や台湾の政府から同じ対応を引き出しても不思議ではない。日本政府がそれを願っていた可能性もある。
中国の艦船がレーダーをロックしたのは日本側に対する警告であると同時に、こうした日本政府の姿勢を放置することは危険だというメッセージをアメリカ政府に送ったのだとも解釈できる。
尖閣諸島が係争地でないという主張は、中国や台湾と日本が軍事衝突し、戦争の勃発を引き起こしかねないということ。これは本ブログでも指摘した。
中東/北アフリカでは、ラムズフェルド、チェイニー、ウォルフォウィッツなどの好戦派がアメリカを戦争へ引きずり込んだ。この地域ではサウジアラビアやカタールが資金を提供、アル・カイダが傭兵として動いているが、東アジアでは日本がスポンサーと傭兵の二役を押しつけられそうだ。日本は破滅の瀬戸際にある。