「すごく怖い」ため池の特徴 〜 安全そうなイメージとは反対に落ちると上陸不可能だった

 ため池と言えば、海や川のような流れがなく、水深もなく、岸辺も穏やかで、釣りなどをする人には憩いの場所というイメージがありました。しかしため池での死亡事故は決して少なくないらしく、しかも安全そうなイメージとは裏腹に、ため池には実に恐ろしい特性があることを訴える記事がありました。身体能力の高い、泳ぎの得意な大人であっても一度落ちると絶望的に這い上がれないそうです。水難学会の教授がそのことを検証し短い動画にされていました。あまりにも驚いたので取り上げてしまいました。
 最初の動画は、ため池付近を安全に歩いていても、わずかに足が水に浸かっただけで一気に池に吸い込まれてしまう様子。
 動画2では、自力で上がろうにも腰が水面に出るくらいの地点で足が滑り、それ以上は上がれない様子で「勢いをつけて上がろうとすると、反動でさらに深い方にもっていかれ、呼吸を確保できなくなれば、そこで溺水します」。
 動画3では、大人が落ちた子供を助けるケースを想定して、子供と同様の18kgのポリタンクで試しますが、足が届く深さしかないのに、どうしてもポリタンクを陸にあげることができずに水没します。
 動画4では、ロープがあればそれにつかまって陸に上げることも可能とありますが、素手だと救助者も池に引きずり込まれるため、固定が必要らしい。ため池の管理者ですら命を落とすことがあるため、水難学会では自己救命ネットというものを考案しているそうです。
 2つ目の記事は、反響の大きかった最初の記事への質問に答えています。
「勢いをつければ上陸できるのでは?」という問いに、現役、屈強の水難救助隊員が試しています。が、「水中から身体を水面上に出すのは(中略)人間には無理です」とあり、オットセイやイルカのようにはできないらしい。
 動画を見ると、落ちた人を引き上げることは簡単そうに見えるのですが、とんでもない、陸の人も一緒に滑って落ちる可能性が高く、引き上げようとするよりも、とにかく早く119番に通報をすべし、とあります。
 「靴が滑るから上がれないのでは?」との質問に、靴なしでの実験もしていますが結果は同じで、むしろ水中では「骨が見えるほどの」大怪我をする可能性が高いので、靴は脱がないこと、素手であちこち掴まないこと、静かに救援を待つことが大事だとありました。
 しかし最も大事なことは、「ため池に近づかない」ことでした。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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配信元)
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ため池に落ちると、なぜ命を落とすのか
引用元)
(前略)
 典型的なため池といえば、陸から見て、波もない、流れもない、鳥のさえずりに囲まれ、斜面も低く見える、全てにおいて安全を錯覚させるような条件を満たしています。八志沼はまさにその条件をすべてクリアしていました。

 水難学会事故調査委員会では、現場に赤十字水上安全法指導員有資格者の救助員複数名、医師を配置し、各種実験を行いました



 動画1をご覧ください。現役の水難救助隊員が斜面を登り降りしています。乾燥した斜面では歩行に何の支障もありません。ところが、足を水に少しだけ浸けたら、滑っていっきに池に吸い込まれました。数秒もたたないうちに背の立たない深みにもっていかれています











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「勢いをつければ、ため池から這い上がれるのでは」という疑問に実験結果で回答
引用元)
(前略)
勢いをつければ上陸できるのでは?
 動画でモデルとなった男性は、消防に勤める現役の水難救助隊員です。レスキューと言えばさらにわかりやすいかもしれません。常日頃から身体を鍛えているこの人に全力を使って上陸を試みてもらいました。





(中略)
モデルが上陸を試みている最中に事故調査委員のつぶやいた一言に戦慄が走り、現場が凍りました。「海とか岸壁で亡くなった人の手とか足を見るとわかるんだけれど、あんなにザクザク切れる。」手や足に骨が見えるほどの大けがを負うということです。靴を脱がず、あちこち素手でつかまないようにして、救助を待ちます。水難事故現場を数多く経験している委員の言葉は重いです。


(中略)
「ため池に近づかない」という心構えを持つことがあなたの命を守るために重要です。ため池は農作物を育てることで人の命を育む施設なのです。レジャー用施設ではありません
(以下略)

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