蓼科の植物たち
今花が咲き始めているタデ科の草たちをご紹介します。
藍染めにする藍も蓼(タデ)科で食べることができます。おひたしや天ぷらなどにします。また、乾燥させてお茶にもします。薬効も高く、解毒と血行促進になり魚やきのこ中毒、風邪などの解熱、腹痛、視力回復、などの薬効があるようです。
藍染の濃い藍色は藍の葉を発酵させる藍建てが必要で、相当な時間や手間がかかるようです。
生葉染めは簡単で、塩でもんで染めると綺麗なスカイブルーに染まります(絹を軽く洗剤で洗って下処理、木綿は呉汁、豆乳に浸して下処理)。
『蓼食う虫も好き好き』のあのタデはヤナギタデ、本タデともいい、とても辛く、鮎の塩焼きに添えてある蓼酢や刺身のツマに使われる芽タデの種類です。この他にも蓼科には色々な種類がありますが、他は辛味がありません。普通にお浸しなどでいただきます。
ヤナギタデの辛味も火を通すと消えますが、せっかくの辛味を生かして、油漬などにしてパスタやサラダに使います。バジルソースなどにも加えたりします。以前ブト(ブヨ・ブユ)に刺された時にフキが腫れとかゆみによく効くとお伝えしたのですが、このヤナギタデもよく効きます。生葉を擦り込むとかゆみ、腫れが収まります。
フキとこのヤナギタデを一緒に油につけ込んで虫刺されの薬を作っています。傷薬と兼用にはヤナギタデを入れずに、蕗とヨモギ、オレガノ、ドクダミなど(辛くないタデ科を入れても)を油漬けにしています。蓼科のほとんどが毒消しの薬効があり、食あたりなどにも良いようです。
このヤナギタデを河原で見つけました。群生しています。母が摘んでいると蜂が来て、手で払いのけたら刺されたようでした。すぐにこの葉をもんでつけると痛みがスッと消えたのに驚いていました。
蜂はそっとしておけば刺しませんが、巣の近くに行き過ぎると攻撃してくることがあります。花アブではない普通のアブは動物の血を吸うようで、何もしなくても刺してきます。
ただ、日頃から虫を殺さないでいると(蚊やゴキブリも)、殺気が消えるのか、刺されにくくなるようで、昨年は3度ムカデと接触したのにさされませんでした。2度靴に入っていて、1度は天井から頭に落ちてきたのが体にずっとついていてたらしく、お腹をはいはじめて気がつきました。もちろんあわてますが・・・。
とはいえ、蚊やブトにはいつも噛まれていますので・・・フキとヤナギタデのオイル漬けに毎日助けられています。
ソバも蓼科で、腫れ物の薬になり、高血圧予防になります。 ソバの実を収穫した後の茎や葉を焼いて、できた灰を水に入れ、上澄みの灰汁を洗剤にしていたそうです。強いアルカリで木綿や化繊に使います。
この他の蓼科には、よく見かけるイヌタデ、オオイヌタデ、花が美しいサクラタデ、本タデに似ていて辛味がないので愚かなタデという意味のボントクタデ、茎に棘があり一緒にうなぎを掴むと滑りにくいアキノウナギツカミ、溝に生えるソバに似たミゾソバ、棘のある葉で継子のしりをふいたという陰湿ないじめが名前になっているママコノシリヌグイ・・・煎じて飲むと血流を良くして、痔にもいいようです。葉で拭くといたそうですが・・・。
- オオイヌタデ(白花)
- オオイヌタデ(赤花)
- ボントクタデ
- ミゾソバ
- ママコノシリヌグイ
蓼科全般に解毒、血行改善などの薬効があるようです。
この頃の野草としてはアキノノゲシが美味しいですね。お浸しや磯部巻きが合います。
元気のいいクズのツル先や若葉も天ぷらでいただいています。
ヤマノイモ(ナガイモは栽培品種が野生化)と同じ味のムカゴもそのまま生でいただきます。
ヤマノイモ(ナガイモ)に似たオニドコロ、カエデドコロは毒ですが、葉のつき方が互生で、1箇所から1枚ずつ出ていてムカゴもつきません。
ヤマノイモ(ナガイモ)は対生ですがツル先の方は対生ではないことが多いです。
葉が落ちてから芋を掘る時には気をつけてくださいね。
昔は救荒植物として水にさらして毒や苦味を抜いて食べていたそうです。
イヌビユ、アメリカセンダングサなどもアクが少なく、美味しくいただけます。
ヘチマも柔らかい内は美味しいのを教えていただきました。
輪切りにして油で焼きます。
自然賛歌