2026年8月16日 の記事

[郷原信郎氏] 検察が冤罪を生み出す構造 〜 検察が見立てたストーリーに沿わせる自白調書、被告が無罪主張を諦めるまで拘留する人質司法 / 検察組織の解体的出直しが必須

読者の方からの情報です。
 検察の不祥事が厳しく非難される中、検察トップの検事総長、そして東京地検トップが新たに就任しました。しかしこれで検察が刷新されるとは誰も思いません。なぜ深刻な冤罪が繰り返されるのか、その背景を「組織、司法制度、個人」の観点から、元東京地検特捜部検事の郷原信郎氏が解説されていました。
 一般的な事件には被害者や犯人が存在しますが、それとは異なり、例えば特捜部が立件する事件、贈収賄事件、政治資金規正法違反などは被害が見えません。捜査機関が「ここに事件がある」と判断して事件になります。現場の主任検事などの上司が見立てたストーリーで立件し、起訴する以上、何が何でも有罪にする力が働くそうです。そのストーリーが世の中の構造や実態をよく分かっていて事件の存在を的確に判断していれば冤罪の可能性は少なくなりますが、上層部の勝手な思い込みであれば悲惨です。「割り屋」と言われる、ストーリー通りの自白調書をとるのが得意な検事は上司に評価をされますが、そこに真実は関係ありません。
 2009年に裁判員裁判が導入されて以降は、法廷での証言を重視する運用が広がったため、検察が押し付けていたストーリーの自白調書が法廷での証言で覆されるようになりました。そのため検察は被告が無罪主張をしないように人質司法で押し付ける形になってきたそうです。「いつまでも無罪主張していたら保釈ができない、釈放されない、いつまでも拘束が続く」というプレッシャーをかけて、無罪主張を諦めさせるそうです。それによって冤罪が生まれます。これは犯罪ではないのか。
 驚いたのは、取り調べ現場の録音録画にほとんど意味がないということです。長時間の似たような取り調べの記録は弁護士でさえチェックできないそうです。「検察なめんな!」と怒鳴って問題となったプレサンス事件では、たまたま被告が不動産会社の社長で資金力があるので、ものすごいお金をかけて弁護士事務所に全部出させ、全部時間をかけて確認させて、ようやくとんでもない場面が出てきたからこそ問題になったようです。「最後はお金でしか解決できない」という現実がありました。郷原氏は「もっと取り調べの時間を短くしないといけないし、単に録音録画をするだけでなく、弁護士の立ち会いを認めなければいけない。しかし検察は認めないだろう。」
 検察組織は正常化するだろうかとの問いに、郷原氏は「人事制度、採用制度含めて解体的出直しが必要。内部からの変化は無理で外からの力が必要だ。」と述べています。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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「何が何でも有罪に」”冤罪&相次ぐ不祥事”検察が抱える構造的問題/「ストーリー通りの調書を取ると出世」元東京地検特捜部検事が激白
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【要点の書き起こし】

なぜ冤罪は起きるのか
いろんな構造の冤罪がある。捜査機関の見立て違いを完全に無くすことは難しい。

2:00
むしろ構造的に冤罪が作り上げられるところが問題だ
一般的な事件には被害者や遺族、そして犯人がいる。
それとは異なり、例えば特捜部が立件する事件、贈収賄事件、政治資金規正法違反は被害が見えない。
捜査機関が「ここに事件がある」と判断して立件するから事件になる
検察の責任で立件して、起訴して、その上で無罪になったら大変な責めを追うことになる。
立件した以上は何がなんでも起訴し、有罪にしようとする力が働く。
そこに冤罪が起きるメカニズムがある


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