ぴょんぴょんの「せんでいいこと」 〜風呂の追い焚き循環口を壊した話

「せんでいいこと」をやってしまった。
「せんでいいこと」とは、小さい頃、母に叱られた時の決まり文句だ。
今回も、耳の奥で、母の声がエコーして自分を責めつける。
だが、「せんでいいこと」はそれほど責められることなのだろうか?
たしかに、平穏な日常がかき乱され、無駄な心配と労力を伴う。
何もなければスムーズに運んだものを、と後悔ひとしきりだ。
だが、わざとやったのなら責められるが、むやみに叱るのはどうだろう?
不注意なら、もっと注意深くなるだろうし、無知なら、学ぶだろう。
大人にとっても、子どもにとっても、無駄ではないはず。
もちろん、そのために、大きな対価を支払わなければならないこともあるが。
たとえめんどくさいことになっても、この人生で学べるチャンスは大いに活かしたい。
(ぴょんぴょん)
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ぴょんぴょんの「せんでいいこと」 〜風呂の追い焚き循環口を壊した話

お風呂のフィルター掃除でしでかしたこと


梅雨時期は汗をかいたほうがいい、シャワーよりお風呂だよね。


こないだ、ぬるま湯にまったりつかって、何気なく、湯が出るのを見てたら、気づいた。

なにに?

湯が左右対称に出てねえ。出口の丸いのも、黒く汚れてる。

丸いのって?

直径10センチ位の丸いヤツ。



ああ、これは、追い焚き用の循環口でしょ。
ここが真っ黒って、くろちゃん、フィルターの掃除してない
でしょ?

10年間、したことねえ。

よくそれで、何もなかったね。

いや、何年か前に、あったわ。
湯の中に茶色いヌメヌメが浮いてきて、重曹で洗浄したことがある。
風呂の残り湯に重曹を入れて追い炊きし、2~3時間放置して、また追い炊きするときれいになるぞ。(なにそれ!?倶楽部

でも、それ以前に、フィルターの掃除をしなくちゃ。

たしかにフィルターに書いてあったな、「フィルターはまめに掃除してください」。
だが今回は、フィルターの掃除のせいで、どエラいことになった。

いったい、どうしたの?

まずは、フィルターを外そうとした。
「左に回して手前に引っ張ると、外れる」と、書いてあるんだが、外れねえ。
だが、がんばってるうちに、左に回せるようになって、どんどん回していくと、フィルターだけじゃなく、こういうのも一緒に外れたんだ。


フィルターはガッチリ固まってたので、外すのはあきらめて、洗って元に戻して終わろうと思った。
ところがだ、元の穴に差し込んで回しても空回りするばかり。
元に戻せなくなっていることに気づいた。

大変だー! 穴をふさげなくなっちまったー!
湯が出ない、貯められない、風呂に入れなくなったー!


あ〜あ、なんで、そんなことしちゃったの?

まさか、フィルターを取るつもりが、こんなことになろうとは・・。
よくよく見ると、真っ暗な穴の向こうには、受け止めるものが何もない!
これじゃ、くっつくわけがねえ。

いったい、どういうことなの?

「外側に部品が無ければ、内側から挿しただけでは接続されてない状況となりますよ。
というより、ネジになってますから挿しただけでは接続されません。」
何らかの理由で部品がすっぽ抜けた場合、外側の部品も浴槽から離れて落ちてしまう可能性が高いです。
教えて!Goo No.2

待って、わかんないよ。

「一口循環口の構造は浴槽の外側と内側で抱き合わせの締め込みになっています。
外から凹型の本体(給湯器に接続される)を当てがい、内側から凸型の循環口を締め込む構造です。」
教えて!Goo No.2
つまり、循環口の接続は、バスタブの壁をはさんで「 グー」と「パー」で手をつないだ状態になってたんだ。

「グー」と「パー」?


なのに、おれは「グー」の方を引っこ抜いちまったから、湯を送りこむホースの先の「パー」が下に落っこちた。

フィルターだけ、外したかったのに。

「パー」が固定されてないなんて、夢にも思わんかったわ。
失われた「パー」を探しに、懐中電灯で穴を照らすと、暗闇の底に落ちていた。
長いピンセットで、ヨイショと穴のとこまで引き上げて、「グー」をねじ込む・・
って、これができねえんだよ、濡れてて滑るし、穴は小せえし、指は挟まるし。



大変だねえ。

はあ〜 できねえ〜 なんで、こんなことに?
「せんでいいこと」やっちまった、と後悔ひとしきり。

ぼくなら、即、業者に電話するよ。


穴からはムリなので、バスタブの裏から手を回して「パー」を固定しつつ、もう一方の手で、内側から「グー」をねじ込むよりほかはない。
となると、バスタブの側面壁を取り外さなければならないが。

ああ、「エプロン」ね。あれ外すのけっこう大変だよ。
うまく外せても、元通りに、取り付けられる保障はないしね。


たしかに、ネットでも「エプロンを外したが取り付けられない」って相談が、掃いて捨てるほどあった。

メーカーによっちゃ、取り外したらまずいのもある。
やっぱ、業者に頼んだほうが無難だよ。

おれもそう思った。
ふだんから世話になってるK氏に頼もうと思ったが、彼は大工だ、わかるだろうか?
とにかくその日は、一生分のアドレナリンを出し切った感じだったので、とりあえず寝た。

お疲れさん。


エプロン外しに再びトライ


そして翌朝、飛び起きて再びトライ。
やっぱりどう考えても、「エプロン」を取り外すしかないという結論に至る。
そこで、「エプロン」の壁に書いてある「取り外し方」を読むことにした。
洗い場に腹んばいになって、懐中電灯持って、老眼鏡かけて、虫眼鏡片手に・・。


そんなかっこしないと、見えないの? なんか、悲壮だね。

目もよく見えねえし、頭も疲れてるし、文字を読んでも図を見ても、理解する気力もねえし。ギブアップして、ネットで業者を探すことにした。
すると、コンコン、勝手口を叩く音が聞こえる。
こんな大変なときに、誰だ?
と、扉を開けると、大工のK氏だった!

ええっ?! 向こうから来ちゃった? 

新鮮な野菜を届けに来てくれたK氏に、窮状を伝えると、現場を見てくれた。
K 「ここ(エプロン)は開くのか?」
おれ「開け方が、難しそうで」
K 「取扱説明書は?」
おれ「いや、捨てちゃって」
K 「メーカーによって違うからなあ・・サイアク、ここに穴を開けるしかないだろう」
と言って、蛇口の後ろを指さした。

ヒエエ、お風呂場に穴を開けるって??


K 「急ぐかい?」
おれ「いや、急がないけど」
K 「じゃ、また明日来るわ、今日は工具も持ってないし」
と言って外に出ると、K氏は風呂場の外壁を見ながら、ボソッと言った。
「サイアク、ここに穴を開けることになるかもしれん」


外壁にも穴をあけるって?

正直、K氏に見てもらえてホッとしたが、穴を開けられるのは、ちょっと・・。
費用もどのくらいかかるか、わからないし。
こうなったらもう一回、ダメ元でやるっきゃねえ!
再び、風呂場に腹ばいになって、エプロンの外し方をじっくり読んだ。

とうとう、覚悟を決めたね。

まずは、洗面台カウンターのエプロンを外してみる、できた。
お次は、バスタブのサイドのエプロンだ。
こっちはかなりの横幅で、手をいっぱい広げてやっと届くくらいだが。
説明には「ねじりながらはずす」と、書いてある。
文字通り「ねじりながら」やると、エプロンを外すことができた。


ヤッタ!

さあ、これで、穴の後ろに手を回せるようになった。
バスタブの外に落ちた、ホースの先端「パー」を右手で拾い上げて、バスタブの穴まで持ってくる。誤って外した「グー」を、左手で「パー」にねじ込む。
「入ってくれよ」と祈りながら、手が限界になったところでネジが止まった。

できたの?

湯を出してみた、出た! 外に漏れている気配もない。
できた! これで、風呂に入れる!!

よくやったネ!! 

「グー」と「パー」の接続は思ったよりもかんたんだった。
K氏のおかげだな。見てもらってホッとして、「穴を開ける」で脅されて、エプロンに挑戦する覚悟ができたから。

それも、呼ばないのに向こうから来てくれたしね。


腰が痛いのに経筋体操


だが、まだ、エプロンを戻す作業が残っている。
バスタブサイドの大きなエプロンは、「ねじりながら」クリア!
だが、洗面台カウンター下のエプロンは、難関だった。
何度やっても、左右どっちかがはみ出しちまう。
サイアク、エプロンなんか外れたままで、風呂に入りゃいいと思ったが。
何度も何度も、試みていたら、突然、左の腰がグキッとなった!!


あれえ! また、ぎっくり腰やっちゃった
重いものも持ってないのに?
やっぱ、ストレス?!

ストレスで、筋肉の緊張が続きすぎたんだろうな。
長時間、頭を下げて、ヒョットコみたいに首を突き出しながら、作業してたから。

ご老体はムリしちゃダメだよ。

まったくだ。

あれれ? いやに素直だね。

おれも、気だけは張ってたが、体はやめてくれって言ってたんだな。
なんとか、エプロンを元のサヤにおさめて、K氏に「できた」と電話して、ホッ。

腰は犠牲になったけど、穴を開けられなくて、良かったよ。

で、こっからはオマケ。

オマケ?

腰がグキッとなってから、なんかむしょうに、経筋体操(前編後編)がやりたくなった。


経筋体操? 腰が痛いのに?

腰はできなくても、首ならできる。
首を整えると、腰も整うって言うじゃねえか?
そう思って、首の経筋体操をていねいにやってみたら、大正解だった。
明らかに腰が楽になり、その直後に、散歩できるくらいになった。



すごい!!

が、捻挫したのは事実だから、夕方から痛んできた。

捻挫?

ズレたってこと。おれの場合、ズレるのはいつも左仙腸関節。
ズレた関節を治そうとして、体は炎症を起こして腫れて、痛むんだ。
だから、寝る前にもう1回、首の経筋体操をやって、寝た。

また、やったの!

やりたくなっちゃうんだよ、明らかに良くなるから。
だがその晩は、起き上がると痛くて、こいつは2〜3日かかると不安になったが、翌朝、恐る恐る起き上がると、ふしぎやふしぎ!
まったく痛みが消えていた。

その日は掃除機かけたり、いつもより楽に動けたくらいだ。

驚きだね。
でも、腰に効くのは納得かもしれない。
「経筋体操は、こうしたスワディシュターナ・チャクラのエネルギーの放出と吸収という観点に基づいて組み立てられた体操なのです。」時事ブログ

以来、経筋体操、特に首のパートは毎日でもやりたいと思う。
「せんでいいこと」で苦労したが、学んだことも多かったわ。

「せんでいいこと」を活かせたら、人生、ムダなことは何もないカモ。


Writer

ぴょんぴょんDr.

白木 るい子(ぴょんぴょん先生)

1955年、大阪生まれ。うお座。
幼少期から学生時代を東京で過ごす。1979年東京女子医大卒業。
1985年、大分県別府市に移住。
1988年、別府市で、はくちょう会クリニックを開業。
以後26年半、主に漢方診療に携わった。
2014年11月末、クリニック閉院。
現在、豊後高田市で、田舎暮らしをエンジョイしている。
体癖7-3。エニアグラム4番(芸術家)

東洋医学セミナー受講者の声

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