未来に種子(たね)まく ~種子(たね)まきカフェ~ 後篇その①

 未来に種子(たね)まく~種子(たね)まきカフェ~、最後にご紹介するのは、食政策センタービジョン21を主宰されている安田節子さんのお話です。
 「どうなる私たちの食べもの、種と食の安全が危ない!」という重要なテーマを懇切丁寧に解説して下さった安田さんに感謝です。種子法とは何か?種子法がなぜ廃止されるのか?種子法が廃止されることによってどうなっていくのか?等がよくわかります。そして驚くべき話もありました。安田さんの承諾を得ましたので、今回と次回、会場で撮った写真とともに内容を共有したいと思います。
 「ひろく知らせなければと思っております。」まさに国難のお知らせです!ジョセフ・E・スティグリッツ氏が暴露した、世界支配の手口が思い出されます。
(しんしん丸)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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どうなる私たちの食べもの、種と食の安全が危ない!



1.種子法は、日本の食料安全保障の土台を支える法律です。国や都道府県が、風土に適した品種を開発したり遺伝子資源を保全をすることで、種子を低価格で農家に提供してきました。たとえば、宮城県では1993年の大凶作でササニシキが壊滅しました。しかし宮城県の農業試験場が耐冷性の強いひとめぼれを開発したことで、宮城の米作りは復活することができたのです。


2.「規制改革推進会議」の提言に基づいて種子法の廃止法が成立してしまいました。さらにそれに合わせて「農業競争力強化支援法」により、農に関しての国の知見まで、民間に提供することになりました。ひさしを貸しただけでなく、母屋まで空け渡した!とでもいいましょうか。



3.規制改革推進会議は内閣府直属の機関として、TPP協定とTPP日米合意に基づき設置されました。日米合意文書には「日本国政府は規制改革推進会議の提言に従う」とあります。つまり、これはアメリカ政府の背後にいる多国籍企業群の要求受け入れ窓口であり、日本国民にとっては許し難い組織なのです。どこへ行く、日本!




4.多国籍種子企業は、現状の安価な公的種子や農家が自家採種する種子を彼らの種子に置き換えたいという世界戦略を持っています。種子法廃止の理由を民間参入を阻害しているためとしていましたが、すでに種子法の改正で民間参入は実現されているのです。だからそれは本当の理由ではありません。公的種子を無くすのが目的です。



4-1.今までJA(農業協同組合)が果たしてきた働きを、多国籍企業は奪い取りたいのです。モンサント方式(種子、農薬、肥料のセットにして流通、販売までの一貫としたアグリビジネス)は、利潤追求の不毛な論理です。農業協同組合は、食料自給率を高めたり、限界集落を守ったり、環境を保全するためにも必要です。



5.多国籍企業は、毎年購入する必要のあるハイブリッド(F1種子)で伸びてきました。今や、日本の野菜の90%はF1です。そして次なるターゲットが世界の主食である米・麦・大豆なのです。なんと、生物特許(GMも)で囲い込もうとしています。



5-1.多国籍企業の目指す大規模化や合理化の農業の行く末は、種子と農薬を先付にした「奴隷農場」です。本来の日本の農業は家族を軸とした営農です。



6.種子法を廃止しても種苗法で対応するという付帯決議があるから大丈夫!といいますが、付帯決議に拘束力はありません。かつて食品添加物がそうでした。数年はこれで抑えられますが、今やあって無きが如しです。しかも外資が種子支配を目的として入って来た時に、ISDS条項の下で国が規制できるのかどうか大いに疑問です。



6-1.しかも種苗法というのは、植物新品種保護条約(UPOV)が1991年に改定されたことを受けてできたものです。この条約は多国籍企業の知的財産を強化したもので、自家採種が禁止されています。現状は各国の裁量に委ねられていて、今のところ日本は大丈夫ですが、どうなるかはわからないのです。



6-2.モンサントとバイエル、デュポンとダウが合併して、種子の多国籍企業はどんどん寡占化しています。



6-3.こうした種子の多国籍企業は農薬メーカーでもあるのです。種子と農薬はセットなのです。種子に、農薬に耐性がある遺伝子組み換えをすることで、種子と農薬は切り離せないものとされてしまうのです。



7.種子法が廃止されたら、間違いなく価格は高騰するでしょう。
今は生産費に占める種子価格の割合は、米で2%、小麦で4%、大豆で5%なので、農家は種子の価格を気にもしていません。しかし公的種子が無くなれば、寡占化した民間種子は必ずや高騰するはずです。



7-1.コシヒカリと比べて日本モンサントのとねのめぐみは、種子価格が2倍なのです。



7-2.アメリカでは主食の小麦は、公的機関が開発しているので低価格のままです。しかしそれ以外は、1996年に遺伝子組み換え作物の販売がはじまって以来、種子価格はどんどん上がっているのです。



7-3.アメリカにおいて種子に対して"生物特許"というものが認められてしまいました。この特許では、種取りは禁止、種の交換も禁止、種の保管(凶作への備えとして等)まで禁止なのです。そもそも、生命、生き物に対して特許などあるはずがありません。要するに種は買え!ということです。ドイツでは特許法を改正して生物特許を禁止しました。当たり前のことです。日本も禁止にすべきです。
また、先進諸国では多くの作物が単一的なハイブリッドの種子となり、多様性の宝庫である在来種はどんどん消えていっています。
さらに来年、2018年、米の生産調整は廃止されます。米の価格は市場に任せるということですから、安い輸入米が増えていくことになるでしょう。つまり、日本の米農家を守るつもりは無い!ということです。


7-4.日本の食料自給率は28%で、北朝鮮より低いのです。米の自給率は98%あります。つまり米以外の自給率がとても低いということです。これで米の自給率が下がったら、どうなってしまうのでしょう!食糧安全保障は危ういものになっていってしまいます。


7-5.主食である米、その根幹を守ることが第一義の国防であるはずです。2008年の世界同時凶作のときに一番高騰したのが米でした。このとき、小麦の自給をやめて輸入に頼ることになってしまっていたエジプトやハイチではたいへんなことになりました。日本は米の自給があるのでまだ影響は少なかったわけですが、輸入に頼るようになれば同じようなことになるかもしれないのです。自国の農業を守ってきた種子法という有用な法律を、代替法を用意することなく廃止するのは売国行為といえるのではないでしょうか!!

後篇その②につづく。

 自然賛歌。多種多様な種子。



Writer

しんしん丸

2015年のシャンティ・フーラ主催の関東交流会にてお手伝いをさせていただきました。平安の花を愛でる、幸せ者の一人として。

想念と電磁波の海たる東京で、ナディーチャート風水の結界ある自宅に引きこもっています。といいながらもよく出歩く、5種です。
もちろん、いろいろと出かけるのはほぼシャンティ・フーラ絡みです。ですから出歩いてはいますが、出歩いてはいないのです・・・と、どこまでもシャンティ・フーラ的な7種です。



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