厚労省も総務省も内閣府も信頼に足るデータが出せない危機的日本:「忖度」?「官邸の指示」?

 問題となっている厚労省「毎月勤労統計調査」で、賃金の高い大規模事業所が集計から抜けていたため、賃金が実態よりも低く算出され、その結果、これまで給付された雇用保険と労災保険が総額567.5億円も少なかったと報道されています。
これからせっせと不足分を追加給付するのに必要な事務経費や人件費も合わせると、総額800億円も必要になるようです。
 一方、この件では本来許されないサンプル調査をさらに意図的に操作して、賃金水準が「高まるように修正」していたことがずっと指摘されています。現実には実質賃金マイナスが続き、アベノミクス失敗が露呈していたことをごまかすため「雇用賃金が改善している」という政府の宣伝に利用されました。
一体、実質賃金は上がったのか下がったのか?役人にも分からないそうです。
それに加えて2つ目の記事では、各省庁のデータの怪しさが次々と解説されていて、もはや信頼できるデータではないことだけは理解できます。
総務省の毎月の「労働力調査」による完全失業者数が、厚労省の有効求職者数に比べて不自然に少なく、どうやら総務省データの3倍の完全失業者が存在すると見られ、政府の言う「雇用の改善」宣言は怪しい。GDPはかさ上げ判明。「景気動向指数」で景気判定を行う民間委員には圧力をかけ、どう見ても景気後退局面なのに「戦後最長の景気拡大」ととんでもない大ウソを発表する無茶苦茶。
 これらは役人が政府に「忖度した」から起こったと解説されていますが、「忖度」ではなかろうと迫ったのが、17日の野党合同ヒアリングでした。
「安倍総理が望む方向へだけ官僚の皆さんのミスが起きて、ちゃんと安倍総理が望む方向の数字が出て来る。いや、本当に不思議だ。」
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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過小給付567.5億円への追加給付に掛かる総額が800億円に、厚労省の「毎月勤労統計調査」不正問題で
引用元)
(前略)
厚生労働省が「毎月勤労統計調査」において、重大な不正を15年に渡って続けていた件で、統計の平均給与額を基にして算定される雇用・労災保険などの過少給付が計567.5億円に上ることが明らかにされました
(中略)
1月16日にはこの追加給付のためのシステム改修や事務経費が数百億円かかることが明らかになりました。事務経費には人件費や相談窓口の委託料、郵送料が含まれており、追加給付に掛かる総額は800億円にまで膨れあがる見込みです
(中略)
結局15年掛けて567.5億円の歳費を不正に削減したところ、不正が盛大にバレて追加給付する事になり、削減した歳費より200億円以上多くの税金が注ぎ込まれる上に重要な国家の基幹統計への信頼が致命的に毀損されるという踏んだり蹴ったりの結果になりました。
(以下略)



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また忖度。勤労統計「データ改ざん」で露呈した見せかけの賃金上昇と雇用改善=斎藤満
引用元)
(前略)
厚生労働省はここで二重の過ちを犯しています

1つは、調査方法でのルール違反です
(中略)
もう1つの過ちが、昨年分について、その「抽出」する事業所サンプルを意図的に操作して、賃金水準が高まるよう「修正」したことです。
(中略)
ところが、嘘はつけないもので、統計の不自然さが如実に表れていました
(中略)
アベノミクスを6年続けても、労働者の賃金が上がらない、というアベノミクスの実態を突きつけられたことになります。
(中略)
総務省が毎月公表している「労働力調査」で、日本の雇用状態、失業の実態が紹介されているのですが、この数字も極めて「不自然」なのです
(中略)
1人当たりの実質人件費はマイナスになっています。

一方、企業の経常利益は76%増です。(中略) 安倍政権は労働者の犠牲のもとに企業利益を支援しただけ、ということになります。
(中略)
政府のデータ水増しはまだあります。1つは「実質輸出」のかさ上げです
(中略)
それだけではありません。(中略)突然「研究開発費」もGDPに参入することを決め、これにより名目GDPが20兆円もかさ上げされました
(中略)
データの改ざんのみならず、政府はデータの評価までゆがめています
(中略)
しかし、実態は上記のようで、この間2度も「景気後退」があった可能性も残され、少なくとも「戦後最弱(最悪)の景気拡大」と言わざるを得ません
(以下略)
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配信元)




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